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伝統

2023.04.21

モチーフは沖縄の自然と伝統、身に着けた人を上品に輝かせるジュエリー 豊見城市「kamii jewelry」

kamii jewelry

豊見城市「沖縄空手会館」の近くにある「おきなわ工芸の杜」は、2022年4月にオープンした施設。自然に囲まれすがすがしさを感じる小高い丘に建ち、沖縄の工芸産業の人材育成や製品開発、情報発信を行なっています。

施設内は、沖縄県内の新進気鋭のクリエイターたちが工房やショップを構えていますが、今回紹介するのは「kamii jewelry(カミィ ジュエリー)」。

スッキリ洗練された店内には多くのジュエリーが並び、その傍らにある作業台と工具も目に入ります。ジュエリー作家さんのおしゃれな空間で、作品やそのブランドへの思いを伺ってきました。

祖母・母へのリスペクトをブランド名やデザインに

kamii jewelry

「kamii jewelry」は2014年に代表の鈴木理津子さんが立ち上げたブランドで、沖縄の豊かな自然を取り入れたデザインが特徴です。

特に注目したいのは紅型古典柄シリーズ。沖縄の伝統的な染物「紅型(びんがた)」は自然をモチーフにした柄と鮮やかな配色で、目にしたことがある方は多いと思います。沖縄の伝統衣装である琉装をはじめ、ハンカチやポーチなど多くのグッズにも取り入れられています。

一方でジュエリーにする発想はめずらしく、「kamii jewelry」ならではのオリジナリティーあふれる作品として、存在感を発揮しています。

kamii jewelry

気になるラインナップは、「松菱 ピアス(13,860円)」、「波 イヤーカフ・リング(2way)9,900円」(淡水パール付きは14,300円)「蝶 ネックレス(16,280円)」など。

「母親が紅型に関わる仕事をしていました。私にとって紅型は、子どものころからなじみ深い工芸品だったんです」と語る鈴木さん。彼女のアイデンティティーを表現した作品だといえるのかもしれません。

kamii jewelry

「kamii jewelry」というブランド名は、鈴木さんのおばあさまの童名(ワラビナー/幼少期の名前)が由来。「カミィ」(沖縄の言葉で「亀」という意味)と呼ばれていたので、その名前から考えたそうです。

「ワラビナーは代々受け継がれるものなので、ワラビナーがある時代に私も生まれていたらカミィだったのだろうと思い、この名前を付けました。祖母は沖縄戦を一人で生き抜いた人。心から尊敬しているんです」と鈴木さんは話します。

元々は図書館で働いていたという鈴木さん。ジュエリー作りの工房を友達に紹介されたのがきっかけで、現在のお仕事に足を踏み入れたそう。そこで出会った先生に、約5年間ジュエリー制作の指導を受けました。

kamii jewelry

「若手の育成を大切にしている先生で、本当にたくさんのことを教わりました」と語る鈴木さんにとって、素晴らしい師匠との出会いは人生の中で大きな出来事。ジュエリー作りの魅力に触れながら子育て・出産を経て、「いつか仕事にしたい」と考えるようになっていったそうです。

その後、現在入居中の「おきなわ工芸の杜」の前身にあたる若手の作家を支援する「工芸支援センター」に通い、自身のブランドの立ち上げに至りました。

ジュエリーで魅せるケラマパールの天然の美しさ

kamii jewelry

鈴木さんが手掛けるジュエリーは、シンプルながら他にはない個性的なデザインが魅力。そのアイデアは、身近な自然をはじめ日常の中からヒントを得ることが多いとのこと。「一年にひとつ、新しいデザインを発表していきたいです」と積極的な展開をイメージしています。

kamii jewelry

紅型古典柄シリーズ以外のジュエリーを紹介してもらうと、「swingflowers ピアス(12,100円)」(樹脂パールキャッチ付き22,000円)は、ベゴニアの花がモチーフで揺れる花の美しさを表現しています。

この作品はブランドを代表する定番ジュエリー。県内のセレクトショップで販売する機会も多いとのことです。

kamii jewelry

kamii jjewelry

またパールを材料にした作品が多く、 「月桃の花リング淡水パール(14,300円)」 は 「パールが月桃に見えた」とのこと。
 
そして「波 イヤーカフ・リング」については、「寄せては返すイメ ージで、何度も繰り返して幸せが来ますようにと願いを込めて彫りました」と、制作時の思いを教えてくれました。

kamii jewelry

ここでポイントですが「kamii jewelry」のパールは、慶良間諸島にある座間味島で育ったケラマパールを使用しているとのこと。

大量には流通していないというケラマパール。私たちが目にするのは5年から7年くらいの歳月をかけて成長したもので、磨いたり染色したりなどせず、そのままの姿でジュエリーへと生まれ変わるのだそう。そのくすんだ天然の色合いがとてもステキです。

「浮遊物や砂などを巻き込んで形成する個体もあるので、それぞれ1つずつ色も形も違います。とても趣のあるパールです」と語る鈴木さんは、パールが大好きなのだとか。

kamii jewelry

ケラマパールをふんだんに使ったネックレスは古典的なデザインを現代風にアレンジするなど、素材を生かしたジュエリー作りを常に心掛けているのだそうです。

またオーダーリフォームも受け付けるとのことで、家で眠っている古いジュエリーなどカウンセリングをした上で作り直しができるそう。大切なジュエリーが生まれ変わった姿が見たい方はぜひ、お問合せください。

沖縄の工芸品と思いに触れる「おきなわ工芸の杜」で

kamii jewelry

また多くの人が「おきなわ工芸の杜」という施設を訪問するようになってほしい、と話す鈴木さん。

「工芸品に触れられるステキな施設ですので、ぜひ足をお運びください。そしてkamii jewelryの店内に入り、気になるジュエリーを手に取り触れていただきたいです」と笑顔を見せてくれました。

鈴木さんが心をこめて作る作品の数々。お土産の沖縄ジュエリーとして、またさりげなく日常使いができるジュエリーとしておすすめです。オリジナリティーがありながら手ごろな品は1万円くらいで購入できるので、好みや用途で楽しく選べそうです。

kamii jewelry

kamii jewelryを後にして、施設内をのぞいてみると展示スペースがあり、工房も漆器・藍染め・木工などいろいろな職人さんが作業をしていました。

那覇市の中心地からは車で15分程度で到着するので、アクセス面も便利でおすすめ。見学する時間も含めてゆっくり訪ねてみてください。

※紹介した価格は掲載時の金額です。(今後価格が変更になる場合がございます)

[基本情報]kamii jewelry
住所:沖縄県豊見城市字豊見城1114番地1・おきなわ工芸の杜 A-05
メールアドレス:kamii.okinawa@gmail.com
営業時間:毎月「おきなわ工芸の杜」オープンアトリエに合わせて営業
(詳しくはメール、SNSでお問い合わせ下さい)
駐車場:あり
<公式サイト> https://kamii.thebase.in
<Facebook> https://www.facebook.com/kamii.jewelry/

執筆協力:Shotaro
撮影・編集:饒波貴子

nohatakako
この記事を書いた人饒波 貴子
那覇市出身・在住。OL生活、週刊レキオ編集室勤務を経て、フリーライターに。現在は沖縄のエンターテインメントおよび店舗紹介を中心に取材・執筆。ウェブマガジン「琉球新報Style」、雑誌「porte」ほかで執筆中。 このライターの記事一覧

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