体験
2020.07.07
那覇市 国際通りから歩いて10分 自由な「さをり織り」にチャレンジできるWeaving Studio MINGA
那覇市樋川の「Weaving Studio MINGA(ウィービング スタジオ ミンガ)」は、機織り体験が気軽にできる貴重なスタジオ。国際通
「機織り」と聞くと立派な工芸品を織るイメージで、ハードルが高いと思う方が多いのではないでしょうか?
今回紹介する「さをり織り」は、なんとルールがなく「自由に織る」のがコンセプト。老若男女・障がいを持たれている方・車いすの方、全員大歓迎で初めてでもすぐに機織りに挑戦できます。
アート感ある自由な「さをり織り」
「こうしてはダメ、ああしてはダメと言ってはいけないのが、さをり織りなんですよ」と優しい笑顔で迎えてくれたのは、スタジオの代表・パワーズ 少英(しょうえい)さん。
「さをり織りは今から約50年前に城みさをさんによって考案された機織りです。規則正しく織ることで繊細な模様の織物を作るのが従来の機織りでしたが、固定観念にとらわれないのがさをり織り。ゆがみやズレ、糸が抜けていることが個性になり、アートとしての特性を持った新しい機織りなんです」と教えてくれました。
「差異を織る」という意味合いで「さをり織り」と名付けたそうです。
約4年前にこのスタジオをオープンしたというパワーズさんは、ニューヨーク在住時代にさをり織りと出合ったそう。娘のミンガさんがさをり織りに興味を持ったので一緒に習い始め、沖縄に住まいを移したことをきっかけに教室を兼ねたスタジオを作りました。
「各国でさをり織りのワークショップや展示会が開催されていて、世界中で愛されている日本文化といえると思います」とパワーズさん。
店内を見渡すとペンケースやポーチ、トートバックにコインケースなど、個性的でカラフルなさをり織りグッズが所狭しと飾られていて購入もできます。ヘアゴムは200円からとお手頃価格。
個性を重視した世界にひとつだけのさをり織りグッズですので、お土産やプレゼントとして喜ばれているとのこと。
人気のアイテムは「アコーディオンケース(2,000円)」。
カード収納部分がアコーディオンのように広がり、たくさんの枚数を収納できます。「ハンドメイドですから同じ物はふたつとできません」と、愛用のケースを広げながらパワーズさんが説明してくれました。
さぁ、織り機に触れてみよう!
スタジオ内にはたくさんの既製品があるのでスグに購入することもできますが、今回の取材の最大の目的は「さをり織り体験」! 初心者でもすぐに機織りができるのだそうです。
とはいえ、不器用な私は本当にできるのかと心配だったのですが…
「とても簡単です。例えばご旅行でいらっしゃったファミリーの皆さんでも、食事の合間の1~2時間で作品を完成させていますよ」とパワーズさんに励まされ、挑戦することに。
体験教室ではランチョンマット・マフラー・コースター・ショールなど、何を作りたいか自分で選べます。
今回は、一番お手軽そうなコースター作りに挑戦。初めてのさをり織り、体験スタートです!
①糸選び
壁一面に並ぶ糸から好きなものを選びます。私は鮮やかなスカイブルーとラメが入ったグリーン系のきらびやかな糸をチョイスしました。
イメージはずばり「沖縄の海」! 自由なさをり織りは、糸を何色選んでも大丈夫です。
②糸をセット
続いて選んだ糸を巻きながらボビンにセット。家庭科の授業で使ったボビンはミシン用語かと思っていましたが、さをり織り機でも同じ呼び名で使われていて親しみを感じました。ミシンのボビンよりかなり長かったです。
③シャトルにセット
織り機のシャトルに、ボビンをセットしたら準備完了!いよいよ機織り体験スタートです。
④縦糸と横糸
織り機に張られている黒の縦糸の下から、横糸になるシャトルをくぐらせ紡いでいきます。
⑤織る作業
織り機の筬(おさ)という部分を、パタンと手前に引きます。機織りの一般的な工程イメージとして、この作業が浮かぶのではないでしょうか。
縦糸と横糸を紡いでいくうちに、思わず頭の中で中島みゆきさんの名曲「糸」が流れます。
⑥ペダル
織り機の足元についている左右のペダルを、どちらか一回踏み替えます。左右どちらから踏み始めるのも自由ですので、一回ずつしっかりと踏み込みます。
⑦反対側へと織る
次はシャトルを反対方向にくぐらせ作業を継続。
そしてこの先、ひたすら④⑤⑥⑦の工程を繰り返します。
当たり前ですが、糸がどんどん織り込まれて布になっていくのが面白い! みるみる大きくなっていくので、単純作業ながらやりがいを感じました。
⑧糸を換える
そのまま同じ糸で作業を続けても構わないのですが、単調な色合いで仕上げるよりもコントラストを出したくて糸を換えることにしました。今度選んだのは深みのある紺色。
使っていたスカイブルーの糸をハサミでチョキンと切り、新たに選んだ紺色の糸を②と③の工程でセットするだけ。簡単です!
それからまた④⑤⑥⑦の工程を繰り返し、程良い大きさになったところで一枚のコースターが完成!
そしてパワーズさんの勧めもあり、せっかくの機会ということでもう一枚織ることにしました。
一枚目のコースターは織り機にクルッと巻きつけたまま、続けて二枚目に取り掛かれます。小型ながらハイスペックな織り機に感動!
工程を地道に続けていく内に程よい大きさになり、二枚目も完成です。
⑨糸をカット
織り機に巻きつけたまま、つながっているコースターの糸をカットします。またもチョキンとハサミで切るだけで、とても簡単です。
⑩縦糸結び
織り機からコースターを切り離した後は、切りっぱなしの端の糸をくしで整えながら結んでいきます。
コツはまとまった数本で作った結び目を、そのままの大きさでキューッと根元の方に持っていくこと。きれいに仕上がりました。
⑪好きな長さでOK!
全て結び終わったら余分な縦糸を切りますが、もちろん好きな長さで構いません。最初から最後までとことん自由な、さをり織り。これで完成です。
機織り体験からの学び
1時間程度で二枚のコースターを作ることができました。一枚目はスカイブルー多め、二枚目は紺色多めと色の割り合いを変え、大きさも少し変えて仕上げました。
自由に織れるのが最大の魅力といえる、さをり織り。
ルールも制約もないので、織り終わるとなんだかスッキリした気分になっている自分がいました。思った以上に簡単で、安心しながら進められます。
途中で少し間違えてしまうこともありましたが「さをり織りのコンセプトが人生そのもの、だと思っています。間違えることもありますが、その経験があってこその今。だからこそ、さをり織りは人生そのものではないでしょうか」とパワーズさん。
初めての機織りは心に残る経験となり、ふと人生観を考える時間にもなりました。シンプルなゆえにさまざまな色で自由な織り方ができる、さをり織り。
せわしい日常から逃れスローライフな沖縄で、ゆったりとさをり織りを体験してみませんか。
目に映った沖縄の風景の色彩に近い糸を選んで作品をつくると、ステキな旅の思い出がひとつ増えそうですね。
【さをり織り 体験コース】(税込)
●コースター(2枚):約1時間/1,980円
●ランチョンマット(1枚):約1時間30分/3,300円
●スカーフ(1枚):約2時間/6,380円
●ショール(1枚):約2時間30分/10,230円
(機織り代と材料費込み、消費税込み)
※他にも月謝制のさをり織り教室、英会話・中国語教室を開催しています。
詳しくは直接お問い合わせください。
[基本情報]Weaving Studio MINGA(ウィービング スタジオ ミンガ)
住所:沖縄県那覇市樋川1-3-14
電話:080-8943-6636
営業時間:11:00~18:00
定休日:不定休・要予約
駐車場:なし
URL:https://mingavillage.org
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