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2026.05.08

【沖縄ジャズ店散策】沖縄の夜にもう一つの選択肢。ジャズとお酒を楽しむ「Jazz bar Swing OKINAWA」

こんにちは!日頃リュックと水筒を持って沖縄本島中を散歩しているライターの小鍋悠です。今回はジャズの生演奏が聴けるお店「Jazz bar Swing OKINAWA」に行って参りました。  

沖縄のジャズは、他都道府県ではなかなか聞けない「味わい」があると言われています。それは戦後の沖縄が、アメリカ統治下時代に米軍基地内クラブで演奏してきたバンドマンたちの演奏が今なお息づいているから。 

「沖縄をもっと知りたい」、「沖縄の人が行くところに行きたい」と思っている沖縄リピーターさんや沖縄ファンの人にこそぜひ、沖縄をもっと知る深堀りスポットとしておすすめですよ。では一緒に沖縄ジャズの夜を覗いてみましょう! 

今回伺った「Jazz bar Swing OKINAWA」(以下「Swing OKINAWA」)は、2025年にオープンしたばかりの新しいお店。上質なジャズの生演奏が楽しめるほか、本格的なお酒も楽しめるバーカウンターを備えるお店です。

沖縄観光の“ツウ”が知っている若狭大通り

お店があるのは那覇市の「若狭大通り」。夜の飲食店が多い通りという印象ですが、沖縄の各離島に行ける船が発着するターミナル「とまりん」や、世界遺産の「波の上宮」、波の上ビーチ、若狭公園など、近隣には人気観光スポットが点在しています。

そんな若狭大通りの若狭交差点斜め向かいにあるのが「Swing OKINAWA」。交差点を目安にお店に行くとわかりやすいですよ◎ 

お店を手がけるのは、沖縄で活躍するピアニスト・櫻井萌(さくらい・もえ)さん。クラシックからジャズへと転身し、数々のステージを経験してきた人気の実力派ピアニストです。

店内では萌さんが奏でる上質なジャズピアノの音色が楽しめます。 

「ジャズを知らない人でも気軽に来られる場所にしたい」という想いから、 店内はあえてカジュアルで入りやすい雰囲気にしているそう。

音楽のクオリティと、訪れやすさのバランスが、このお店の大きな魅力になっています。

まずは一杯。音楽だけじゃない、グラスを傾ける時間も主役

※提供写真

店内に入るとまず目に入るのが、ダイナミックな龍の絵。白い壁や天井に壮大な龍が描かれており、聞くと、かの有名な点描画家・大城清太さんが描いた作品とのこと。

店内の右側はソファ席で左側はカウンター席。1日頑張ったあとの体をゆっくり休ませたい人は、体がすっぽり入る柔らかなソファ席、お酒やスタッフさんとのおしゃべりを楽しみたい人はカウンター席がおすすめ◎。

「Swing OKINAWA」はジャズバーという名前の通り、お酒にも強いこだわりがあります。

カクテルやウイスキー、ワインなど幅広いラインナップが揃い、バーテンダーが一杯ずつ丁寧に仕上げてくれます。

お酒メニューは、軽く飲めるお酒から本格的なワイン、ウィスキーまでさまざま。ノンアルカクテルやソフトドリンクもあるので、お酒が飲めない方も安心。

迷った時はスタッフさんに好みの味を伝えて、おすすめを教えてもらうのもありです。

筆者はこのあと運転を控えていたため「ノンアルコールカクテル 1,000円」をオーダー。

沖縄本島北部の本部町産のアセロラをクラッシュして冷凍したという一杯で、大変濃厚な味わいにノックアウト。萌さんが「美味しいお酒を提供したい」という想いに納得です。 

フードは「自家製」という文字が気になって「自家製生チョコレート 1,000円」を注文。一粒一粒たべるごとに幸せを感じるほど、ミルクチョコレートとワイン入りの燻製チョコレートが大変美味でした! 

付け合わせはまさに芸術品の一皿。日替わりのお通しとなっているそうで、この日はナッツ、サラミ、ドライフルーツ、イチジクのドライフルーツ。

生演奏がはじまるまで、食べ飲みしながら隣のお客様と少しユンタク(沖縄方言:「おしゃべり」の意)しましたよ。

お隣の男性客は、観光でよく沖縄にいらしているという沖縄リピーターさんでした。

グラスを傾けながら話に華を咲かせたり、今日の旅の思い出を振り返ったり、何もせずのんびりしたり。Swing OKINAWAはお酒の時間も主役級に大切にしているので、お店ではそれぞれのペースで楽しめます。

本格的なジャズライブで音楽に酔う

今日の生演奏はピアノとサックスのデュオ。萌さんのピアノと沖縄の人気実力派サックス奏者の有田康信さんの演奏がはじまりました。

国内外色々なミュージシャンと沢山の演奏経験がある2人が織りなすステージは、やはりハイクオリティな演奏。なにより、お2人が1音1音大切に心を込めて演奏されている温かさがまっすぐに胸に伝わってきます。

ライブが終わる頃には、取材した筆者の方がすっかり元気チャージ。何かに疲れていたわけじゃないけど、ものすごいパワーを頂いた感じがしました。これが音霊(おとだま)なのだろうと、しっくりきた夜でした。

※提供写真

ジャズ好きな筆者は、この20年ほど沖縄でプロアマのたくさんのジャズミュージシャンの演奏を聞いてきましたが、こんな情感あふれる演奏をする県出身の女性ジャズピアニストはいらっしゃったかなと思うほど、萌さんの演奏は本当に素晴らしいものです。 

サックスの有田さんもまた、魂揺さぶる音色を響かせる方。国内外のアーティストと共演してきた言わずと知れた人気ミュージシャンなので、ファンがいっぱいいらっしゃいますよ。

※提供写真

Swing OKINAWAは、萌さんのカジュアルな人柄通り、ジャズ初心者も観光客も大歓迎というオープンなお店。 

「沖縄観光の有名どころはだいだい回った」、「地元の人が行くお店に行きたい」という沖縄リピーターや沖縄通の方ほどオススメです。 

 大人の旅に「ジャズで過ごす沖縄の夜」という新しい選択肢はいかがでしょうか。

旅の終わりに聞きたい、この店が生まれた時の話

心地よい演奏と空間を生み出しているピアニスト・櫻井萌さんに、店が生まれた背景について話を聞きました。そこには、いくつもの“縁”が重なったストーリーがありました。

「いつか自分の店を」——理想と現実のあいだで

もともと「自分の店を持つこと」は長年の夢だったという萌さん。5年ほど前から物件探しを続けていたものの、なかなか良い出会いには恵まれませんでした。

そんな中、長年通っていたバーのバーテンダーから現在の物件を紹介され、話は一気に進展。

 「他の物件ではうまくいかなかったのに、今回はトントン拍子で決まりました。本当に“縁”だったと思います」と振り返ります。

ただ、夢が現実味を帯びた瞬間、不安も一気に押し寄せました。

 「私は石橋を叩きすぎるくらい慎重なタイプなので(笑)。家賃など現実的な数字を見たときは、正直かなり怖かったです」

ミュージシャンとして活動してきた経験はあっても、経営者としての判断はまったく別のもの。 やりたい気持ちと不安のあいだで揺れ動いていたといいます。

人とのつながりが導いた、店づくり

「これまでのジャズ人生、どんな辛い時でもどうにか乗り越えてきた」と萌さん。今回も奇跡的に一筋の光が差し込んできました。 

物件を紹介してくれたバーテンダー・坂梨さんがそのままお店の運営にも関わることに。「2人ならなんとかできるかもしれない」と思えたことで、大きく前に進めたそうです。

さらに、スタッフ探しでも偶然が重なります。

知人のSNS投稿をきっかけに、信頼できるバーテンダー・宮里さんと再びつながり、採用へ。「もともと人柄も仕事ぶりも知っていたので、迷わず声をかけました」と萌さん。

もう1人のスタッフ、仲本(なかもと)さんは店で演奏をするベーシスト。萌さんが「演奏の合間にたまにお店手伝ってくれないかな?」と相談したところ、仲本さん実は、日本のジャズミュージシャンの誰もが憧れるような「ブルーノート東京」で勤務したことがあることが判明。

結果として、経験豊富なメンバーが揃うことになりました。現在のチームはまさに縁の積み重ね。

 「『縁は異なもの』というジャズのスタンダードナンバーがありますが、まさにそれを実感しています」と話します。

誰でも入りやすい店名に込めた想い

お店の顔となる「店名」は、これまた素敵なお話でした。 

萌さんが以前はクラシックのピアニストだったことから「ソリチュード」や、世界的ジャズピアニスト「バド・パウエル」の名前に由来した店名も考えていましたが、最終的には「Jazz bar Swing OKINAWA」に決定。

 「ジャズを知らない人でも、ひと目で分かる名前にしたかったんです」と萌さん。

スウィングはジャズにおいて欠かせないリズム。「スウィングしなければ意味がない、という言葉があるくらい大切な要素なんです」と、その想いを教えてくれました。

萌さんがそっと筆者に見せて下さったのは、お店のロゴを作ったときのデザインメモ。Jazz bar Swing OKINAWAは、店内の隅々まで萌さんのこだわりと温もりであふれています。 

クラシックからジャズへ。ゼロからの挑戦

※提供写真

萌さんはもともとクラシックのピアニスト。幼少期から音楽に親しみ、音大を卒業後もクラシックの道を歩んでいました。

「昔からジャズには憧れていました。父がジャズのサックスプレイヤーだったので、家での練習の音やライブの様子を小さい頃から触れていました」。 

そんな中、友人のレコーディング参加をきっかけにジャズの世界へ足を踏み入れることに。しかし、当初は戸惑いの連続だったといいます。

「クラシックと違って、ジャズは即興。リズムの取り方も全然違って、最初はまったく対応できませんでした」

現場では厳しい言葉を受けることもありましたが 「今振り返ると、どれも本質を突いた指摘ばかりでした」と冷静に受け止めています。

その後はライブに足を運び、実際の演奏から学ぶ日々。 「ジャズって楽しそうだな、と思ったのがすべての始まりでした」と語ります。

沖縄のジャズシーンは、演奏者と観客の距離が近いのも特徴。 飛び入りで演奏する機会も多く、萌さんもそうした現場で経験を積んできました。

「最初は周りと全然合わなくて、自分のことで精一杯でした。でも、とにかく続けるしかなかったですね」

厳しい環境の中でも続けてこられたのは、 「純粋にジャズが好きだったから」と言います。

「好きだからこそ、頑張れたし、続けられたと思います」

音楽でつながるということ

ジャズの魅力について、萌さんは「ジャズは言葉がなくても通じる音楽。海外でもすぐに一緒に演奏できるのが面白いところです」と話します。

実際に台湾で現地のミュージシャンと共演した経験もあり、 「音楽でつながる感覚がすごく楽しかった」と振り返ります。

現在は外部での演奏を減らし、この店での時間を大切にしているという萌さん。 「自分が好きな場所で、好きな人たちと音楽ができる。それがいちばん幸せです」と語ります。

今後については、 「まずはこのジャズバーという形をしっかり育てていきたい」と、静かに目標を見据えていました。

沖縄の夜といえば、三線の音がにぎやかな沖縄居酒屋を思い浮かべる人が多いかもしれません。でも旅の夜をもう少し大人っぽく、ジャズとともに過ごす選択肢もあります。

お店のドアを開けてみると観光客、地元客、外国客。誰でも迎えてくれる温かなジャズの夜がありますよ。 

沖縄リピーターや沖縄ファンにこそ知ってほしい、沖縄のツウの楽しみ方「沖縄ジャズ」をぜひ経験してみてくださいね。

【基本情報】Jazz bar Swing OKINAWA 
住所/沖縄県那覇市若狭3-1-12 1F 
電話/098-867-2345 
営業/20:00~AM3:00(L.O.2:00)※日曜祝日は1:00迄 
定休日/月曜 
駐車場/なし。近くにコインP多数 
その他/演奏は21:00~AM1:00(2~3ステージ)、喫煙OK

konabeharuka
この記事を書いた人小鍋 悠
沖縄出身、沖縄在住。ことば×音楽のライフワーカー。某テレビ会社とラジオ局勤務を経て、現在ライター&司会者。小さい頃はとにかく図書館が大好きで、大学ではびっしり沖縄民話の調査に当たり「取材」の原点を味わったことから、ライターへ。得意な執筆分野は「沖縄あるある」。趣味はJazzとピアノ。 このライターの記事一覧

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