観光
2024.05.30
2024年で創業30年!南城市の海カフェ「浜辺の茶屋」メディアで多数掲載される人気店の今
今となっては沖縄各地に点在する海カフェ。その草分け的存在が、2024年12月11日で開業30年となる「浜辺の茶屋」です。
お店があるのは、那覇空港から車で40分ほど離れた南城市玉城。周辺はのどかな景観が広がっていて、最寄りのバス停からは歩いて20分近くかかる立地ながら、ガイドブックや雑誌、テレビなどでも幾度と紹介されており、ご存知の方も多いはず。
台風がよく接近する沖縄の海辺でこれだけ長く営業してこられたのは並大抵のことではなく、今もなお多くの方が足を運びます。
今回はそんな「浜辺の茶屋」の節目となる2024年現在の様子を、浜辺の茶屋と誕生日が1日違いの編集部スタッフがお届けします。
目 次
浜辺の茶屋が位置する「さちばるやーどぅい」は土地を磨き上げた“作品”のような空間
お店の前に周辺について簡単にご紹介。「浜辺の茶屋」を含むこの一帯は「さちばるやーどぅい」と名付けられ、2024年5月時点では山の茶屋楽水(カフェ)、さちばるの庭(自然や景観を楽しめる庭園)、AMAMIKIYO(リラクゼーションサロン)、 そして複数の宿泊施設も点在しています。
さちばる(崎原)=かつてのこの地の名称
やーどぅい=琉球王朝の士族が首里の都を離れて村外れに築いた集落のこと
総面積はなんと6,500坪!サッカーコート約3面分もの広大な敷地です。
オーナーの稲福 信吉さんがこの場所で大切にしてきたのは、来られた方がありのままの自然を体感できる空間作り。植物の成長具合に合わせて剪定したり、自然に溶け込むように道路を作ったり、30年も前から“土地”を磨き続けてきたからこそ今があります。
この一帯についてまとめたパンフレットには「『沖縄独自の土地のあり方』という作品に仕上げた」とあるように、もはや“作品”とも言える空間。
といっても限りなく素朴で、そこにあることに違和感がなく、人と自然が共生しているような場所。そんな「さちばるやーどぅい」のはじまりとなったお店が浜辺の茶屋なのです。
自然と一体となった空間が広がる絶景海カフェ
道向かいにある駐車場に車を停めて入口に向かうと、色鮮やかな植物たちが迎えてくれます。混雑時はお店から徒歩2分のところにある第二駐車場へ。
屋上テラス席からはさっそく美しい景色が広がり、海に見惚れそうになりますが、まずは階段を降りて店内にて受付。空席状況を一目で確認できるほか、予約表に希望の席を記入できるようになっているため、効率よく案内いただけます。
まずは一番人気の店内窓側席へ。満潮時を狙って来店したため、店内ながらすぐそばまで海が広がります。これほどまで海に近いカフェは、沖縄でも貴重。
自然と一体となった空間に、思わずため息がこぼれます。
木造だからこその温かな雰囲気。やわらかい島風を感じる、開放的な店内。
海カフェは沖縄県内に数多くありますが、不思議とどこにもない心地よさと島時間が流れています。
このほか4名で座れる店内テーブル席や木漏れ日がほのかに差し込む屋外テラス席、見晴らしのよい屋上テラス席も。どちらも南城市の自然を肌で存分に感じられます。
島時間を引き立てるカフェメニュー
メニューは軽食やスイーツ、ドリンクが中心。トーストやケーキはドリンクと一緒の注文で50円引きになります。 ※写真は2024年5月時点の内容です
ベジタブル・ピザトースト
たっぷりのチーズとトマトの酸味が相性抜群。パンは沖縄県産小麦粉・島麦かなさんを使用していてモチモチ食感。なんと浜辺の茶屋のオーナーがお店の近くで自家栽培もしているようです。切って提供されるため食べやすいのも嬉しい。
ハイビスカスとパッションフルーツのセパレートティー
二層に分かれた見た目にもときめきます。パッションフルーツの酸味が感じられて、日差しが強くて暑い日こそ飲みたい一杯。お店オリジナルのコースターは購入もできますよ。
県産素材を使ったチーズケーキ
県産素材は主に紅イモで、時期によって島かぼちゃを使うことも。ケーキもクリームも甘さ控えめで、一緒に合わせて食べるとより濃厚でまろやかな味わい。コーヒーや紅茶と合わせていただきたいスイーツです。
おおきく息を吸って、海をただただ眺めていると、いつの間にか五感に意識が向きます。
風で揺れる葉の音、心地よい音量のBGM、テーブルの質感、きらきらした木漏れ日。
滞在中に印象的だったのが、時間が経つごとに景色が少しずつ変わるところ。潮の満ち引きはもちろん、日が指す場所や海の色が移り変わり、そのたびに心をつかまれる美しさ。
これだけ海が近いと台風による影響が心配ですが、だからこそ変わらずこのお店やこの景色が今も残っていることに感謝の気持ちが湧いてきます。
「たくさんの方に来ていただき、その積み重ねで今があります」と語るのは店長の竹林さん。
雑貨やお土産を販売するスペースのそばには「お客様感想ノート」があり、ぱらぱらとめくると旅行中や週末のおでかけで立ち寄った方の姿が浮かびます。訪れた記念に感想を書いておくと、次に訪れる時の楽しみができますね。
浜辺の茶屋に行く際は、食後にゆっくりする時間も含めて予定を立てましょう。
ビーチに降りて波打ち際のベンチでぼーっとするもよし、パシャパシャと足だけ海に浸かるもよし。店内の近くに足を洗える水道もありますよ。
人気店ながらお席の時間制限はなし。そのまま景色を眺めているのも至福です。
浜辺の茶屋と合わせて立ち寄りたい「さちばるの庭」「玉城焼」
さちばるやーどぅいでおすすめの場所を竹林さんに尋ねたところ、迷わず挙がったのが「さちばるの庭」。小高い丘へと続く庭園で、トレッキング気分を味わいながら自然を満喫できます。
頂上の展望台までの道のりには、樹齢200年ほどのガジュマルをはじめ、ゲットウ、ブーゲンビリア、テッポウユリなど沖縄らしい植物が見られます。
頂上は海抜71メートルと見晴らしがよく、まさに絶景。ここまで登ったことへのご褒美のような美しさに胸を打たれます。
遠くには糸満市の摩文仁の丘や沖縄平和祈念堂も。テーブルや椅子もあるので、海をみながらゆっくり一息つけますよ。駐車場から頂上までは止まらずに進むと10分ほど。
展望台までの道中は雨の日は特に滑りやすく、スニーカーなど歩きやすい靴で行くと安心。自由に利用できる杖も用意されています。
さちばるの庭は散策料無料。利用の際は、車は「山の茶屋 楽水」の駐車場に停めましょう。
浜辺の茶屋に向かう道中、お店から車でわずか1分のところにある「玉城焼(たまぐすくやき)」もおすすめ。
かわいいシーサーや沖縄の焼物(やちむん)が販売されていて、浜辺の茶屋で使われているマグカップもありましたよ。
窯主の稲福哲雄さんはなんと、浜辺の茶屋オーナーの実弟。お二人とも楽器を演奏されるようで、浜辺の茶屋でのイベントで演奏することもあるのだそう。
ギャラリーに定休日はなく、朝9時ごろから夜6時ごろまで。向かいの工房で作業をされていることもあるので、不在の際は声をかけてから入店しましょう。
年号、携帯電話やネットの普及、働き方の多様化など、30年もの間で変わってきたものを挙げるとキリがありません。
その中で今も浜辺の茶屋があることや、お店が積み重ねてきた歳月に思いを巡らせながら景色を見ていると、飾らない沖縄の美しさはどんな時代になってもきっと変わらないように感じます。
梅雨に差し掛かる前の気持ちよい昼下がりに、プランターの陰ですやすやと眠る看板猫のミケちゃん。「ミケに会いに来られるお客様も多いんですよ」と竹林さん。今年で18〜19歳とのことで、さちばるの景色に引けを取らず、多くの方から愛されてきました。
竹林さんによると、席を選びやすい時間帯は朝と夕方。月曜日から木曜日はモーニングが予約制となっていて、席を選びやすいとのことです。また、ラストオーダーの17時から閉店の18時ごろは、秋や冬だとサンセットも見えるそう。
お店のそばでは「浜辺のマルシェ」「浜辺の朝市」といったイベントも数ヶ月おきに開催。
海カフェというだけに留まらず、沖縄や地域の魅力を感じられる浜辺の茶屋。明日はどんな景色が広がっているでしょうか。
[基本情報]浜辺の茶屋
住所: 沖縄県南城市玉城字玉城2-1
電話番号:098-948-2073(予約受付なし)
営業時間:
《月~木》10:00~18:00(L.O.17:00)
※モーニング(8:00〜10:00)は完全予約制
モーニング専用お問い合わせ先:070-2322-8023
《金~日・祝》8:00~18:00(L.O.17:00)
定休日:なし
駐車場:あり
備考:カード可(JCB、AMEX、Diners、VISA、Master)
電子マネー可(交通系電子マネー(Suicaなど)、楽天Edy、nanaco、WAON、iD、QUICPay)
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