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2021.12.27

沖縄で最大最古の村落獅子が鎮座する八重瀬町 東風平(こちんだ)の富盛エリアさんぽ

沖縄で最大最古の村落獅子が鎮座する!八重瀬町東風平(こちんだ)の富盛エリアさんぽ

こんにちは!沖縄出身&在住のライター小鍋悠です。

今回は、沖縄本島南部の海沿いのまち八重瀬町東風平にある富盛(ともり)集落をさんぽしてきましたので、ご紹介します!

八重瀬町は、大学時代毎週のように足しげく通った大好きなまち。緑に囲まれ、のどかでゆったりとした時間が流れているので、まちにいるとついつい時間を忘れてしまいます。

その中でも富盛集落は、シーサーの名所。沖縄で最大最古のシーサー「富盛の石彫大獅子」(沖縄県指定有形民俗文化財)があり、シーサー好きには是非とも訪れてほしいエリアです。

他にもグスク(城跡)や桜の名所「八重瀬公園」もあるので、ゆっくり自然や歴史にふれることができる観光スポットです。では、2日に分けて富盛集落を紹介していきます♪

バス停でシーサーがお出迎え!シーサーのまち富盛

バス停でシーサーがお出迎え!シーサーのまち富盛

富盛のシーサーに行くときの目印といえば、こちらの「第二富盛」バス停。シーサーの1番近くのバス停です。

シーサーがお出迎え

こちらのバス停、なんとシーサーがお出迎えしてくれます。さすがシーサーのまち! 

県都那覇からこちらのバス停に来るには、バス「34」番と「334」番を利用すると便利。乗換はありません。「334」番は那覇バスターミナルから乗ることができますよ。

レンタカーの人は、那覇から車で約30分。「第二富盛」のバス停めがけて向かいましょう。

ちなみに、こちらのシーサーは「富盛の石彫大獅子」のレプリカで、実物の2/3の大きさ。足元には、バス停から石彫大獅子までの地図の絵が描かれていますよ。

案内板

バス停の斜め横の商店「ファミリーショップのはら」の側から、案内板に沿って中道に入ると徒歩1分ほどで案内板が見えてきます。左に曲がると!

看板

こんな看板が見えてきます。こちらを左に曲がるとシーサーはすぐそこ!こんなに青空だと、さんぽが楽しい~。

ついに到着!沖縄で最大最古のシーサー「富盛の石彫大獅子」

勢理(じり)グスク

到着しました!

こちらは「勢理(じり)グスク」。グスクとは沖縄の城跡を意味します。グスクのなかにシーサーがありますので、行ってみましょう♪

勢理グスクは、標高92.3mの小さな丘とその周辺に広がっているグスク。築城時期は不明ですが、土器や陶磁器、鉄製品、玉、骨製品、自然遺物など各種バラエティに富んだ遺物が出土し、陶磁器は中国産の青磁や白磁などがあり、比較的古い資料がまとまって出てきています。

集落にある大きな「八重瀬グスク」より前につくられたグスクともいわれています。

勢理グスク入り口

今回は、私の友人でグスク好きなFumieさんがモデルとして同行してくれます!Fumieさんは、県内外のグスク巡りをするのが大好きで、今回仕事の合間をぬって快く参加してくれました!

富盛の石彫大獅子

ドドン!こちらが「富盛の石彫大獅子(せきちょうおおじし)」です。

1689年(尚貞王21年)に設置された高さ141.2m、全長175.8cmの石像の大獅子で、沖縄県指定の有形民俗文化財。第二次世界大戦の戦火をくぐりぬけ、今なお残る貴重な石獅子です。

富盛の石彫大獅子

沖縄の家の屋根や門など、どこでも見られるシーサーとはまた風格が異なるこれは「村落獅子」。沖縄のムラを守ってきた石獅子です。県内に約147体現存しているといわれており、屋根や門にいるシーサーの先祖です。

「八重瀬町の文化財」(八重瀬町教育委員会)によると、こちらの獅子が設置されるまでは、(旧)富盛村では火災が多く村人が心配していたため、久米村の蔡応端(太田親雲上)に頼んで村の風水(地理)を見てもらうと、「八重瀬嶽に火の性がある。早く獅子の形をつくって八重瀬嶽に向かって立てよ」と教えられたそう。

村人はさっそく獅子をつくって勢理城におき、八重瀬嶽に向けたところ、火事が起こらなくなったといいます。

富盛の石彫大獅子

沖縄には同じ火伏せの目的でつくられた獅子も多く、その中でも富盛の石彫大獅子は最大最古のもの。

沖縄のシーサーは、首里城などにある「宮獅子」、(那覇市)御茶屋御殿の「御殿獅子」、ムラの守り神「村落獅子」、屋根や門に見られる「家獅子」、獅子舞や舞踊などに使われる「木製彫像獅子」などと分類されます。いま沖縄でたくさん見ることができるのは家獅子です。

八重瀬町にはたくさんの村落獅子が残っていますので、ぜひ見学してみてくださいね。

大きな木

こちらのグスクには大きな木がたくさん!Fumieさんの背丈と比べてもずいぶんと大きくてビックリ!木のパワーをもらって元気チャージしましょう。

ブレイクタイム

ブレイクタイム

ちょっとここでブレイクタイム!こちらのグスクは360度自然に囲まれているので、空気が美味しく、木々からのぞく青空も気持ち良い~!

このあと30分、ユンタクハンタク(おしゃべり)しながら、なかゆくい(休憩)してしまった私達です。

八重瀬のまちなみ

グスクは高台にあるので、八重瀬のまちなみが一望できますよ♪

駐車場

さて、帰ります。こちらの文化財、駐車場が完備されているのでレンタカーの人も安心ですよ。八重瀬観光に来たら、ぜひ立ち寄ってみてくださいね♪

まだまだある!八重瀬町の富盛は八重瀬グスクと桜の名所

八重瀬公園

さんぽ2日目。今度は、八重瀬公園に向かいます。

1日目にご紹介したバス停「第二富盛」から徒歩約4分、車で約1分で着くことができます。

八重瀬公園案内板

左車線に沿って約300m直進すると、案内板が見えてきます。左に曲がって坂道をのぼると、八重瀬公園の駐車場が見えてきますよ。

八重瀬公園P

勢理グスク

到着!八重瀬公園の大きなオブジェがお出迎え♪

こちらの駐車場からは八重瀬町の田園風景が一望でき、さんぽ1日目に行った「勢理グスク」も右側に見えます。ライター小鍋のオススメは夕方。夕日が田園に向かって差し込む美しい夕景が好きです。

八重瀬公園地図

さんぽ2日目も、モデルはグスク好きのFumieさん。八重瀬公園は桜を見に来たことがあるそうですが、八重瀬グスクのエリアに行くのは初めてだそうです。

階段

さぁ、階段をのぼっていきましょう。結構な急斜面なので、手すりにつかまって、ゆっくりゆっくり。運動不足のライター小鍋は、肩息ゼーゼー。途中休憩しながら一歩一歩上りました!

桜の見どころ

上に到着~!あともう少しで桜の開花シーズンがはじまります。

八重瀬公園は毎年2月ごろ約500本の桜が咲く沖縄本島南部の桜の人気名所。桜を見たい人は、開花シーズンを狙って八重瀬公園に来てくださいね♪

八重瀬グスク

左を見ると、八重瀬グスク(別名富盛グスク)。

標高163mの八重瀬岳の中腹(標高約105m~125m)に位置し、八重瀬岳の断崖下にグスクが立地しています。グスクの面積は4,231㎡。

現在でもグスク内には「城火の神」、「ナカジク火の神」、「グスクガー」と呼ばれる3ヶ所の拝所や井泉(カー)があり、ムラの人たちの信仰の対象となっています。

八重瀬グスクに関する資料は乏しくいまだ不明点が多いそうですが、口碑伝承によれば、沖縄本島南部の島尻を治めていた八重瀬(エージ)按司居城跡と伝えられおり、地元では八重瀬の城主は八代変わったとの伝承があるとか。

いや~、歴史好きなライター小鍋、こういった話を見たり聞いたりすると、ゾクゾクするほど高揚します!

城壁

自然岩壁

グスクを成していた城壁や自然岩壁とおもわれる遺跡も一部残っています。使われている石や石の並べ方、穴の開け方など、観察していると面白いですよ♪

物見台エリア

グスクの北東にある物見台エリア。昔の人たちも同じ景色を見ていたのかしら。当時に思いを馳せながらゆっくりまったり。

八重瀬公園の展望台

八重瀬公園の展望台から見る景色は、絶景そのもの。

気持のいい景色

こんな気持ちのいい景色を見たら、これやりたくなりますね。はい!映画のあのシーンです!

これにて富盛さんぽ終了~~!

Fumieさん

取材を終えたFumieさんに感想を聞いてみました!

「今回はじめて行く場所ばかりだったのでドキドキからはじまりましたが、思ったより整備されていて、史跡に駐車場があるのがいいと思いました。

グスクはその時代の人たちの家。命のやり取りをどういう風に過ごしていていたんだろうとか、想像してしまいます。だから本当、グスク大好き。

生命力をもらえて、自然に返って人間の原点に戻れる場所。それがグスクだと思います。楽しかったです!」

もっと八重瀬町を知りたい!楽しみたい!そんな人にオススメスポット

具志頭資料館

八重瀬町の特産品が一同にそろう八重瀬町の観光拠点施設「南の駅やえせ」から道路を隔ててすぐ隣には、八重瀬町立具志頭歴史民俗資料館。

八重瀬町港川で見つかった約22,000年前の旧石器時代の人骨化石「港川人」の発見までの経緯や骨格模型などが見ることができるほか、沖縄の歴史、沖縄で昔から使われていた生活道具や町内で行われている芸能を学ぶことができます。

方言で聞く昔話「桃太郎」や、戦後アメリカ統治下で使用されていた琉球切手もあって、ユニーク。

八重瀬町や沖縄のことをもっともっと知りたいという人は、ぜひ訪れてみてくださいね!

[基本情報]八重瀬町立具志頭歴史民俗資料館
住所:沖縄県八重瀬町字具志頭352番地
電話:098-835-7500
開館時間:9:00~17:00(但し入館は16:30迄)
観覧料:大人200円/小人(高校生以下)100円/幼児(幼稚園以下)無料
https://www.town.yaese.lg.jp/docs/2019022100054/

 aguro coffee

さんぽの途中で小腹が空いたら、富盛の石彫大獅子がある東風平エリアで「AGURO ROAST COFFEE」で、コーヒーとワッフルはいかがですか?

こちらのお店はオーナーの赤嶺さんが、バリ島などで本格的に学んだ美味しいコーヒーが飲めるテイクアウト専門の本格焙煎珈琲店。ライター小鍋もプライベートで購入していますが、シロップを入れなくてもふんわりと甘いコーヒーと、もちっとふんわりの大きめワッフルが嬉しいお店です。

AGURO ROAST COFFEE

ワッフルはすぐ売り切れる人気店なので、どうしても食べたい人は開店直後を狙って♪

コーヒーは380円~、ワッフルは240円~(種類多数)。

[基本情報]AGURO ROAST COFFEE
住所:沖縄県八重瀬町東風平837-1
電話:070-8468-1119
営業:13001800(月曜定休)※最新情報はInstagramを要チェック!
https://www.instagram.com/aguro_coffee_okinawa_yaese
※プリン、ジュースも各種有り

PARLOR kt(パーラーノット)

姉妹店「PARLOR kt(パーラーノット)」が南の駅「やえせ」にあります。

AGURO ROAST COFFEEのコーヒーが楽しめるほか、エフバーガー(450円)やチキンナゲット(300円~)などの軽食が楽しめます。

PARLOR kt

[基本情報]PARLOR kt
住所:沖縄県八重瀬町具志頭659 南の駅やえせ1
営業:12:0018:00(定休日なし)。※飲食エリア有
https://www.instagram.com/parlor.kt.okinawa/

八重瀬町東風平の富盛さんぽ

沖縄本島南部の海沿いのまち、八重瀬町東風平の富盛さんぽ。

のどかな田園風景や沖縄で最大最古のシーサー、歴史の趣が残るグスクなど、ゆったりとした素朴な自然に囲まれて歴史さんぽができます。

沖縄本島南部観光の初心者でも、バスやレンタカーで簡単にアクセスでできて、沖縄ファンもニッチに観光することができるオススメのエリアです。

八重瀬町に来たら、まずは富盛のシーサーから沖縄の歴史と文化に触れてみるのはいかがでしょうか?

〈参考文献〉
・「八重瀬グスク 調査略報」(東風平村教育委員会)
・「八重瀬町 文化財散歩」(八重瀬町教育委員会)
・「八重瀬の文化財」(八重瀬町教育委員会)
・「沖縄の魔除け獅子 写真集」(長嶺操)
・「村と家の守り神―再考 沖縄の魔除け獅子」(長嶺操)
・「八重瀬町 石獅子まっぷ」(八重瀬町教育委員会)
・「八重瀬町 観光ガイドブック」(八重瀬町)
・「八重瀬町立具志頭歴史民俗資料館ガイドブック」(同資料館)

konabeharuka
この記事を書いた人小鍋 悠
沖縄出身、沖縄在住。ことば×音楽のライフワーカー。某テレビ会社とラジオ局勤務を経て、現在ライター&司会者。小さい頃はとにかく図書館が大好きで、大学ではびっしり沖縄民話の調査に当たり「取材」の原点を味わったことから、ライターへ。得意な執筆分野は「沖縄あるある」。趣味はJazzとピアノ。 このライターの記事一覧

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