観光
2023.06.30
片道2時間半でも行きたい「辺土名大通り商店街」国頭村の魅力に触れる旅(夜の楽しみ方編)
ユネスコの世界自然遺産に登録された国頭村にある、ローカルな魅力がぎゅっと詰まった「辺土名大通り商店街」を楽しむ旅、後編です。
前編はこちら▼
片道2時間半でも行きたい「辺土名大通り商店街」国頭村の魅力に触れる旅(地元愛あふれるお店巡り編)
案内していただいた岩渕さんに「辺土名大通りは夜こそ楽しめますよ!」と教えてもらいました。なんとまさか。昼間はこんなにゆったりとした時間が流れているのどかな通りで、夜スポットも充実している?聞けば、通りが賑わい出すのは16時すぎからなのだとか。
それならば!と、下校中の子供たちが歩き始めた通りで、おすすめされた夜も楽しめるスポットへと出発です。
ローカル感満載!地元の人に混ざってさくっと立ち飲み「丸重商店」
前編で立ち寄った宮城菓子店のお隣にある「丸重商店」は創業70年の酒屋さん。元々は商店として始まり、現在は3代目の宮城力さんが酒屋であるメリットと魅力を生かし、店内で飲食もできる「角打ち」を始めました。
店内奥に進むと、ビールボックスを積み上げたカジュアルで居心地の良さそうな立ち飲みスペースがあります。
店内で販売しているドリンクをレジで購入後、テーブルの上にある入金ボックスにチャージ代300円を入れます。
品揃え豊富な店内はおつまみの乾き物や缶詰、スナック菓子など選ぶのも迷うほど。16時以降はレジ前にたこ焼き・焼き鳥などのお惣菜も並びます。
ドリンクの購入を条件に食べ物の持ち込みもOKとのことで、近所の鮮魚店でお刺身を購入してお酒のアテにする方もいるのだとか。
17時を過ぎると地元役場の方やお仕事を終えた方々が、周辺の居酒屋が開くまでの立ち寄り場所として軽く1、2杯を楽しみに訪れます。
続々と集まってくる地元の方たちに混ぜてもらい、沖縄本島最北の角打ちで乾杯!
「どこから来たんですか?」と、気さくに声をかけてくれ、辺土名の良いところやおすすめスポットを教えてくれました。次に行ってみたいスナックを告げると「ディープなところに行くね〜」と盛り上がります。
定休日はなく、台風の日以外は開いてますよ!という頼もしい町の酒屋、丸重商店。
一歩足を踏み入れて、奥のスペースを覗いてみてください。旅の合間に立ち寄って、地元の人と乾杯するのにもってこいのお店です。
[基本情報]丸重商店
住所:〒905-1411 沖縄県国頭郡国頭村字辺土名116
電話番号::0980-41-5844
定休日:なし(旧盆の日はご確認ください)
URL:https://www.marusigestore.com/
「代表者の力(ちから)さんとは盛り上がってスナックに行くこともあります(笑)。面白い方です!」
日没時間を狙って、国頭の夕日を独り占めできるスポットへ
辺土名大通り商店街から車で6分ほどのところにある人気の「国頭港食堂」。新鮮な地魚料理が食べられるこのお店の駐車場から左の小道へ入ると、天然のビーチが広がります。
ここは夕日のベストスポット。遮るものが何もない海へ沈みゆく太陽を、独り占めした様な気分で眺めることができます。
隣の食堂でご飯を食べながら眺めるサンセットもおすすめなので、日没前にぜひちょっと寄り道してみてください。
[基本情報]国頭港食堂横の浜
住所:沖縄県国頭郡国頭村浜477-1
癒し系のママがあたたかく迎えてくれる「スナック蘭」
辺土名大通りの旅、最終地点。通りの北側は、沖縄本島最北端の社交街と呼ばれ、昔懐かしい看板のスナックが立ち並びます。
そのうちの1軒、瓦屋根を囲むフクギの木から覗く「スナック蘭」の味のある看板。オレンジ色のあかりが漏れる入り口に、誘われる様におじゃましました。
赤いベルベットのチェアがおしゃれでレトロな店内は、若い世代にはどこか新鮮味があり、昭和世代には懐かしく落ち着く雰囲気。カウンターは4席、グループでもOKなボックス席もあります。
店主のミチ子ママはおっとりとした癒し系ながら、スナック蘭をオープンさせて43年という大ベテラン。辺土名の歴史を見守ってきたママと乾杯をして、島酒を飲みながらお話を聞かせてもらいましょう。
メニューは泡盛がボトル5,000円〜、グラス500円。瓶ビール700円やチューハイ500円、ソフトドリンク500円もあります。
軽く飲みたい方に嬉しいせんべろメニュー(1,000円で頼めるセット)もあるので、スナック初心者も入りやすいですね。
「辺土名の方はみんなこれを飲みますよ」と、ママにおすすめされたのは、地元のやんばる酒造で作られている琉球泡盛「まるた」の20度。スタンダードな水割りにしても、まろやかな口当たりは女性や泡盛初心者でも飲みやすいと人気です。
同じ酒造の「やんばるくいな」25度も良く飲まれるそうなので、飲み比べしてみるのも面白そう。
泡盛のクセが苦手な場合は、うこん茶やシークヮサーの原液で割ると飲みやすいですよ、と教えてくれました。
なんとおつまみは、ミチ子ママの手作りお惣菜。煮物からポテトサラダ、ソーメンチャンプルーなどバリエーション豊富に日替わりで用意されるそうです。どこか懐かしい味付けが、泡盛まるたの優しい口当たりに良く合います。
営業中、小さな鈴の音とともに入ってきたのはお店の看板娘でミチ子ママの飼い猫、ミーちゃん。途端に「かわいい〜!」と店内中の視線を浴び、ママに引けを取らない人気者です。
「国頭のトンネルやダム工事が盛んだった頃は、この通りもお店も工事作業員でいっぱいだったんですよ」と、懐かしそうに当時の話をしてくれました。
お店は21時過ぎから賑わい始めるそうなので、常連さんと盛り上がるのも楽しそう。もちろんカラオケもあるので、沖縄最北端での熱唱も可能!
夜もふける頃には、あちこちのスナックから楽しげな歌声が通りに響き渡り始めます。
[基本情報]スナック蘭
住所:沖縄県国頭郡国頭村辺土名278
営業時間:20時〜早ければ0時
「レトロなスナックの雰囲気がたまらない。ママさんの会話がおっとりしていて、これまた癒される。昔の辺土名話をたくさん聞けます!」
お酒を飲んだあと徒歩で帰れる宿も通りにいくつかありますが、それ以外の宿の場合はタクシーか代行運転をご利用ください。事前に帰る手段を調べて予約までしておくと、安心して辺土名の夜を楽しめます。
のどかな街並みの中に、沖縄らしい暮らしの温度が感じられる辺土名大通り商店街。ローカルな雰囲気のお店に一歩踏み入れると、地元愛にあふれる気さくな辺土名の方達が迎え入れてくれました。
取材中、優しい笑顔で「辺土名のコンシェルジュになりたいんです」と話してくださった辺土名大通り会長の岩渕そよさん。その言葉から、辺土名地区への愛情と、熱い思いが伝わってきました。
観光地を効率よくたくさん巡る沖縄旅行ももちろん良いですが、のんびりと沖縄を感じてみたい時は、世界自然遺産のすぐそばにある「辺土名大通り商店街」にぜひ訪れてみてください。ロングドライブの果てに出会える景色や人々、魅力があります。
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