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2020.09.28

15周年を迎えた那覇市「桜坂劇場」 は映画・ライブ・カフェ・ショップ、沖縄のカルチャー発信地

那覇市「桜坂劇場」 15周年を迎えた映画・ライブ・カフェ・ショップ、沖縄のカルチャー発信地

那覇市のメインストリート、国際通りの「那覇市ぶんかテンブス館」から徒歩約2分の立地に建ち、今年15周年を迎えた「桜坂劇場」。県民をはじめ県外・海外の人たちにも広く親しまれている、沖縄を代表するカルチャー発信地です。

那覇 桜坂

劇場が佇むのは、「桜坂」と呼ばれる昔ながらのスナックや飲食店が残る、ディープで味がある歓楽街。桜坂劇場の場所は戦後、沖縄芝居を上演する芝居小屋から映画館になった歴史を経て、20057月に現在の姿に生まれ変わりました。

桜坂 スクリーン

設立者が映画監督の中江裕司氏、真喜屋力氏ら映画関係者というのも運営スタイルを物語るエピソードではないでしょうか。映画の上映ラインナップやライブ・イベント・講座開設など厳選されたプログラムで、エンタメ・カルチャーファンをワクワクさせています。

映画館という枠にとらわれない「桜坂劇場」のスタイル

桜坂劇場

今回取材対応いただいた広報担当の上間黎亜(うえま・れあ)さんも、桜坂劇場に魅了された1人。

「元々はお客さんとしてよく来ていたんです。私はユーゴスラビアの歴史を描いた『アンダーグラウンド』という映画が大好きなのですが、上映してくれた桜坂劇場にはありがとうと心から感謝しました」と笑顔で語る上間さん。

大学で美術を勉強していた経歴もあり、独創性あふれ上質な映画上映を続ける桜坂劇場で働きたい気持ちがふくらみ社員になったそうです。

広報担当の上間黎亜(うえま・れあ)さん

映画はメジャー系の大作もありますが、沖縄をテーマにした作品やミニシアター系などさまざまな作品を上映しているこの劇場。

「ジャンルにとらわれず、お客さまのニーズに合わせて上映作品を選んでいます。監督やキャストが登壇する舞台挨拶が多いのも、桜坂劇場の魅力ですよ」と上間さん。

ライブ

映画の他にも多数のライブやイベントが行われていて、中でも盛り上がっているのが石垣島出身のアーティスト、新良幸人(あら・ゆきと)さんが年に一回開催する「一合瓶ライブ」。

「最高の音楽と最高のお酒がマッチして、場内はものすごい熱気です。県外からも多くのお客さまがいらっしゃいますよ」と上間さん。フリードリンクで泡盛が振る舞われるこのライブは、予約受け付けが始まるとひっきりなしに電話がかかってくるそうです。

桜坂アサイラム

そして毎年2月には、桜坂エリアと劇場を結ぶ音楽&アートのフェスSakurazaka ASYLUM(サクラザカ アサイラム)」を開催。近隣のライブハウスと連携して各所でライブをし、近くの公園では野外ライブも行っているのだそう。

「守りに入らない桜坂劇場でありたいです。それぞれの部署で新しい企画を立ち上げていこうと話し合っているんですよ」と語る上間さん。

女性に見てほしいロマンポルノの特集上映など挑戦的な映画のセレクトに加え、映画館という枠にとらわれないさまざまな取り組みが、桜坂劇場というスポットをより魅力的にしています。

ゆったり過ごせるカフェに、沖縄のスピリッツを感じる雑貨店

桜坂劇場

劇場の作りはエントランスの受け付けカウンターを中央に、左右と二階に計3つのスクリーンがあります。そしておいしいお料理が楽しめる「さんご座キッチン」、やちむん(焼き物)・アート・本などを扱う雑貨店「ふくら舎」も併設されていて、映画鑑賞者の他にも多くのお客さまでにぎわっています。

さんご座キッチン

エントランス左手にある「さんご座キッチン」はカフェスタイルの飲食施設で、しっかりご飯はもちろん、映画上映を待つ時間にのんびりティータイム、という過ごし方もできます。

食事を盛り付ける器は沖縄のやちむんで、ふくら舎で購入できる品もあるとのこと。

缶詰フェア

多種多様な缶詰を味わえる「缶詰フェア」は好評で毎年開催しているそうですが、この日もたくさんの缶詰が並んでいました。

ふくら舎

一階と二階に売り場を持つ「ふくら舎」は、ちょっぴりマニアックな本や漫画、雑貨などオリジナリティーあふれる商品が数多く並んでいます。

個性的なデザインが印象的なポストカード

一階のディスプレイでまず目を引かれたのが、個性的なデザインが印象的なポストカード。クスッと笑みがこぼれてしまうユニークな一枚からアーティスティックでエモーショナルな一枚まで、思わず手に取ってしまう作品が並んでいました。

クリエイターとコラボした手ぬぐい・風呂敷

クリエイターとコラボした手ぬぐい・風呂敷も、オリジナル品で自分用にもお土産にも良い感じ。

「ふくら舎で販売している商品は、沖縄のスピリッツを感じるものがベースになっています」と、教えてくれた上間さん。

CD棚には沖縄出身アーティストの作品など

CD棚には沖縄出身アーティストの作品などが並び、なんと桜坂劇場のオリジナルレーベルからリリースされたCDも並んでいました。

グローバルな活躍をみせる「マルチーズロック」、女性デュオでご飯にちなんだ楽曲がある「HARAHELLSハラヘルズ)」が特にオススメだそうです。

「沖縄のアーティストを世界に発信するために、音楽にも力を入れているんです」と、熱心に取り組んでいることも上間さんは教えてくれました。

二階の売り場に並ぶのは、やちむんをはじめガラスに漆器、張り子など

二階の売り場に並ぶのは、やちむんをはじめガラスに漆器、張り子など種類も数も豊富な沖縄の工芸品。

琉球ポタリー 温故知新

特に注目したいのは、“旧き琉球を訪ねて新しきやちむんを創る”をテーマに展開している「琉球ポタリー 温故知新」シリーズの陶器の数々。

17世紀初頭から本格的に始まったとされる琉球の陶器生産の歴史の中で、琉球王朝の庇護(ひご)を受けた職人たちによる“美しき琉球古陶”を現在の陶工たちが復刻しているのです。博物館に展示されているような由緒正しい陶器の復刻品もあり、その数は実に200種類以上だそう。

ふくら舎2階

やちむん好きな方はもちろん、ふらっと立ち寄った方でも心惹かれる作品に出合えるかもしれません。ゆっくりと店内を歩きながら、沖縄の工芸品に触れる時間をお楽しみください。

映画を中心にアート、音楽、本、雑貨、飲食・・・昔から同じ場所で、さまざまな娯楽や文化の発信を続ける桜坂劇場

映画を中心にアート、音楽、本、雑貨、飲食・・・昔から同じ場所で、さまざまな娯楽や文化の発信を続ける桜坂劇場。

「訪れた方が新しい何かを発見をできる場所でありたいです。県外から来た方も気軽にお越しください」と上間さん。

カルチャースクールの定番から個性的なプログラムまで、約150講座を開講中の「桜坂市民大学」は県内在住者に人気ですし、ライブや落語など他県ではなかなか鑑賞できない公演も開催されていますので、詳細スケジュールは公式サイトでチェック!今年は新型コロナウイルスの影響で延期になった公演があり、秋以降に徐々に開催予定だそうです。

また、芸術と文化を愛する上間さんは「若手作家のアート展を手掛けることが目標です」とのこと。今後アート作品が増えていくかもしれません!?

古き良き懐かしいモノから新しい感性のモノまで、目で見て肌で感じることができる桜坂劇場

古き良き懐かしいモノから新しい感性のモノまで、目で見て肌で感じることができる桜坂劇場。「一日いても飽きずに過ごせる」という声が聞こえるなど、訪れる人々を今日も魅了しています。

 

<映画・通常料金>
一般:1700円/シニア(60歳以上)割引:1200円/大学・高校生:1400円/小・中学生:1000円/幼児:650
※会員料金、レディースデー・メンズデーなど各割引もあり。

[基本情報] 桜坂劇場
住所:沖縄県那覇市牧志3-6-10
電話098-860-9555
営業時間:10:3021:00
定休日:なし
駐車場:なし(提携駐車場あり/詳細は公式サイトにてご確認ください)
URL:http://sakura-zaka.com

nohatakako
この記事を書いた人饒波 貴子
那覇市出身・在住。OL生活、週刊レキオ編集室勤務を経て、フリーライターに。現在は沖縄のエンターテインメントおよび店舗紹介を中心に取材・執筆。ウェブマガジン「琉球新報Style」、雑誌「porte」ほかで執筆中。 このライターの記事一覧

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