観光
2022.01.24
【沖縄北部】名護・やんばるの作家の魅力を知るセレクトショップ「ナゴグローサリーストア」
高速道路・沖縄自動車道の許田(きょだ)ICを降りて海岸線へと抜けると、エメラルドブルーの美しい海が広がる名護市に到着。その名護市の中心エリアに、昔ながらの雰囲気を色濃く残した買い物処「名護市営市場」があります。
この市場は明治時代からあったとされる、地域の人たちの台所。1921年(大正10年)に公営市場となり、2011年から現在の場所に移設したそうです。歴史を感じる店構えやレトロなムードで、懐かしさと「来てよかった」うれしさを感じます。
その名護市営市場2階にあるのが、2015年12月にオープンした「Nago Grocery Store(ナゴグローサリーストア)」。名護を中心にした工芸品や特選品を集めた、おすすめのセレクトショップです。
「名護市のいいものを発信していく」というコンセプトで、やちむん・藍染・琉球ガラス・紅型・アクセサリー他たくさんの品が並ぶ店内。1つ1つ違う表情を持つハンドメイドの工芸品や、地元企業のこだわりのグッズを取り揃えています。
市場のショップから名護市~やんばるの魅力を発信
「名護市をアピールして、全国的に知名度を広めたい。観光客の方にももっと名護市を知っていただきたいです」と語るのはショップを運営する、琉球ワークス株式会社代表取締役社長の岩月昭雄さん。名護市営市場内に店舗を構えたのも、その思いからです。
「十字路があって人の行き来や交通量の多いこの市場付近は、昔から大にぎわいする場所だったと聞いています。今でも地元に根ざした市場として活気がありますし、歴史があるので常連のお客さまが多いんですよ」と続ける岩月さん。出身は愛知県ですが出張で沖縄に来るようになり、業務上つながりが深かった名護市の土地柄と人々の魅力に惹かれ、移り住むことを決めたそうです。
琉球ワークスのメイン事業であるグッズ製作は、沖縄企業とのコラボによる商品展開が魅力。さらに名護愛あふれる岩月さんが手掛けるショップですので、すてきな品が並んでいるに違いありません。ショップ内をのぞいてみましょう!
かわいくてそばに置きたい、個性派のアイテム
岸本ウラチさんの漆喰人形
漆喰で沖縄の生き物たちを作る、岸本ウラチさんの作品「シリケンイモリ」。
名護市で活動中の作家さんで、全国的な人気を誇り大人気だそう。入荷情報を公式サイトやInstagramにアップすると、反響がありすぐに売り切れになる場合があるとのことでした。
沖縄を感じる愛らしいこの人形を手にすると、愛着が湧き大切にしたくなりますね。
田村窯のやちむん
自然豊かな大宜味村に工房を構える「田村窯」は、読谷村で伝統的なやちむん作りを修行した夫婦が独立して開業したやちむんブランド。
シックな色合いながら華やかさや可愛らしさを感じる、現代的なセンスが魅力です。茶碗にお皿、日常使いできそうな暮らしに寄り添う器が揃っていました。
島しまかいしゃのフェルトワッペン
ヤンバルクイナ、シーサー、ジンベイザメなど、沖縄ならではの動物たちが1つ1つ手作りされています。
フェルト地で作られているので親しみやすさが抜群。ワッペンの他、バッジやストラップなどもあるのでいつも持ち歩きができる身近なアイテムになりそうです。
琉球藍染ちょく売店の筆入れ
名護市在住の琉球藍染職人・加藤直也さん制作の数々のアイテムが並びます。中でも目を引いたのが筆入れ。使いやすいがま口タイプで美しい色が印象的です。
他にもサコッシュにショール、手ぬぐいなど、気軽にファッションに取り入れたいものばかりでした。
古我知焼きのヒージャーカップ
名護市の地名をそのまま名前にした古我知焼き(こがちやき)は、沖縄の古窯のひとつ。1800年代初めまで操業していた焼窯跡は県の指定文化財になっています。170年余り途絶えていたそうですが、1974年に復興。紫やコバルトブルーなど、他のやちむんではあまり見ない色使いが特徴的で1つ1つに存在感があり人気です。
特に心惹かれたのが、ヒージャー(ヤギ)が施されたカップ。お気に入りのマイカップになりそうです。
他にも布製品やコスメに泡盛、調味料など書ききれないほど種類も品数も豊富です。
貴重と思われる(!?)、プロ野球チーム「北海道日本ハムファイターズ」の公式かりゆしウェアもありました。自分用はもちろんですが、大切な人へのおみやげもチョイスできます。
製造元が運営する直売店も良いですが、豊富な品揃えでさまざまなアイテムに出合えるここのようなセレクトショップを利用する楽しさに、改めて気付きました。貴重な滞在時間をフル活用したい、観光客のみなさんにとって頼もしいショップともいえます!
職人や作家のこだわりに触れる場所に
「弊社は大量生産するグッズを作っていますが、このナゴグローサリーストアには作家さんたちをリスペクトする気持ちで一品物を置いています。地元の作家さんの才能とこだわりに触れてほしいです」と語る岩月さん。
ショップ内のさまざまな品をゆっくり見て、買い物を楽しみたいナゴグローサリーストアは、うれしいことにカフェを併設。サンゴで焙煎した「なごちゅらのコーヒー」や無農薬の沖縄県産「金川紅茶」を飲んでホッとひと息つけます。
ショップから出た後は「名護市営市場」を散策。2階は食堂やチャレンジショップの入店で、地域の人々が集まる憩いの場としてにぎわうそうです。
そして1階は近郊で獲れた新鮮な魚介を販売する鮮魚店にはじまり、精肉店・青果店・惣菜屋やお菓子屋など、生活に密着しているお店がいろいろとありました。
沖縄本島北部、名護市を訪れる機会にはぜひ立ち寄ってみてください。新発見があったり掘り出し物に出合えたりするかもしれませんよ。
[基本情報]Nago Grocery Store (ナゴグローサリーストアー)
住所:沖縄県名護市城1-4-11 名護市営市場2階
電話:0980−43−6910
営業時間:10:30〜18:30
※諸事情により、営業時間変更や臨時休業を実施する場合がござい
最新情報は「Instagram(インスタグラム)にてご確認く
定休日:不定休
駐車場:あり
<公式サイト> https://www.nagogrocerystore.c
<公式Instagram> https://www.instagram.com/nago
●執筆協力:Shotaro
●撮影・編集:饒波貴子
Keyword: