観光
2020.10.22
日帰りバスツアーでディープなやんばる観光!世界に誇る沖縄北部の自然&絶景満喫の旅
沖縄本島北部、自然が多く残る「やんばる」と呼ばれるエリアには、東村・大宜味(おおぎみ)村・国頭(くにがみ)村の3つの村があります。
長い歴史の中で地殻変動により大陸との分裂を繰り返した琉球諸島は、特有の自然や生態系を残し、世界でもここだけにしかいない固有種・希少種が多く暮らしています。生物多様性の保全上重要な地域は「やんばる国立公園」として指定され、2021年7月26日、世界自然遺産の登録が決定しました。
また、豊かな自然の恵みの中で暮らす人々は、独特の歴史や文化も育んできました。
そんな世界に誇る大自然「やんばるの森」を舞台に、味わったことのないディープな沖縄体験ができるという日帰りバスツアーに参加してきました!
【那覇発】いざやんばるへ!クイナの森とマングローブ林・大石林山をめぐるやんばる国立公園自然満喫コース
https://hiphopbus.jumbotours.co.jp/course/c-course5/
目 次
乗車前にチェック!おすすめの服装や持ち物
今回のやんばる3村コースは遊歩道の散策や山道のトレッキングもあるので、動きやすい格好がおすすめ。足元はスニーカーなど、歩きやすく滑りにくい靴にしましょう。ヒールのついた靴などはNGです。また、新型コロナ感染症対策として、マスクも忘れずに。
その他、持っていくといいものはこちら。
・日焼け止めと虫除けスプレー
沖縄は秋〜冬でも晴れている日は紫外線が強く、日焼けすることもあります。
また、自然が多い場所を歩くので虫除けスプレーがあると◎。
・上着などの羽織もの
日焼け防止とバス車内での冷え防止にも役立ちます。
・カメラ
ツアー中は都会ではけして見られないような絶景や、のどかな沖縄の原風景など撮影スポットも多いので、写真好きな方はぜひカメラも持っていきましょう。
那覇市の中心地・県民広場前からいよいよ出発!
ツアーの出発場所は、那覇市内の3ヶ所から選べます。今回私たちが選んだのは那覇市の中心地「国際通り」の端にある県民広場前。
ゆいレールの「県庁前駅」やバス停「県庁北口」もすぐ目の前なので、集合場所までのアクセスも簡単です。
乗車前には添乗員さんが、名前の確認と検温チェックをしてくれます。入り口に消毒液があるので、手指の消毒もすませたら乗車しましょう。
現在、感染症対策として乗車客数を制限しているので、2席を1人で使用します。同行者がいる場合は隣同士で座れないのは少しさみしく感じますが、いつもより広々と使えるメリットも。
乗車後にまず渡されるのは、イヤホンガイド。
通常はバス乗車中に、沖縄のことや次に巡る観光地の説明を聞くことができ、多言語に対応しています。今回は観光施設を巡る際にも使用します。
まずは高速道路で沖縄本島北部、最終ICの「許田」までまっすぐ向かいます。
道中はこの様にやんばるについての映像が流れたり、沖縄の人気曲がBGMでかかっているので沖縄感を味わいながら過ごせました。
ICをおりてすぐ、道の駅「許田」で10分ほど休憩停車したあとは、嬉しいおやつが配られます。
道の駅許田で人気の名護銘菓の「えびすまんじゅう(10円まんじゅう)」。おやつタイムにぴったりな食べやすいサイズで、もっちりとした黒糖風味の皮にほんのり甘い餡が包まれています。
許田を出発してからは、いよいよ沖縄本島北部エリアへ突入。道路沿いの景色も変わってくるので、車窓を楽しみながらおやつを味わいます。
ヒルギやマングローブについて学ぶ「東村 ふれあいヒルギ公園」
最初の観光スポットは、沖縄本島最大級のマングローブ林が広がる「東村ふれあいヒルギ公園」。
園内の遊歩道を歩きながら、地元のガイドさんの解説付で3種類のヒルギ(オヒルギ・メヒルギ・ヤエヤマヒルギ)とそこで暮らす生き物たちを観察します。
今回はガイドの妹尾さんが、東村のマングローブについてわかりやすく紹介してくれました。実はマングローブって、木の名前ではないって知ってましたか?干潟に生息するヒルギなどの植物を総称してマングローブと呼ぶそうです。
また、ここで活躍するのが先程のイヤホンガイド。
片耳にイヤホンを装着してチャンネルをあわせると、ガイドさんのマイクを通した声が鮮明に聞こえます。
大人数のツアーで、ガイドさんが遠くで説明していて近寄れないときに、とても便利です。話を聞くための「密状態」にもならないので、感染症対策の面でもうれしいですね。
公園内にはこのようにあまり見かけない植物の種子がたくさん落ちています。
たこさんウィンナーのような、茶筅のような・・・これが何かは、ぜひヒルギ公園へ訪れて確かめてみてください!
この日は、やんばるの森に住む鳥や虫の声も多く聞くことができました。
遊歩道が設けられ散策にもぴったりなので、自然の中を歩いてみたい人にもおすすめ。
ただ、やんばるの森を歩く際は、動植物をむやみに触ったり、移動させたり、持ち帰ったりすることのないようご注意ください。やんばるの自然は貴重な生態系で成り立っています。
ドーム型シアターで自然を学び、展望台で絶景を眺める「道の駅おおぎみ やんばるの森ビジターセンター」
東村のマングローブについて学んだあとは、大宜味村へ。2020年2月にオープンしたばかりの「道の駅おおぎみ やんばるの森ビジターセンター」に立ち寄ります。
「やんばるの森ビジターセンター」にはやんばるの自然を学べるドームシアターがあり、1回の上映では10名ほど入れます。
ドームシアター内にはこのように枕やマットが敷かれているので、ごろんと寝転んで、360℃ドーム型の天井スクリーンに映し出されるやんばるの映像を楽しみます。
目に優しい緑の風景と、あまりのリラックスムードに、ついうとうとしてしまうことも・・・
施設の屋上展望台へ登るとこのような絶景を眺める事ができます。ドームシアターでやんばるについて学んだ後は、展望台へも立ち寄ることを忘れずに!
おまちかねのランチ!国頭のとれたての魚が味わえる「国頭港食堂」
次はいよいよランチタイム。国頭村浜漁港の隣にある「国頭港食堂」へ立ち寄ります。
こちらはもともと地元住民に親しまれている食堂で、近年観光客にも認知され、開店時から満席になることもある人気食堂です。
隣の国頭村浜漁港でとれたお魚を、新鮮なうちに食べられます。
こちらは刺身5点盛りと地魚のフライセット。とれたてのお刺身に、ふわふわの魚フライと、国頭村のイーユ(活魚)を堪能できました。
晴れた日は、奥に青い海がみられるテラス席がおすすめです。
ご飯を食べたあとは、赤瓦屋根の東屋で休憩するととても気持ちがいいですよ。
潮風に吹かれながら海を眺めているとここでお昼寝したくなってきますが、バスには遅れないように気をつけましょう。
マル秘?!撮影スポットへ!
お腹が満たされたあとは、マル秘撮影スポットへと向かいます。
記事内では場所は秘密にしておきますが、海と山と「あるもの」を同時に眺められる、沖縄ならではの写真が取れるスポットです!
沖縄最北端「辺戸岬」で潮風に吹かれながら散策
沖縄本島最北端の岬「辺戸岬」へ。
沖縄観光ではわりと定番のスポットですが、隆起サンゴの断崖絶壁から眺めるコバルトブルーの海は必見です。晴れた日には、22km先にある鹿児島県の最南の島「与論島」も見えます。
バスの旅も、ずっと座っていると結構疲れてくるもの。風に吹かれながら軽くのびをすると、とても気持ちがいいです。
施設内には遊歩道が広がっていてランチ後の軽い運動にもぴったりなので、散策してみてください。
パワースポットのトレッキングで元気チャージ!大石林山
辺戸岬からほど近く、国頭村にある「大石林山(だいせきりんざん)」。
地元の人々が昔から聖域・アシムイとして大事にしていたこのエリアは、近年パワースポットとして訪れる人も増えました。
この地域でしかみることのできない珍しい亜熱帯植物や奇岩巨石のある遊歩道を抜けると、展望台からは雄大な海を見渡せます。
今回のツアーでは大石林山で一時間ほどの散策コースを歩きます。
石の林と呼ばれるだけあり、林の中はゴツゴツとした岩を多く目にします。どこかでみた様な形をした岩も多く、それになぞらえたご利益があったりと、ひとつひとつ説明板が設置されていました。
道中はガイドさんがやんばる特有の植物についての説明や、周辺地域の歴史など、興味深い話をユーモア混じりに教えてくれます。
植物に上手に擬態しているいきものを「どこにいるかわかりますか?」とクイズ形式で教えてくれたりもしますよ。
結構な勾配の山を、植物や岩を観察しながら登ること数十分。ついにたどり着いた展望台から見る景色は、なんともいえない爽快感と達成感があります。
昔から聖域として大切にされてきた場所だからこそ、訪れる方も神聖な気持ちになれました。
トレッキングは体調や体力に合わせて休憩スポットでの待機やコース変更もできるので、無理をせず楽しみましょう。
貴重でかわいい天然記念物!ヤンバルクイナに会える「ヤンバルクイナ生態展示学習施設」
トレッキングで爽快な汗をかいた後は、世界でもここにしかいない希少な天然記念物、ヤンバルクイナに会いにいきます。
「ヤンバルクイナ生態展示学習施設」では、元気に暮らすヤンバルクイナのクー太を間近で見ることができます。
とても人懐っこいヤンバルクイナのクー太は、ガラス越しに写真を撮っていると近寄ってきてくれます。カメラの前で立ち止まって、向こう側からもこちらを観察しているよう。
首をかしげるポーズを撮ってくれたり、ガラスの前をゆっくりモデルウォークしてくれたりとサービス精神も旺盛です。
施設内にはヤンバルクイナの生態や保護活動についての展示物などがあり、子供向けに作られているので見ているだけでわかりやすく学べます。
また、施設のスタッフさんは毎日クー太の様子をみているので、質問するととても詳しく答えてくれますよ。
ヤンバルクイナの手触りについて聞いてみると「軽くてふわふわ」だそうです。(野生のヤンバルクイナを見つけても触ってはダメです。)
最後は「ゆいゆい国頭」でやんばるのおみやげ探し
いよいよこのツアーの最後の立ち寄り先、国頭村にある沖縄最北端の道の駅「ゆいゆい国頭」へ。地元の特産品が購入できる店舗に飲食店、やんばるの暮らしを学べる常設展示や観光案内所も併設されています。
※追記※
2022年10月より、コースリニューアルで「道の駅ゆいゆい国頭」は立ち寄りなしとなりました。
広い店内では、空港では販売していないような国頭村のお土産を購入することができます。
やんばるの豊かな森から生まれた商品は様々な種類があり、見てるだけでも飽きません。
自分用にも買って帰りたい雑貨や、大切な誰かにあげたくなる素敵なものもたくさん。
金額の一部が、国頭の自然保護活動に寄付される商品などもあります。
自然に癒やされたあとは、この風景が末永く残るよう、お礼の気持ちで自分へのお土産を購入するのも良いですね。
ゆいゆい国頭でショッピングを楽しんだ後は、再び高速道路で那覇へと戻ります。
バスツアーの良いところは、思う存分ツアー行程を楽しんで疲れ切ったあと、寝てるだけであっという間に那覇へ到着する点。
那覇市内へ帰着後、各自解散となります。
やんばる3村バスツアーのおすすめポイント3つ
①車窓が楽しめる
やんばるエリアは、とにかく車窓からの景色が綺麗です!
青く透き通る海や、深い緑の森林はもちろん、いまも人々が生活を営むのどかな集落の風景。日常ではなかなか見かけない、どこか懐かしいような景色に出会えます。
車でのドライブもいいですが、バスツアーなら運転手さんがいますので、旅行中でも同行者みんなで車窓を楽しむことができます。
②ガイドさんの説明でさらに理解を深めることができる
各施設の案内役のガイドさんは、時にユーモアまじりに分かりやすく説明してくれます。
なぜこの自然が残っているのか。この自然をこれからも守るために、わたしたちにできることは何か。やんばるを愛するガイドさん達の言葉からは、気づかされることも多くありました。これも旅のお土産のひとつになりますね。
③やんばるグルメを道中に味わえる
このツアーではバス乗車中におやつとドリンクが配られます。沖縄の現地スタッフが厳選した、やんばるの美味しいものばかり。
左上:東村のミネラルウォーター(東村)
右上:シークヮーサーゼリー(大宜味村)
左下:名護銘菓 えびすまんじゅう(名護市)
右下:おくみどりのチーズタルト(国頭村)
大宜味村農山漁村生活研究会が手作りした無添加のシークヮーサーゼリーはすっきりとした甘さで、シークヮーサーの風味や酸味を感じられます。
日本一早く茶摘みされる国頭村の「奥みどり茶」を使用したチーズタルトは、お茶の風味と濃厚なチーズの相性が抜群!
各地域の特産品を味わいながら、景色を楽しめます。
那覇から高速道路を使っても片道2時間ほどかかる、やんばるの地域。
なかなか訪れることができないからこそ、新鮮さや感動、新たな発見も多くありました。
ツアーの最初に配られた資料には、やんばる3村を訪れる際のルール&マナーのひとつとして「お邪魔しますの気持ちで」とありました。
昔からこの地域で暮らしてきた人々が大切に守ってきた動植物、風習や文化。それは今もここに根付いていて、やんばる地域のかけがえのない宝物となっています。
守ってきた人たちがいるからこそ見られる風景を、「お邪魔します」という気持ちをもって感じてみてください。
「やんばる3村ルール&マナー」はこちら
http://www.vill.kunigami.okinawa.jp/yanbaru-book.pdf
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