伝統
2018.11.21
アメリカ統治時代からの名残「アメリカを感じる沖縄」
2018年3月に沖縄県が発表した統計によると、沖縄全土の8.3%を米軍基地関連施設が占めています。特に中部には、米兵や軍属、その家族らを含む米軍関係者が生活する施設が多く、アメリカを感じられるお店やストリートがたくさんあります。
米軍基地と隣り合わせの沖縄
フェンスで囲われた米軍基地を、沖縄県民は「ベース」と呼びます。通常、日本人はベース内を自由に出入りすることができません。基地内ではフードや音楽、ダンスなどのイベントや、フリーマーケットが定期的に開催されており、その日だけは身分証さえ提示すれば誰でも気軽にベース内へと入れます。
軍雇用の仕事は、沖縄県内で公務員と同様に人気のある就業先のひとつ。飲食店のアルバイトならば英語ネイティブを相手に接客英語を学べます。
沖縄の日常生活の中に垣間見える異文化
沖縄の中のアメリカ。ランゲージエクスチェンジ(言語交換)はベースの内外で行われています。せっかく日本にいるのだからと日本語を学ぶアメリカ人と英語を話せるようになりたい日本人が集い、そこから国際結婚に発展するケースもあります。
また、南北アメリカではダンスができるとモテる傾向があり、その影響を受けてか、沖縄県内ではサルサやフラダンス、ZUMBAなどの習い事が人気です。
かつての米軍関係者の住居(外国人住宅)は、今となっては人気の物件です。外国人住宅をリノベーションして、住居以外にもおしゃれなカフェとして利用されています。
そして、車のナンバープレートにも注目。ひらがなの代わりに「Y・A・E」と書かれたナンバーは、米軍関係者の車両。インターナショナルスクールの黄色いスクールバスが公道を走り、ベース外のスクールには日本人の子供たちも通っています。
小さい頃から異文化に触れる機会があるからか、世界中・日本中、どこから来た人でも受け入れられる沖縄特有のチャンプルー文化が育まれているのかもしれません。
アメリカ人が利用しやすい沖縄の店
沖縄県民のソウルフード「タコライス」発祥の地、金武町(きんちょう)にある米軍基地がキャンプハンセン。ゲートの目の前に昔ながらの商店街が佇み、USドルで支払い可能なお店が多数存在します。
沖縄本島中部で最大規模の嘉手納基地。沖縄市のコザと呼ばれる地域に面したゲートから垂直に伸びる通りを通称ゲート通りと呼び、アメリカ人に人気のバーやクラブ、水タバコの店が立ち並んでいます。西海岸沿いに位置する北谷町(ちゃたんちょう)はアメリカ人のみならず、近隣のアジア諸国から訪れる観光客にも人気。バラエティ豊かな飲食店が揃っています。
1USドル=100円のレート表示(店によってレートが異なる)や英語のメニューを揃えた店もあり、ふらっと入った店内に日本人は自分ひとりだけという場合も稀にあったりします。日本にいながら海外旅行している気分にもなれる、そんな南国の島・沖縄でアメリカンな空気を感じてみてください。
文・撮影:田村安希
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