観光
2019.07.26
名護市の観光スポットと町並みフォトウォーク!沖縄の歴史と文化と自然が残る、のどかでディープな街だった
沖縄美ら海水族館に行くならば、必ず通過する街。それが沖縄本島北部の名護市だ。国道58号線から内陸側へ脇道にそれると商店街ならぬ、いくつもの「通り会」が交差する地域がある。沖縄の歴史や文化が染み込んだのどかな町並みが、ローカルの面白さをじわじわと語りかけてくるから不思議だ。
歩けば歩くほどに、のどかでディープなローカルスポットが現れて、その景色をカメラに収めていく。真夏の階段を昇りかけた7月の沖縄で、青空と透き通った海のブルーが爽やかに出迎えてくれた。
二拠点生活フリーライター・編集者みやねえ(@miya_nee3)です。前編では「名護市のグルメ編」を紹介した。沖縄のローカルな町並みを取材するためにライター陣とともに名護市へと訪れたのだ。
目 次
1. 「21世紀の森公園」に名護で穴場のビーチがあった!
21世紀の森公園内、あけみおSKY(スカイ)ドームの裏側に天然ビーチがあった。名護の観光大使「がじゅまる王子」の1人に、ここめちゃくちゃキレイですよ〜!とお勧めされて行ってみたのだ。
ドーム裏側のビーチまで行くと、贅沢にも貸し切り状態だ。
白化した小さな珊瑚の欠片が、波によって砂浜に打ち上げられて、ゴロゴロと…ゴロゴロと…転がっている。
海を撮影するなら順光の午前中がベストだ。夕方ならば、沖縄で夕日が見られる穴場のビーチに早変わりする。その後、少しだけ横道にそれてビールを飲んだり、恐竜を見たりもした。
名護市の歴史や文化や自然を1つずつ紹介していこうではないか。
[基本情報]あけみおSKYドーム
住所:沖縄県名護市宮里492
2. まるで外国の宮殿!?歴史的建造物の「名護市役所」
名護市役所の建物を初めて見る人は、えっ?何これスゴイ〜!と必ず口々に言う。
今となっては年季が入って壁の黒ずみが目立ち始めているものの、やはりこの建物の造りと壁に垂れ下がる南国の植物を見たら驚くだろう。
自然の植物が多き庭には、沖縄県花に指定された大きなデイゴの木が目立ち、ここがお役所だと誰が思うだろうか。これから始まる沖縄マジックの予感に好奇心のアンテナが反応して、きっと心が踊りだすはずだ。
[基本情報]名護市役所
住所:沖縄県名護市港1-1-1
電話:0980-53-1212
3. 御菓子御殿が運営する「DINO恐竜PARK やんばる亜熱帯の森」
ガオーッ!!! 入り口で恐竜が吠えている(音付き)。
恐竜の口の中に入ると、太古の世界にいらっしゃい。ヒカゲヘゴや亜熱帯植物が茂るジャングルの森で、リアルな動きの恐竜たちがひしめき合っている。ここは「DINO恐竜PARK やんばる亜熱帯の森」といい、紅芋タルトで一役有名になった御菓子御殿が運営する観光スポットだ。
入園料は大人(16歳以上)800円、小人(4~15歳)500円。売店内は自由に出入りでき、本部町産アセロラを使う酸味の効いたアセローラスムージーは格別の味。ぜひお試しあれ…!!(大ファンです)
[基本情報]DINO恐竜PARK やんばる亜熱帯の森
住所:沖縄県名護市中山1024-1
電話:0980-54-8515
4. バスやカートに乗って施設を見学する「ナゴパイナップルパーク」
久しぶりに「ナゴパイナップルパーク」へ行ってみた。
以前とは施設の散策ルートが変わっていて、案内ルート通りに施設の裏側まで回り込むと駐車場が現れる。車を停車後、パイナップルトレインの乗降所へ。チケットを購入後はパイナップルトレインに乗車して、パイナップル畑を車窓しながら園内の入り口へ。
その後は以前と同様、自動操縦カートのパイナップル号に乗車。南国の植物やパイナップル畑を歩かずに見学して屋内へと進む。パイン製品の製造工程見学や売店を通り抜けて出口まで1時間ほどだろう。
入園料は、高校生以上850円、中学生600円、小学生450円、小学生未満は無料です。
[基本情報]ナゴパイナップルパーク
住所:沖縄県名護市為又1195
電話:0980-53-3659
5. 「オリオンハッピーパーク」で沖縄のビール”オリオン”の工場見学
沖縄のビールといえば、オリオン!
その工場見学ができる「オリオンハッピーパーク」は、一度は訪れたいハッピー楽しい施設だ。工場見学の楽しさは、商品作りの裏側が見られるワクワク感。巨大な機械や装置 、そして緻密な精密機器を間近で眺められるところだ。最後に試食や試飲のグルメで締められるとなお嬉しい。
オリオンビールの年間生産量は72,000キロリットル。ビール大瓶で1億本超えの量となる。
約35分の工場見学後は、冷えたドラフトビール2杯を無料サービス(ソフトドリンクやノンアルコールビールも提供)。オリオングッズが楽しい売店では、イラスト入りのマスキングテープや手ぬぐい、提灯やTシャツなどの笑いを誘うオリジナルグッズも販売している。
6. 沖縄県営の「名護城公園」が想像以上に広かった
とにかく広い…。この公園に訪れるまでは、園内を車で移動するほど広い!とは想像もしていなかった。移動に時間がかかる分、充実を通り越した広々とした快適な遊び場だ。お弁当を持参してピクニック気分で訪れるのも楽しいだろう。
冬の時期、1月下旬頃から沖縄の寒緋桜が咲き乱れる名護城公園は、桜の名所としても知られる。もともとは名護城のあった跡地。快晴の日には、高台から名護市内や名護湾を一望でき、「さくらの園」と「天上展望台」からの眺めが素晴らしすぎた。
7. 地元の人たちに馴染み深い「名護市営市場」
1921年(大正10年)に誕生し、約100年の歴史を刻む名護市営市場。建物の老朽化に伴い、2011年に場所を移転して新しく生まれ変わった。
1階の屋内には、市場特有の精肉店と鮮魚店、県産野菜や果物を販売する八百屋が並び、惣菜の天ぷら屋やお菓子屋などの小さな店をはしごできる。2階にカフェや食堂、豊富に県産品を取り揃えた名護のセレクトショップがあり、名護市公認キャラクター「名護親方(なぐうぇーかた)」と一緒に写真を撮ってローカルな楽しみ方ができる市場だ。
市場で買い物をすると、2時間無料で駐車場を利用できる。有料でも1時間50円、つまり10時間利用しても500円の安さだった。
8. 精霊が宿る木!?国指定天然記念物の「ひんぷんがじゅまる」
幸地川沿いに見えるガジュマルの大樹は「ひんぷんがじゅまる」と呼ばれ、国指定天然記念物として大切に保護されている。
大きく成長しすぎて支柱に支えられた木が、なぜか絵になる。
なぜ「ひんぷんがじゅまる」と呼ばれてるのだろうか?と気になって調べてみると、その理由は簡単だった。
ガジュマルの真横に立つ「三府龍脈碑」が、まるでひんぷんに見えるからだ。
ひんぷんとは、古来から沖縄で一軒家の門と玄関の間に立つ仕切りとなる壁。道路から玄関を目隠しする役目を果たす。「ひんぷんがじゅまる」をよく見ると、まるで「三府龍脈碑」がガジュマルの大樹を守っているかのようだった。
これがガジュマルの木の根っこ。ガジュマルには赤毛の精霊キジムナーが宿るといわれ、生命力みなぎるガジュマルの大樹を沖縄県内のあちこちで目にするだろう。
9. 名護のふしぎ発見!町並みフォトウォーク
名護市の公認キャラクター「名護親方」を覚えておこう。ウォーリーを探せ!のように街の意外な場所で見かけるからだ。
幸地川のほとり。桜の名所として知られる名護城公園内でもこの看板を見かけた。
そして、ひんぷんがじゅまるの近くで、不思議なポスターを見つけたのだ。
「名護の聖地75ヶ所めぐり!」
小さな売店に貼られたポスターを見て…
はっ?聖地が75ヶ所!?
しかも名護だけで75ヶ所…!!!
「歴史・文化・自然・人 ミステリースポット案内致します」とも書いてある。人も紹介してくれるのか。それとも「人」も聖地にカウントされるのか。いや、ミステリースポットなのかもしれない。
しかし、名護城公園を見学後、大幅に考えが変わった。名護岳の麓に広がる公園には御嶽や石碑があちこちに点在していたからだ。
「名護の聖地75ヶ所。軽くありそうだ…」
同じ売店でTシャツや帽子を自販機で販売していた。どちらも定価800円。や、安いじゃないか…。沖縄の熱中症対策これでイイんじゃない?海へ行く前に購入すれば、いいんじゃない?!ぜひ誰か試してほしい。
屋根の上でドラゴンフルーツが育っていたり。
路地裏に一歩入ると、閑静な住宅街だ。
店名の看板こそ目立つものの、亜熱帯植物に建物が囲まれて、もはや見えてる部分のほうが少ない。昼間だったため、「おでん でいご」が営業中なのかは不明だ。
グリーンの建物に「SNACKコスモス」の渋い看板を発見して、看板のグリーンに併せてアパートの色を塗り変えた説も考えられるなと、壮大な空想にふけってみた。
同じグリーンでも、ここはタイカレー屋らしい。
「やってます」とアピールする看板。扉の向こう側でどんな光景が待っているのか。想像するだけでドアノブを触りたい衝動とドアを開けたくない気持ちが交差してドキドキした。
コカ・コーラ好きなのか、赤が好きなのか。
自動販売機の2段目は全てコカ・コーラで埋まっていたから「やっぱりコカ・コーラが好き」なんじゃないかと思っている。
瓦の模様までもが絵になる。
鉄筋コンクリートの賃貸アパートやマンションの合間に風情のある瓦屋根の古民家を見つけて、シャッターを切る瞬間の心地よさがいい。
のどかな沖縄らしいローカルスポットや絵になる町並みを散策をしたいなら、名護市内で十分楽しめる。
10. トンネル内が美術館になった「大西トンネル美術館」
名護市の黄色いトンネルをご存知だろうか。トンネルであって、24時間見学できる美術館でもあるのだ。
落書きが絶えなかったトンネルを見るに見兼ねて、地元有志が集って「大西トンネル美術館を創る会」を発足した。その後、県内外から資金を募り、2002年に「大西トンネル美術館」が開館したのだ。
主に絵画の創作者は、地元の子供たちや学生さんだ。大きなキャンバスにはカラフルな絵やイラストが自由な発想で描かれ、黄色の壁に映えている。
2002年、全長約100メートルの大西トンネルが生まれ変わって、現在に至る。
2012年11月に新作が追加された。無料で24時間見学できる美術館。車窓ではなく、歩いて間近で絵画を見学してみてほしい。
名護市内のグルメと観光スポットをライター陣と取材してみて、丸1日いても全く飽きずに、それどころかもっと知りたいと思えた名護市内の取材だった。
名護市内の観光スポットと町並みフォトウォーク(後編)を、名護のグルメ編(前編)とともにお届けした。現地を取材・撮影・執筆して、沖縄本島北部には地元の人たちにしか知られていないネタの原石がまだまだ眠っていて、情報を開拓する余地のある地域なのだと思えた。
沖縄自動車道を一気に駆け抜けて北部まで行ってみよう。そこには、沖縄の海と山の自然と爽快な景色が皆さんを待ち構えている。
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