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くらし

2018.12.13

「沖縄県立図書館」に潜入!子供向けの遊び場や新設ビジネスエリアなど、気になるポイント5つを勝手に紹介

「沖縄県立図書館」に潜入!子供向けの遊び場や新設ビジネスエリアなど、気になるポイント5つを勝手に紹介

「文章力を上達させたいなら、ひたすら本を読むこと。次に書籍からインプットした言葉をひたすら文章化してアウトプットする」

これは、文章力を上達させるコツのひとつとして語られている言葉です。

ライターにとっての「書籍」とは、切っても切り離せないくらい大切な知識と言葉の情報源。また、未知なる世界や新たな見識を知るすべにもなり、本が持つチカラやその魅力は計り知れないと感じています。

本を読むだけで、その読者の人生が変わるキッカケにも成り得るのだから。

 

新しい図書館のオープンに期待が高まる中、師走の寒さにも負けず、図書館愛が炸裂していて胸熱です。

2018年12月15日、オフィス街の那覇市泉崎に『沖縄県立図書館』がリニューアルオープンします。沖縄県内最大の蔵書冊数を誇るこの図書館。もともとの蔵書冊数でさえ、約76万冊(2016年末時点)と想像を遥かに超える数字だったのには驚きでした。

沖縄県立図書館 入口

場所は、沖縄都市モノレール「旭橋駅」から連絡するカフーナ旭橋(A街区)。那覇バスターミナル那覇OPA(オーパ)と同じ建物の3階に入口があり、一般市民は3階から5階までのフロアを利用できます。

 

リニューアルオープン前の準備中、普段は見られない光景の『沖縄県立図書館』をわくわくと浮き足立った心を連れて見学してきました。

最初に解説!新しい沖縄県立図書館の「7つの基本方針」と設計デザイン

1910年(明治43年)に開館して100年以上の歴史を誇る『沖縄県立図書館』は、1983年(昭和58年)那覇市寄宮に移転して幅広い年齢層の沖縄県民に親しまれてきました。

そんな中、高度情報化社会への時代の変化とともに、新しい時代に合わせた機能の充実や施設の整備が検討されました。その裏側の背景には、本の冊数増加とともに施設が手狭になったこと、施設や設備の老朽化、狭いスペースの駐車場事情などにも要因があったようです。

沖縄県立図書館入口

新設された沖縄県立図書館は、以下の「7つの基本方針」を掲げています。

1.県民が気軽に利用でき、県民の多様なニーズに応える図書館
2.琉球・沖縄の知識や文化継承・発展の中核となる誇りうる図書館
3.地域や県民の課題解決を支援する図書館
4.「アジアの中の沖縄」としての国際色豊かな図書館
5.雇用・就業・ビジネスを支援する図書館
6.地域のセーフティネットの役割を果たす図書館
7.進化型、持続可能な施設の図書館

 

0歳から10代のティーンズ向けや子育て世代のパパママ向けエリアもあり、ジャンル別では郷土資料エリアの冊数の多さと充実度、新設したビジネスエリアも注目です。各所に読書するための閲覧席を設け、その席数は全528席。

書籍の検索機器に加え、セルフ貸出機の技術も投入して、自動化することでスムーズな人の流れを作っています。交流ルームやビジネスルームを設け、人材育成や就活支援にもチカラを入れて社会課題の解決に繋げていく支援を行っていくとのこと。

吹き抜け

沖縄の自然をモチーフに伝統や文化を融合した設計デザインは、3階が「知の大地」、4階が「知の海」、5階が「知の森」と各階にテーマが設けられ、琉球石灰岩のベージュカラーをベースに各階のテーマに合わせてアースカラーを使い分けています。

本棚

本棚の上を見ると、沖縄の生き物が描かれたイラストを発見。遊び心を取り入れた沖縄らしいデザインです。話によると…「写真のエクレアナマコオーストラリアで発見された新種のナマコで、2011年に初めて沖縄でも確認され、エクレアナマコと名付けられた」のだそう。(なるほど!)

 

約85万冊の蔵書を誇る沖縄県立図書館の特徴を、勝手に5つのポイントにまとめて紹介していきます。

勝手にPoint.1「貸出と返却も画期的!セルフで手続き可能な利用方法」

吹き抜け

3階の正面玄関を入った途端、真新しい建物の匂い。

目の前に現れたBDSゲート(Book Detection System)は、貸出手続きを済ませてない書籍が通過するとアナウンスで知らせてくれます。

そしてBDSゲート手前、「エントランスホール」の休憩スペースだけが、館内で唯一の飲食可能な場所。ペットボトルやタンブラーなど蓋のついたドリンクのみ館内に持ち込めるなど、図書館の利用カード作成時に利用規約等の説明があります。

 

正面のカウンターに10数台のパソコンが並び、セルフ貸出機本の消毒機!?

本の消毒器

本の消毒器

セルフ貸出機

白いマットの上に本を置くと機械が書籍の情報を読み取って、セルフで貸出・返却の手続きができる画期的なシステムを導入。予約本もセルフで受取・貸出できるらしく、本棚と柵で囲まれたスペース2畳分ほどの予約本受取コーナーがあります。

施設見学の開始早々にして何だかわくわくしてきた…。

総合サービスカウンター

3階の「総合サービスカウンター」では、リニューアルオープン前にスタッフたちが研修中。オープン後には見ることができない貴重な研修風景です。

 

本の貸出に必要な利用カードの作成は、3階の総合サービスカウンターで手続き。沖縄県民以外でも1ヶ月以上沖縄に滞在する人なら作れるので(提示書類あり)、詳しくは、沖縄県立図書館公式サイトの「利用方法」をご覧ください。

もちろん、その場で読書したり、場所を利用するだけなら誰でも利用可能です。

勝手にPoint.2「遊び心と楽しいママ活!3階子ども読書活動推進エリアの活用方法」

子ども読書活動推進エリア

3階の「子ども読書活動推進エリア」では、幼児から高校生までをターゲットにした幅広い分野の書籍が並び、絵本や漫画や学習本など、多岐に渡るジャンルの子供向け書籍が26,000冊以上。親御さん向けの書籍が子育て支援コーナー約3,800冊

すごい数です。

屋根付きの閲覧スペース

本棚周辺に屋根付きの閲覧スペースが用意され、エリア内を散歩をしながら本で学べる遊び心のある造り。

おはなしの森

幼児が座ったり寝転んだりして遊べる広場「おはなしの森(土足厳禁)」に加え、絵本の読み聞かせなどが行われる部屋「子ども読書活動推進研究室」も用意され、親子で楽しく遊んで学べるスペースを確保。

小学生や中学生向け書籍が並ぶ読書推進資料コーナーの奥には、高校生向けの「全国の大学受験年鑑」が複数揃うティーンズコーナーまで。

ティーンズコーナーの閲覧席

ここはティーンズコーナーの閲覧席。隣の夢コーナーに行くと留学関係の書籍も揃い、世界に目を向けたいティーンズにぜひおすすめしたいコーナーです。

勝手にPoint.3「4つの独自な特徴を持つ郷土資料室!5階の郷土資料エリアが圧巻」

郷土資料エリア

5階の「郷土資料エリア」に到着すると、落ち着いたダークブラウンで統一され、何やら重厚感が漂っています。

この「郷土資料エリア」には、書籍貸出不可の郷土資料室があります。

コインロッカー

郷土資料室に入るには大きな荷物をコインロッカーに収納します。100円を投入して、荷物受け取りの際に100円が返却されるタイプ。閲覧限定のコーナーなだけに読書スペースが広めに確保され、パソコンの持ち込みは可能です。

郷土資料室

郷土資料室で注目したい独自の特徴は、4つ。

・沖縄の新聞6社の新聞データ
・1500冊以上の市町村誌・字誌
移民関係の書籍とコンテンツ
特殊文庫

確かに貴重な資料。これは尖ってますね。

沖縄の新聞データ

新聞データがずらりと保管され、沖縄の新聞6社を閲覧できます。

「沖縄の新聞社って6社もあったの?」

数えてみると、沖縄タイムス、琉球新報、八重山毎日新聞、八重山日報、宮古毎日新聞、宮古新報。なるほど。これが沖縄の新聞6社ですね。

 

新聞に関しては、オンラインのデータベースでも閲覧可能。有料のデータベースを沖縄県立図書館が購入して、オンラインでも無料でデータを開放しています。

新聞の種類が紙面とは異なりますが、1997年以降の沖縄タイムス、1998年以降の琉球新報、1985年以降の朝日新聞日本経済新聞が閲覧可能。そして読売新聞に限っては、1874年以降の新聞データを検索できるとか、素晴らしすぎて意味がわかりません。

どこもオンライン化の波がやってきているのか。

いい時代になりました。

移民関係のコーナー

ここまで詳細なデータが揃うと、ガッツリと下調べができる予感。ライター冥利に尽きる郷土資料室をこれからガンガン利用させてもらいます。(楽しみすぎて失神しそう…)

勝手にPoint.4「人材育成にもチカラを入れていく4階フロア 」

4階の施設で個人的に押したいのが、無料で提供している「交流ルーム」「ビジネスルーム」。図書館に関連したイベントを開催するのが条件のひとつ。その他にもいくつか条件があり、無料イベントに限って利用可能です。

交流ルーム

「交流ルーム」では、主に展示会などの催し物や交流会などを開催。

ビジネスルーム

「ビジネスルーム」でセミナーや講座を開催できるそうです。

利用するにはいくつかの条件があるので、問い合わせ推奨。無料イベントに限り利用可能です。(大事なことなので2度言いました)

読書用閲覧席

読書用閲覧席

4階と5階のフロアは、読書用の閲覧席が多く、全館合わせて528席に及ぶとか。沖縄の結婚披露宴を2つ同時に開催できそうな席数。この収容人数の多さには脱帽です。

一部だけ電源を利用できる席があり、4階のサイレントルーム以外ならパソコンの持ち込みが可能!!なのです。

明るい光が差し込む眺めのいい席

沖縄県立図書館の仲尾さんが教えてくれた一押しの席。明るい光が差し込む眺めのいい席なだけに、これは毎週通ってしまうかもしれない…。

多文化エリア

ワールドな視点ならば、「多文化エリア」アメリカ情報コーナーと中国の図書館から寄贈された図書が並ぶ上海ウィンドウ。このニッチな路線はハマる人にはハマる独特の面白さがあります。

アメリカ情報コーナー

自由の女神と一緒に写真を撮りたくなる気もしますが、実はここ沖縄県立図書館では……

 

「館内撮影は事前申請が必要!」

皆さん、くれぐれもご注意ください。

勝手にPoint.5「ビジネスエリア」

ビジネスエリア

リニューアルとともに新設された「ビジネスエリア」も多岐に渡るジャンルの書籍が並び、その数なんと約2万冊。その他にも、約50種類のビジネス雑誌が置かれています。また、市場情報評価ナビ「Miena」を利用すれば、地域のマーケティングデータを調べることもできるとか。

書籍だけでなく、オンラインデータの活用やリアルなイベントの開催も合わせて地域の課題解決支援に繋げていきたいと、就職支援や起業経営、働き方に関するセミナーやワークショップを開催予定。今後開催されるイベントにも注目です。

 

ビジネス書に詳しいという沖縄県立図書館の垣花さんに「ビジネスエリア」を案内してもらいました。

個人的には、情報のスピードが早いクリエイター系の書籍が気になり、エンジニアやデザイナー向けの本棚を確認すると、エンジニア向けはブログ系(WordPressやPHP)とプログラマー系(プログラミング言語)で置き場が異なるものの冊数多め。起業や契約書に関する書籍も軽く各20冊以上あったような…。

ある社労士さんの話によると「税務関係の書籍は大型書店より多いかも…」と感想をもらったそうで、専門分野によっては、基礎から応用編まで対応できる書籍の充実度に感無量。

マネジメントの「ピーター・ドラッカー 」が大好きだと語る垣花さん

マネジメントの「ピーター・ドラッカー 」が大好きだと語る垣花さん。ドラッカー本のウンチクが一向に止まらず、その流れに乗って「ビジネス書といえば業界地図が面白い。数字で語られた世界には〜」と語り始めて、質問すると回答を即打ち返してきます。

せっかくの機会なので聞いてみました。

 

垣花さんが勝手に推薦する
ビジネス書ランキング!

トゥルルルルルルルル…ジャジャン!!

 

第5位 中動態の世界 意志と責任の考古学(著者:國分功一郎)
第4位 働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」(著者:川添愛)
第3位 広告年鑑(著者:東京コピーライターズ/ブレーン編集部)
第2位 情報は1冊のノートにまとめなさい(著者:奥野宣之)

 

そして、堂々の第1位は……

 

やはり「業界地図!」

垣花さんおすすめ第一位「業界地図」

熱く語っていただけに、垣花さんはこの本が大好きのようです。ぜひお手に取ってみてください。一般的な文庫本や小説などは、4階フロアに収納されています。

 

今回は、特別にバックヤードも見学させてもらいました。これが圧巻!!

「こんなに大きな本棚を見たのは初めてだ…」

蔵書に収納された約30万冊の書籍

蔵書に収納された約30万冊の書籍を目の前にして、興奮気味でクラクラしました。

ここは自動化書庫と呼ばれ、各階のカウンターにいる職員が機械で検索・選択した書籍を、この蔵書の中から機械が自動で選別。利用者が依頼したサービスカウンターまで届けてくれるのです。

約30万冊から1冊だけを探し出す機械の動きよ。ITを活用した輝かしい未来が近づいて来た予感。興奮気味で眺め続けたこのバックヤードは、誰もが感動すること間違いないでしょう。

沖縄県立図書館

高い専門性を持つ「知」の学び、市民交流の場、そして沖縄の課題解決へと繋げていく新しい『沖縄県立図書館』が間もなく誕生します。

 

1点大事なことを伝え忘れてました。

予算が許す限りではありますが、1人5冊まで書籍の購入依頼ができるのです。そのまま希望が通れば、最初に本を手にするのはアナタです。学生の皆さん、今まで高価すぎて買えなかった書籍を依頼するチャンス。ぜひ活用してくださいね。

今回の取材の裏側はこちら↓

 

[基本情報]沖縄県立図書館
那覇市泉崎1-20-1
098-894-5858
9:00〜20:00
定休日:火曜日・年末年始・特別整理期間
駐車場:カフーナ旭橋立体駐車場、有料(1日最大1,300円)
https://www.library.pref.okinawa.jp/

ライター:みやねえ(フリーライター/編集者/OKINAWA GRIT代表)

みやねえ
この記事を書いた人みやねえ
埼玉出身、沖縄移住組。二拠点生活(沖縄と埼玉)で活動するフリーライター・編集者。2015年からWebライティング「みやねえ講座」を開催し、「#ライター交流会 in 沖縄」を企画・運営。2018年、沖縄のライターコミュニティ「OKINAWA GRIT」を立ち上げ。エッセイ、インタビュー、イベントレポート、Webコンテンツの企画・執筆・編集を得意とする。 このライターの記事一覧

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