観光
2023.03.10
沖縄の伝統を今に伝える。読谷村「シママース本舗青い海 ダイレクトショップ」
沖縄のスーパーで必ずと言ってもいいほど目にする、鮮やかなロゴマークの塩。
県民はもちろん県外の方からも愛される「シママース」の直営ショップが、2023年2月2日に読谷村にオープンしました。今回は当店の魅力をいち早く紹介します。
「沖縄から“おいしい”の起点に」を掲げ、2023年で創業49周年の塩製造メーカー。その発展の裏側には、守り続けてきた伝統がありました。
目 次
自然豊かな読谷村の「Gala青い海」内にオープン!
サトウキビ畑に囲まれ、目の前には水平線が見える、読谷村の「Gala青い海」。
自然がすぐそばに感じられるこちらの施設は、沖縄そば屋や陶芸工房、クラフトショップなどが集まる観光スポット。グルメ・アクティビティ・ショッピングまで楽しめます。
シママースのショップは「Okinawa Art Shop ゆんたん」内にあります。
お店に入ってすぐ右手にあるスペースが、今回オープンした「シママース本舗青い海 ダイレクトショップ」。
県内のスーパーでも見かけるお馴染みの商品から、空港や国際通りで見かけないめずらしい商品まで並びます。さらには休憩場所としてアウトドアチェアを配置。
「アウトドア気分でリラックスしながら見てほしい」と話すのは、シママース本舗青い海マーケティング企画課長の瑞慶山 貴大(ずけやま たかひろ)さん。さっそく商品の魅力を教えていただきました。
沖縄方言で“島の塩”の名を冠した看板商品「シママース」は伝統の味
まず目に入ったのが、赤い太陽と青い波のロゴが印象的な「沖縄の塩 シママース」。
沖縄で置いていないスーパーはないほど、県内で親しまれている人気商品です。塩味がつよすぎず、旨みも感じられて、幅広い料理に使えます。
しっとりしたシママースをさらに熱して使いやすくしたのが、やきしおタイプ。マイルドな味わいになって、粒が細かく味が馴染みやすいので、卓上塩にも最適。
作り方を伺ってみると、メキシコやオーストラリアの天日塩と沖縄の海水を合わせて作られているのだそう。なぜわざわざ海外の塩と混ぜるのか疑問に思ったところ、そこには沖縄の歴史が関係していました。
「かつてこの島の各地では、沖縄の海を使って塩作りがされていました。しかし本土復帰した1972年から1997年までの25年間、塩専売法のため沖縄の海から直接塩を作ることができなくなってしまったのです」と瑞慶山さん。
これによって塩味が強い精製塩を使わざるを得なくなったのですが、島の料理と合わないという問題が生じたそうです。
そこで誕生したのが、沖縄初の製塩工場である「シママース本舗青い海」。海外の塩と沖縄の海水を混ぜることで、法で規定された中で沖縄の味を守り続けることができたのです。
「沖縄の塩 シママース」は今も当時の製法をもとに作られているため、まさに島の味と言えるのではないでしょうか。
昔の沖縄に思いを馳せながらふと目を落とすと、4キロのビッグサイズなシママースも!お土産として持ち帰るには少々大きいですが、ダイレクトショップにはこんなサイズもあるんだよ〜といった遊び心を感じます。
100%沖縄海水塩やスパイス塩、お菓子もずらり
塩専売法が廃止されて、海水からの製塩が認められるようになってからできたのが、100%沖縄の海水から作られた「青い海」。
工場のある糸満市の沖合2キロ先の海水を、ガス釜で煮詰めて作られた塩です。シママースよりもまろやかな味わいで、料理を選ばずに使えます。沖縄そばやパンに使われることも多く、グルテンの強化にちょうど良いミネラル量なのだそう。
「美ら海育ち」は窯焚き仕込み。職人がつきっきりでじっくり焚き上げることで、「青い海」よりもさらにミネラルが含まれているのが特徴です。素材の味を引き立たせるつけ塩としてはもちろん、沖縄料理で欠かせない豚肉や揚げ物との相性も抜群。
瑞慶山さんのおすすめ商品は、沖縄の海水塩を使った「スパイス塩」。
こちらで注目したいのが原材料。なんと保存料などが一切入っていないのです!
実はシママース本舗青い海で作られる商品は、すべて無添加で化学調味料も使われていないとのこと。小さな子からご年配の方まで安心していただけるので、お土産にも間違いなし。香り豊かで辛味が強すぎないのも使いやすいポイントです。
そのほかシママースの塩を使ったお菓子やロゴグッズなども販売。また、県内の塩メーカーではめずらしく砂糖も製造しています。「天糖太陽」はサトウキビならではの味わいを残しつつ、料理にも使いやすく精製されています。
他社商品もラインナップ “お店を通して、沖縄のよいものを広めたい”
ショップには自社商品やシママースを使った食品以外に、他社の商品もちらほら。スタッフさんがよいと思ったものを揃えていて、「沖縄のいろんなものを知ってほしい」と瑞慶山さんは語ります。その言葉通り、調味料に限らずTシャツや書籍など幅広くラインナップ。
中には沖縄でもめずらしい、やちむんを使ったキャンドルも。「伝統を守るだけではなく、新しいものを取り入れて、より先へ進む」というシママースの姿とリンクした商品も置かれているとのことです。
沖縄の塩文化について解説している本もありましたよ。
ちなみにこちらのショップは無人会計。糸満市などで今も見かける無人販売のようで、ウチナンチュのおおらかな心が垣間見えました。
商品の料金シールを紙に貼って、お金と一緒に箱の中へ。支払額をちょうどで出せない時や両替が必要な時は、呼び出しボタンを押すと対応いただけます。
広い店内の奥には沖縄の焼物「やちむん」や「琉球ガラス」といった工芸品がずらり。食卓を彩るアイテムとして、シママースと合わせてチェックしてみて。
2023年4月ごろにはバタフライピー研究所と協同で、シママースに沖縄県産バタフライピーを配合した青い塩「波の小粒」を販売予定。さらに今後はキャンプでの調理に活用できると話題のアウトドアスパイスの開発も始められるのだそう。
人間の体に、そして日々の食卓に欠かせない塩を通して、沖縄の伝統を今に伝える「シママース本舗青い海」。旅の途中に立ち寄ってみると、食卓で沖縄を楽しむきっかけが見つかるかもしれません。
[基本情報]シママース本舗青い海 ダイレクトショップ
住所:沖縄県中頭郡読谷村高志保915 Gala青い海内
電話番号:098-958-3940
営業時間:9:30~18:00
定休日:水曜日
駐車場:あり
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