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2022.12.19

沖縄市パークアベニューが舞台! 映画「10ROOMS」の主演俳優・尚玄さんにインタビュー

沖縄市パークアベニューが舞台! 映画「10ROOMS」の主演俳優・尚玄さんにインタビュー

2022年12月現在、沖縄県内で先行公開中の映画『10ROOMS』。沖縄本島・沖縄市(旧コザ市)の商店街「中央パークアベニュー」を舞台に、4つのエピソードが織り成す作品です。
沖縄とアメリカの文化が溶け合う空気感が流れ、日本復帰前の昔ながらの街並みが残る沖縄市。以前の名残りで「コザ」と呼ぶウチナーンチュ(沖縄出身者)はまだまだ多いと思います。

沖縄市パークアベニューが舞台! 映画「10ROOMS」の主演俳優・尚玄さんにインタビュー

本作はコザがかもし出す雰囲気を背景に、個性豊かな人物たちが繰り広げるエンタメ色豊かなオムニバスムービー。県内で活躍する俳優・芸人を中心に、第一線で活躍する加藤雅也さん・中村映里子さんを迎えた豪華出演陣。コメディー、ファンタジー、ダークファンタジー、バイオレンスといったそれぞれのストーリーで展開していくので目が離せません。

屋内ロケが実在の「トリップショットホテルズ・コザ」にて行われたこともポイント。スクリーンに映し出されるのは、キャバレーやバーをリノベーションし、インテリアにもこだわった数々の客室。とても魅力的で「泊まってみたい」と誰もが思うのではないでしょうか。

沖縄市パークアベニューが舞台! 映画「10ROOMS」の主演俳優・尚玄さんにインタビュー

今回は主演の一人、沖縄出身で国際的に活躍する俳優の尚玄(しょうげん)さんにインタビュー。

本作の見どころはじめ、沖縄のおすすめスポットなどたっぷり聞いてみました。

「10ROOMS」の見どころ・撮影エピソードについて

尚玄さん

―初めて完成版を見た時の感想を教えてください。

オープニングからセンスもテンポも良かったですね。台本を読んでいますからどんなシーンか分かっていましたが、イメージ以上でした。監督の岸本さんは編集にもこだわり、良い作品を完成させます。

10ROOMS

―パークアベニューが舞台の素晴らしい作品でした。いろんな人物が出てくるので見応えがありますし、尚玄さんと加藤雅也さんが主役の「エピソード4」はとてもカッコよかったです!

うれしいですね、ありがとうございます。岸本さんの作品はデビュー作『アコークロー』から何本も出演していますが、今までは楽観的で能天気なキャラクターが多かったんですよ。でも今回の『10ROOMS』は影のある役というか、世間や社会に不満を抱えている人間。最後のセリフには社会的な深いメッセージも込められているので、過去の岸本組作品とは違った新鮮さがありました。

―撮影期間はどの位でしたか?

去年(2021年)の12月に撮影しましたが、4日程度でした。今思うと、意外に短かったですね。この作品に入る数日前まで別の作品を撮っていたので気持ちを切り替えたり、1日撮って休みが入ったりしたことを思い出します。

10ROOMS

―映像がスタイリッシュで音楽もカッコいい。尚玄さんが思う見どころは?

群像劇といえる作品で、オムニバス形式でいろんなキャラクターが楽しめます。しかもキャラクターが交差していくところが見どころの一つですね。そして映像がスタイリッシュで、内容はコメディーの部分もありシリアスさもあるなど、そういうところが作品の魅力じゃないかなと思っています。コメディータッチで始まるんですけど段々変わっていくんですよ。一つの作品でいろいろな味わいがあるところも特徴ですよね。

10ROOMS

―好きなシーン、ここ見てほしいというポイントを教えてください。

やっぱり最後のシーンですかね。僕が演じる安室の複雑な思いが込もったセリフは、印象に残ると思います。ネタバレになるので詳しくは話せませんが(笑)、最後のシーンはしっかり見ていただきたいです。

あとはオープニング。ワンカット長回しで撮影しているのですが、タイミングが少しずれるだけで成立しない撮り方なので、結構大変だったと思いますよ。そんな実験的なことにも挑戦している作品、ともいえますね。

10ROOMS

―オープニングで登場人物が分かりますし、映画の全体的なイメージもつかめると思いました。

登場人物の紹介ともいえるシーンですし、人間関係が何となく見えてきますよね。

―本作のような沖縄映画だと話し方のイントネーションが沖縄風になり、沖縄以外の日本映画だと標準語に変わりますね。

役者を始めたころ、芝居をする時にどれだけ方言を出さないでできるか意識しましたし苦労もしました。『アコークロー』という岸本さんのデビュー映画を撮影した2006年、沖縄の言葉で話すところが逆に標準語になってしまい「方言が変だよ」と言われたことを覚えています。

十数年経った現在は、割と言葉のスイッチの切り替えができるようになりました。でも沖縄に帰ってきて、みんなとしゃべっていると、完全に戻りますよ(笑)。

10ROOMS

―撮影場所が沖縄市(旧コザ市)の実在のホテル「トリップショットホテルズ・コザ」ということも、この映画の大きなポイントです。尚玄さんはどう感じましたか?

コザの古い街並みの中にある、すごくおしゃれなホテルです。広い空間でインテリアがすてきで、そのまま映画のセットに使えるような場所です。みなさん、ぜひ宿泊してくださいとオススメします。

実はこのホテル、仕事でもプライベートでもコザに行く度に泊まらせてもらっていて、昨日も泊まったんです。今朝まで泊まっていて快適でした。

エキストラベッドを入れて4人は泊まれるはずなので、ファミリー利用もOKですよ。コザの街で飲んで泊まっていくのも楽しいですね。

尚玄さんにとって、コザの街とは!?

10ROOMS

―ロケ地のホテル名に「コザ」が入っていますし、沖縄市より「コザ」と言いたくなる街ですよね。コザの思い出はありますか?

学生時代、バスケットボールのユニフォームを買いに行きましたよ。南部で育った僕はコザに来ると、英語の看板が多くてにぎやかだな〜と思っていました。特にゲート通りは人が多かった印象です。今はちょっと寂しくなってしまいましたね。

でも『10ROOMS』で見ると何とも言えないいい雰囲気を出していて、映画だとこういう風に映るんだなと改めて感じました。コザは最近ロケ地として注目されていますよ。

実は5年くらい前、連続ドラマ『レキオ』をコザで撮影しました。全編英語の作品でヒロインは道端ジェシカさん。豊田エリーさん、加藤雅也さんも出演しています。自分で言うのも何ですが結構面白いコメディードラマで、アマゾンプライムで無料で見られる時期があるので(2022年11月現在)、良かったら見てください。僕はお酒ばかり飲んでいる、アル中のバーのオーナー役です(笑)。

10ROOMS

―本土の方にコザの楽しみ方を紹介したいですが、『10ROOMS』に絡めるとまずはホテルでしょうか?

そうですね! 「トリップショットホテルズ・コザ」は10部屋あって、まだ全室は泊まっていません。今回はアッシュ、その前はセントラルに泊まりましたので、来る度に違う部屋に泊まって制覇したいと思っているんです。

―各部屋ごとに内装が違いますし、確かに部屋を巡るのは楽しそう。他県にはないホテル、という意味でも自慢できますね!

そうなんですよ。初めて沖縄に来る方、リピーターさん、そして県民の方でも、コザに宿を取って一日楽しむのは通好みの遊び方じゃないでしょうか。コザの人たちって結構強烈な人が多いですし(笑)、那覇とは違った雰囲気だと思います。

せんべろをやっている店も多いので、若い子も増えてきましたね。僕は昨日、喜舎場役の大先輩・玉城満さんと飲みました。コザは満さんの地元なので、カラオケスナックみたいな所に連れて行ってもらい、楽しみましたよ。

沖縄の魅力、過ごし方

10ROOMS

―出身地・豊見城市の観光大使に任命されましたね。豊見城自慢をお願いします。

空港からすごく近い! サンセットを見るためによく瀬長島に行きますが、散歩をしていると本当に気持ちいいです。商業施設「ウミカジテラス」で食事や買い物をしながら景色が楽しめますし、少し離れた豊崎エリアには美しい「美らSUNビーチ」があります。沖縄に到着した時もしくは出発する前、空港からどこに行くか、帰りの飛行機に乗る前にどこに行こうかと悩む時は、ぜひ豊見城に来てください。空港に近いのが魅力だと思っているんです。

2020年に「イーアス沖縄豊崎」というショッピングセンターがオープンしたんですが、「DMMかりゆし水族館」があります。そこにナマケモノがいるらしいので、絶対見に行こうと思っています。昔からナマケモノが好きなんですよ。あと農産物はマンゴーが有名。時期になるととてもおいしいマンゴーが食べられますよ。

―友達が沖縄に来たら、一緒に遊びに行ったり案内するスポットはありますか?

最近、本島北部・名護市にある源河川(げんかがわ)に行きました。持ち運びできるサウナ一式を友達が持って来ていて、川辺に建ててサウナに入った後に川の水に入るのを交互にやったんですけど、最高でした。そんなにサウナ好きじゃないんですけど自然の中で入って、冷たい川の水を浴びてとても気持ち良かったです。

―やんばるの自然の中で太陽の光を浴び、尚玄さんらしいおしゃれな過ごし方ですね。見せていただいた写真、まるで外国のようでした。

他に誰もいなかったですし、水の上にサウナを置く体験が新鮮でした。普段は東京に住んでいるので。沖縄に来てプライベートの時間が持てたら、海や島に行っています。那覇の泊港から船が出ている慶良間諸島は、近くて行きやすいのでおすすめですよ。

座間味島

2019年製作の『ココロ、オドル』という映画のロケ地は座間味島だったので、その縁もあって今でも時々行っています。阿嘉島や渡嘉敷島も以前はよく行きましたよ。本土から友達が来たらまず那覇で遊んで、自然の多いところに行く場合は座間味を選ぶことが増えました。

10ROOMS

―沖縄そばのおいしい店やお気に入りの店など、沖縄ならではのお店を教えてください。

那覇市上間にある「すばやー上間本店」です。シブイ(冬瓜)そば、めちゃくちゃうまい! 本当においしかったです。結構味にはうるさいんですが(笑)、おすすめですよ。このお店は僕の友人がやっていて、彼は映画『義足のボクサー GENSAN PUNCH』のモデルになった元プロボクサーです。

北中城村のレストラン「ローズガーデン」にはステーキを食べに行きます。サーロインステーキ、おいしいですよ。沖縄らしさもありつつアメリカンな雰囲気もあるので、友達が来たらよく連れて行きます。

祝・アジア・スター・アワード受賞!今後も国際的な活動を

10ROOMS

―俳優として国際舞台で活躍中の尚玄さん。今年10月には釜山国際映画祭の会場で「アジア・スター・アワード:マリクレール賞」を受賞したとのこと。おめでとうございます!

ありがとうございます。授賞式には母も一緒に出席しました。去年の釜山国際映画祭では、『義足のボクサー GENSAN PUNCH』がキム・ジソク賞という栄誉ある賞を受賞しました。今年も『December』という作品で同賞にノミネートされていましたが、残念ながら受賞とはなりませんでした。でも個人でアジア・スター・アワードをいただいたので、とてもうれしかったです。

10ROOMS

―常に多くの出演作品が控えていますが、今後の予定を教えてください。

2023年公開予定の『December』は、多くのみなさまに見ていただきたいです。娘を殺された父親を演じていて、僕にとって勝負作といえる作品です。

東京国際映画祭で上映された『彼方の閃光』は、眞栄田郷敦主演で長崎の原爆と沖縄の基地問題を描いている大作。僕は戦争や米軍基地について語る役で、辺野古の海岸で撮影しました。見応えのある作品です。

マレーシア人のリム・カーワイが監督で、半分ドキュメンタリーのような作品が『あなたの微笑み』。映画監督の渡辺紘文さんが主人公で、自分の作品を売り込むために沖縄から北海道までのミニシアターを回るロードムービーです。沖縄は首里劇場で撮影していて、お元気なころの金城政則館長の姿が見られます。火事で全焼した福岡の小倉昭和館も映っていますし、意味深い重要な作品だと思っています。

これから撮影する作品も数本あって、年内にあと2本出演します。

―年内に2本! 本当にすごいペースですし、常にたくさんの作品に関わっているのが素晴らしいですね。海外にもよく行かれていますが、最近はいかがですか?

この間はヨーロッパのバルカン半島を回りました。来年2月にはフランスの映画祭に審査員として参加し、4月にもイタリアの映画祭に行く予定です。

―国際的なご活躍、これからも楽しみにしています。最後に、故郷・沖縄に帰ってきたら行きたくなる場所を教えてください。

昔ながらの風景が残っている、牧志公設市場の周辺はよく歩きます。「台湾茶屋」というカフェが好きで、よくコーヒーを飲みに行きますよ。トーストがおいしくていつも注文していたのですが、最近は黙っていても出てくるようになりました(笑)。

そしてやっぱり海。必ず行きます。子どものころに泳いでいたのは、南部の新原(ミーバル)ビーチや名城ビーチです。今はサンセットを見るなら瀬長島で、泳ぐなら座間味島。沖縄の海は最高です。

沖縄映画『10ROOMS』予告動画

『10ROOMS』(テンルームス)
2022年製作/日本
監督・脚本:岸本司
出演:尚玄・加藤雅也・ひがりゅうた・宮城夏鈴・ 中村映里子・・山城智二・クリス・真栄城美鈴・太田享・玉城満ほか
https://10rooms-movie.com

nohatakako
この記事を書いた人饒波 貴子
那覇市出身・在住。OL生活、週刊レキオ編集室勤務を経て、フリーライターに。現在は沖縄のエンターテインメントおよび店舗紹介を中心に取材・執筆。ウェブマガジン「琉球新報Style」、雑誌「porte」ほかで執筆中。 このライターの記事一覧

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