観光
2023.12.12
かつて沖縄を走っていた軽便鉄道が現代に出現?!雨でも観光OKな「ネオパークオキナワ」で動物や鳥を見ながらぶらり周遊
こんにちは!沖縄さんぽ大好きのライター小鍋です。日頃よくリュックと水筒を持って沖縄中をさんぽしています。今回は、沖縄本島北部にある名護市に行ってみました!
名護市「許田IC」で高速を降りそこから車で約12分ほどのところにあるのは、世界最大級の開放型ふれあい動植物公園「ネオパークオキナワ」(以下、「ネオパーク」と略称)。100種類もの鳥や動物を見て触れ合えるほか、かつて沖縄で走っていた「軽便鉄道」に大人も子供も乗車もできるそう。
現代の沖縄は車社会なので、「沖縄に鉄道なんてあったの?!」とびっくりする方もきっと多いと思います。では、現代にタイムスリップした沖縄の「軽便鉄道」をレポ開始!
目 次
沖縄で走っていた「軽便鉄道」と幻の名護駅
ネオパークに沖縄の軽便鉄道が再現されたのは、2005年(平成17)。全長1.2kmという日本の遊園地の中では1番長く、軽便鉄道レールの内幅は610mm。乗車可能人数は60-90人で実物の3/4というスケールで登場しました。
3/4サイズといっても大人も十分に楽しめる大きさ。「小さいと思っていたけど、オモチャじゃなかった!」と鉄道ファンもビックリするそうで、女性客やファミリー客を中心に大人グループやおひとりさまも乗車するとのこと。
沖縄で実際に走っていた「軽便鉄道」は、1914(大正3)年に沖縄本島の南部にある那覇~与那原を結ぶ「与那原線」がそのはじまりです。
本島中部の嘉手納線(那覇~嘉手納)、南部の糸満線(那覇~糸満)と次々に敷かれていきましたが、1945(昭和20)年の戦争で甚大な被害を受けて運行停止。それまでは、沖縄本島の中南部の人とモノを運ぶ重要な役割を果たしていました。
ネオパークがある名護を終点とする延伸計画もあったそうですが、当時、戦争が激しさを増し断念せざるを得ませんでした。みんなの夢と希望がつまったこの計画をなんとか実現させようと形にしたのが、このネオパークの機関車。
運転ガイドで営業部主任の金城友里奈さんは「名護駅はつくることができなかった幻の駅。大正時代の乗り物が今でも走っていることが、それだけで十分大きな意味がありますよね。お客様から『楽しかった』と言われるのが、運転ガイドをやっていて一番の醍醐味です。いま毎週木曜日に1日1名限定でお客様が運転できるサービスも提供していますので、ぜひ♪」と笑顔。
では、さっそく軽便鉄道で園内周遊を楽しんでみましょう!
軽便鉄道で1.2kmの園内周遊♪自然いっぱい、鳥も動物もいっぱい!
名護駅の入口には、切符売り場と改札口。映画に出てくるような駅の風景にワクワクします。
料金は、大人(中学生以上)700円、小人(4才~小学生)500円。※所要時間 約20分
左から営業部の山﨑翔平さん、同マーケティング主任の比嘉翔さん。ここからは、お二人が一緒に軽便鉄道に乗って園内を案内してくれました!
構内に入ると、すぐ目に入ってきたのは緑のトンネル。自然が演出するフォトジェニックな景色です。
本物の3/4サイズといっても目の前にするとだいぶ大きいスケールです。鉄道ファンが喜ぶのもうなずけます!
こちらは運転席。運転体験(8,000円)もできるので、ぜひ沖縄ならではの軽便鉄道の風景を運転席から味わってみませんか?
では、さっそく乗りこんでみます!ネオパークの軽便鉄道技術顧問・古家尊史さんは「客車の色は、先代の社長の好みで阪急電車に似せているんですわ(笑)」と教えてくれました。
乗車するとすぐ見えてきたのは「トートの湖」。お客様が鳥と触れ合っている様子が見えます。
「ウチは『動物たちとの0距離体験』がウリの1つなんです。エサをもっていたらずっと追ってきますよ~。前は100羽ぐらいでしたが、今は400~500羽ぐらい。最初は動物との距離になれなくて怖かったですが(笑)、もう慣れました」(比嘉さん)。
軽便鉄道が来るとエサを目当てに寄ってくる鳥たち。よく見るとスッポンも。
「15cmぐらいの大きさでしょうか。ウチは野鳥も自由に出入りできるので、野鳥もいっぱいです(笑)」(比嘉さん)
「水草は取ってもとっても大量に生えてきます。手が空いたら取っていますよ~」(山崎さん)。
湖に浮かぶ線路の橋は、まさに絶景のフォトポイント!沖縄でこんな風景が見れるなんて、まるで外国のよう。
園内ということを忘れそうな美しい車窓からの風景が続きます。湖には鯉やテラピア、野鳥たち。
このあともたくさんの動物や美しい景色に出会えましたが、ネタバレしそうなので、レポートはこの辺で終わります!
あっという間の約20分。楽しすぎて、降りるのが寂しいぐらいでした。これは大人も子供も楽しい!大満足の軽便鉄道でした。
スタッフに直撃!狙い目の時間やおすすめルート、ネオパークの魅力とは?
軽便鉄道での園内一周が終わり、山﨑さんが軽便鉄道を修理する車庫(車両基地)まで徒歩で案内しながら、ネオパークについて色々と教えてくれました。
まず、ネオパークの狙い目時間は、午前中なんだとか。
バードパフォーマンスショー(沖縄初・1日2回開催)を11:00に見て、軽便鉄道に11:30に乗り、その後は園内をゆっくり回るのが山崎さんのおすすめの楽しみ方だそうです。
全入園者数の内、7~8割は軽便鉄道に乗車し、平日はおよそ100~200名ほどが利用、休日の乗車は300~500名ほどになるそうです。
「軽便鉄道に関しては、観光客は子供より大人のほうが楽しんでいるように思います。子供さんは機関車というより動物とのふれあいを楽しみにしているのかもしれません(笑)。県内のお客様は子供から大人まで楽しんでくださいます」と山崎さんもにっこり。
利用客の園内の滞在時間は平均1~3時間。
入園券だけ購入の場合は平均約1時間の滞在、モルモットや子犬などとのふれあいができる「ふれあい広場」まで行く場合は約3時間ほど滞在することが多いのだそう。
筆者のオススメは、園内をまるごと楽しめる「1DAY PASSPORT」。
入園料+軽便鉄道乗車料+ふれあい広場入場料がコミコミで大人 2,400円、小人 1,500円(園内の看板記載)と、だいぶお得!
園内をのんびり散策して、フォトスポットで写真を撮りまくって、心ゆくまで鳥と0距離体験。エサやりをするとずっと鳥たちが後を追ってきてくれるので、筆者はまさに「花咲か爺さん」の気分を味わいました♪
「僕はネオパークの魅力は『バードショー』、『レッサーパンダ』、『軽便鉄道』、『名護の豊かな環境』だと思っています。名護市には飲食店やビーチなどたくさん遊べるところがありますので、ネオパークの前後に名護でたくさん遊んでいってほしいです」と山崎さんは笑顔で話してくれました。
ちなみに、山﨑さんは入社11ヶ月目(取材時)。デザイナー職の求人に応募した事が入社のきっかけだったとか。デザイナー職は残念ながら落ちてしまったそうですが、山﨑さんのBar経営やホテルマンといった経歴を見た会社側の提案で、現在のお仕事に就くことができたと話します。
「ネオパークは挨拶やお客様への声掛け、お見送りなど、ホスピタリティが徹底されていて、部署をまたいで働きやすい環境。これからも頑張ります!」と目を輝かせます。
軽便鉄道の出入り口すぐ横のスペースでは、軽便鉄道の模型や映像資料、紙の資料などを見ることができます。
実際に軽便鉄道が走っていた時代を感じることができる貴重な資料ばかりですので、ぜひ軽便鉄道に乗車する前後に寄ってみてくださいね♪
軽便鉄道のすぐ横の建物「情報自然博物館」では、企画展「琉球金魚伝説」が開催中。
珍しい金魚たちが魅せる龍宮城のような幻想的な空間は、琉球盆栽を中心に沖縄と和をイメージした“金魚アク和リウム”。ぜひお見逃しなく!(2024年1月28日まで開催中)
レッサーパンダが間近で見られる!ランチやコーヒー休憩に寄りたいカフェスペース
最後に寄ったのは、レッサーパンダやワオレムールたちを見ることができる「レッサーパンダカフェ しましましっぽ」。
カフェでは、ハヤシライスや牛カルビ丼、カレーパン、ちまきなどの軽食がワンコイン前後でお手軽に食べられるほか、ドリンク、スイーツメニューなども豊富に用意されています。
朝から取材して腹ペコの筆者が選んだのは、オリジナルプレートの「やきそば(650円)」、でっかい「コロッケ(牛肉/250円)」、地元名産「勝山シークヮーサー(350円)」。
特にシークヮーサードリンクは、シークヮーサーの素材の味を生かした素朴な味わい。甘みと苦味が絶妙なバランスのさっぱりした味でした。沖縄出身在住の筆者にとっては、これこそ小さい頃から飲んでいた懐かしい味。大変美味しかったです!
すぐそばでは、ちょうどワオレムールのお食事タイム。とっても嬉しそうなワオレムールたちが、我先にと騒いでいます。
食べているのはレタス、オクラ、ナーベーラー(へちま)、パイン、シークヮーサーでしょうか?地産地消を意識したグルメなお食事ですね!
カフェでは、11時台と16時台にレッサーパンダにおやつあげ体験ができるほか、足が伸ばせるソファもあって、だいぶゆっくりすることができます。ランチや観光の休憩時に訪れてみてはいかがでしょうか?
すぐ隣にはお土産が買えるショップも。カフェの前後にフラっと寄りたいコーナーです。
今回は、沖縄でかつて走っていた沖縄軽便鉄道が少し小さめのサイズで蘇った「ネオパークオキナワ」のレポをお届けしました!
昔の沖縄の乗り物に現代でも乗ることができる不思議さと、県外の鉄道ともまた違った魅力を味わえる沖縄軽便鉄道。ぜひ沖縄本島北部の観光の入口「名護市」に来たらば、寄ってみませんか?
名護市街にありながら広大な敷地に豊かな自然と100種類もの動物。彼らと近い距離でふれあうことで心身ともにリフレッシュできることまちがいなしです!
[基本情報]ネオパークオキナワ
住所/沖縄県名護市名護4607-41
電話/0980-52-6348
開園時間/9:30~17:30(最終入場17:00)※年中無休
アクセス/
【車】沖縄自動車道許田ICより10分
【バス】那覇空港~名護バスターミナル
高速バス111番、路線バス120番 ※名護バスターミナルからはタクシー(約10分)利用
https://www.neopark.co.jp
Keyword: