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2021.03.18

沖縄の神社「琉球八社」の歴史巡り!金武宮編

沖縄の神社「琉球八社」の歴史巡り!の金武宮編

金武宮(きんぐう)は本島中部エリアにある金武町に鎮座し、金武観音寺(きんかんのんじ)の境内にある洞穴内に、金武権現(きんごんげん)として祀られています。「神社」というより「神聖な空間」と表現するとイメージが伝わりやすかもしれません。

琉球八社の中では以下の特徴があります。

・王府との関わりについての詳細な記録がない
・創建当初より現在に至るまで社殿が存在しない
・神仏習合の形式が残されている
・戦災を免れた

ここでは、鍾乳洞の魅力も案内しながら金武宮について紹介していきます。

お社は鍾乳洞の中

お社は洞穴の中!

冒頭でも紹介しましたが、金武宮は創建当初より社殿が存在せず、日秀洞(にっしゅうどう)と呼ばれる洞穴内に金武権現堂としてお祀りされています。

この洞穴は日秀上人(1503〜1577)が補陀落渡海(ふだらくとかい)という捨て身行で琉球に漂着したあと、身を寄せていたことから日秀洞と呼ばれています。

いざ!日秀洞へ

では、日秀が身を寄せていた洞窟を訪ねてみましょう。洞窟内は薄暗く、急な階段もありますので、十分にお気をつけくださいね。

いざ!日秀洞へ

日秀洞の入り口です。

急階段ですのでゆっくり進みましょう。

急階段ですのでゆっくり進みましょう。

階段の途中にある鐘乳石

階段の途中に鐘乳石があります。

金武権現

こちらが洞窟内に建てられている金武権現です。

お社は洞穴の中!

諸説ありますが、日秀が琉球に漂着したのは1527年〜1545年頃とされ、この地に寺を建て、鍾乳洞内に金武宮を建立しました。

日秀上人はその他にも、熊野信仰の普及、護国寺(那覇市)の再建や経塚(浦添市)などに関わっており、琉球での仏教の普及に大きな影響を与えています。

鐘乳石の美しさに圧倒

鐘乳石

洞穴内ではたくさんの鐘乳石を見ることができます。

琉球八社のうち、普天満宮と識名宮でも洞穴を拝観することができますが、金武宮の鐘乳石の美しさは群を抜いています。

お宮の歴史とはすこし離れますが、整備ボランティアに行くほど鍾乳洞が大好きな私から「鍾乳洞の楽しみ方」をお伝えしたと思います。

1.ありのままを受け入れる

自然界に無駄なものは一つもありません。そこにあるもの全てが必要なものなのです。鍾乳洞は、真っ暗でも、足元が悪くても、それがありのままの姿です。私たちも、まっすぐな気持ちで向き合いましょう。

2.時の流れを感じる

鐘乳洞は長い時間をかけて作られるものです。環境にもよりますが、鐘乳石は30年〜100年で1cmともいわれます。日秀上人が琉球に漂着したのが約500年前なので、ざっと計算すると、当時から5cm〜16cm程度は伸びているということでしょうか…。

数値に関しては憶測ですが、洞内に滴り落ちる水滴や形状を観察することで、尊い歴史の流れを感じていただければ幸いです。

3.ためしに5秒間、静寂を味わう

気持ちを落ち着かせて、目を閉じて5秒数えてみましょう。鍾乳洞内の音や匂い、空気の流れなどをより敏感に感じることができると思います。

もちろん無理は禁物ですので、他の参拝者への配慮も忘れず、可能な範囲でお楽しみいただければと思います。

金武の空気をたっぷり吸って深呼吸!

観音寺

最後に、金武宮に隣接する観音寺を紹介しましょう。

正面入り口からゆるやかな下り坂になっており、樹齢350年とも言われる大きな福木を通り過ぎた後、目の前に本殿が現れます。本殿は昭和17年に建てられたもので、これだけでもちょっとしたタイムスリップ気分を味わうことができそうです。

できればどこかに腰を下ろして、何をするでもなく静かに過ごしてみてください。古老のような福木と本殿が暖かく迎えてくれるような気がして、とてもいい雰囲気です。

金武宮は首里城から45キロ程の距離にあり、沖縄自動車道を利用して片道1時間程度かかります。また、洞穴の開門時間には決まりがありますので、時間には余裕を持って参拝することをお勧めします。

観音寺

王朝時代より金武宮の管理は観音寺が行っており、明治の神仏分離後もその形式を変えることなく現在に至ります。感謝の心をもって、観音寺にもお参りしましょう。

[基本情報]日秀洞(金武観音寺境内)
住所:沖縄県国頭郡金武町金武222
電話:098-968-3236
営業時間:日秀洞拝観は7:00〜16:00
定休日:なし
駐車場:あり(金武観音寺の駐車場を利用)
URL:https://www.visitkintown.jp/spot/kannonji

この記事を書いた人あーきーぐゎー
海、島、猫、歴史、伝統芸能、着物が好きです。お出かけはフィールドワーク型で、気になる場所があれば、どんなところでも一人で向かいます。 五感を全開にして、自由気ままに旅してます。最近、着物旅を始めました。 このライターの記事一覧

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