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2020.12.11

沖縄の神社「琉球八社」の歴史巡り!普天満宮編

普天満宮

宜野湾市普天間に鎮座する普天満宮(ふてんまぐう)は、1450〜60年頃に普天満の洞穴に熊野権現を合祀したと伝えられています。沖縄中北部最大の神社で、「普天間権現」とも呼ばれています。洞穴は天女伝説、仙人伝説などがあり、古くから民間信仰の地でもありました。先の大戦では米軍により接収されましたが、昭和24年に境内地が解放され、元の本殿に遷座しました。

国王の参拝は1644年に始まったとされ、18世紀以降は身分を問わず多くの人々が参拝に訪れ、街道沿いは大変な賑わいだったそうです。

ここでは、普天満宮の案内に加え、歴史の道と天女伝説発祥の地を紹介しますのでお楽しみに。

まずは普天間宮を参拝!

普天満宮

鳥居をくぐると拝殿、本殿、授与所、社務所とコンパクトにまとまっています。

戦前の写真をみるとうっそうとした森の中にあるような雰囲気ですが、現在はコンクリートで整備されており、参拝のみですと少々さっぱりとした印象があるかもしれません。

せっかくなので、もともと御神体がお祀りされていた洞窟も参拝しましょう。

案内図の「※洞穴」と表記されている奥の宮も参拝することができます。

普天満宮洞穴

祈願控所に申し込み用紙がありますので、案内に従い拝観しましょう。

控所内には普天満宮にまつわる伝承が紹介されていますので、拝観前に一読されることをおすすめします。他の神社と同様、古来より聖地とされてきた場所に、外来の信仰が習合した歴史をうかがい知ることができるでしょう。

普天満宮は国道330号線という大きな道路に面し、米軍基地が隣接していますが、洞穴内はとても静かです。長い年月をかけて作られた鍾乳石や、洞穴そのものが持つ空間の美しさに心奪われます。

国王の参拝路(首里城~普天間宮)をたどる

1644年に琉球国王が普天満宮を参拝して以降、浦添以北には街道の両脇に琉球松が植えられ「宜野湾松並木(じのーんなんまち)」として整備されました。全長約5.8キロの街道に約2,900本の松が植えられていたそうです。普天満宮は首里城から12キロほどの距離にありますから、道のりの約半分が松並木だったわけですね。

残念なことに、先の大戦で松林の大半が消失してしまいました。さらに残念なことに、松林があった場所はほとんどが米軍基地の敷地となっているため、散策することが難しいのです。

しかしながら、国王が参拝した「普天間参詣道(ふてんまさんけいみち)」の一部が浦添市に残されていますので紹介しましょう。

概略図を作成しましたのでご参考ください。

普天間参詣道(ふてんまさんけいみち)概略図

1597年、尚寧王の時代に浦添城から首里平良までの道が整備され、首里城と中頭・国頭方面を結ぶ街道(宿道・すくみち)として多くの人が利用しました。

普天間参詣道は、街道の途中から分岐する形で17世紀に整備されたとされています。現在は当山の石畳道として、浦添大公園内に石畳の一部と当山橋が残されています。

沖縄 普天間参詣道 当山橋普天間参詣道にある当山橋

沖縄 馬ころばし んまどぅーけーらし

写真は馬ころばし(んまどぅーけーらし)と呼ばれた坂です。実際に歩いてみると、沖縄の強烈な日差しと熱気で坂道がさらに険しいものに感じられます。こんな急坂は馬だって嫌に決まってます。馬から降りて一緒に歩くくらいの気遣いが必要かもしれません。

そして王はというと、臣下が担ぐ駕籠に乗っていました。イラストをご参考ください、この傾斜では乗っている方もかなり辛そうです。

普天間宮 沖縄 神社 琉球八社 宜野湾市

当時は宜野湾間切を経て普天間宮へ参拝していましたが、現在は米軍基地の敷地(普天間飛行場)となっているため、首里方面から散策できるのは佐真下公園までとなります。

佐真下公園 松

佐真下公園の松

天女伝説を訪ねて首里桃原町へ

普天間宮ゆかりの伝説にまつわるスポットも紹介します。普天間の洞穴に逃げ込み天女となった女性は、那覇市首里桃原(とうばる)に屋敷があり、その跡地は普天間権現由来の地として御嶽となっています。

普天間権現由来の地 御嶽

こちらはゆいレール儀保駅の近くにありますので、末吉宮と合わせて散策するのもいいかもしれません。県道28号線の桃原本通り沿いにあります。

普天間権現発祥の地

普天間権現発祥の地
住所:沖縄県那覇市首里桃原町1丁目
駐車場:なし

 

今回紹介した普天間参詣道や普天間権現は、普天満宮から距離がありますので、時間にゆとりをもって散策することをお勧めします。

普天満宮へ参拝することが難しい方や、関連史跡に別途行かれる方は、桃原本通〜首里城を歩きながら歴史散策を楽しまれるのはいかがでしょうか。

首里城周辺の様子は以下の記事をご参考ください▼
「首里城公園」からの帰り道は儀保駅がおすすめ!首里の城下町をゆったり歩くお散歩ルートを紹介

紅型模様の御朱印帳にも注目!

御朱印帳 普天間宮 沖縄 神社 琉球八社 宜野湾市

普天満宮オリジナルの御朱印帳もあります。

拝観時間や時期には決まりがありますので、時間には十分余裕を持ってお参りしましょう。事前に普天満宮のHP等で確認されることをおすすめします。

普天間宮の初詣の様子はこちら▼
沖縄本島中部で最大の聖地!宜野湾市の普天満宮で、初詣の「活気」と「お祭り感」を味わう

[基本情報]普天満宮
住所:沖縄県宜野湾市普天間1-27-10
電話:098-892-3344
営業時間:9:30~18:00(電話受付)
定休日:なし
駐車場:あり
URL:http://futenmagu.or.jp

この記事を書いた人あーきーぐゎー
海、島、猫、歴史、伝統芸能、着物が好きです。お出かけはフィールドワーク型で、気になる場所があれば、どんなところでも一人で向かいます。 五感を全開にして、自由気ままに旅してます。最近、着物旅を始めました。 このライターの記事一覧

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