食事
2020.01.27
インド雑貨と500円カレー!沖縄市の異文化タウン、通称・コザの街でインド人の店主が営む「インド屋」
沖縄本島中部の沖縄市には、ディープなストリートの中央パークアベニューがあります。地 元民に親しまれている食堂やお洒落なカフェがたたずむ一方で、シャッターが降りたままのお店も存在しており、独特の雰囲気を醸し出しています。
そんな中、およそ40年間変わらずに営業を続けている、インド人の店主・ビクターさんが営む「インド屋」があります。インド雑貨を取り扱いながら、手作りのインドカレーも楽しめ、ビクターさんの人柄に惹かれてインド好きが集まってきます。
今回は、オリエンタル溢れるインド雑貨の店「インド屋」の紹介に加え、お店の歴史やワンコインの500円カレーについて取材をしてきました。
目 次
オーナー自らがインドで仕入れたインド雑貨を販売!珍しいガネーシャの置物もあった
ミュージックタウン音市場から330号線を北上し、胡屋(北)交差点を左折すると右手に「インド屋」と書かれた黄色い看板が見えてきます。
建物の外からも鼻をくすぐる、お香とスパイスが入り混じった香り。どこか懐かしく、異国叙情を感じる入り口です。中をのぞくと軽快なインドミュージックが流れ、店主のビクターさんが笑顔で出迎えてくれます。
お店で取り扱っているインド雑貨は、主にインド綿、洋服、お香、カバン、アクセサリー類など。ハンドメイドのアクセサリーも置いてあり、全てビクターさん自身が、インドへ直接買い付けに行き、仕入れてきたものばかりです。
大きなガネーシャの置物やインドのカルタも販売され、他では見かけない不思議なアイテムも取り揃えています。珍しい物好きな方は、お宝を発見できるかもしれませんよ。
インドから沖縄へ。はじめは仕立て屋だったインド屋が、今に至るまで
友人のつてでインドから来沖を果たしたビクターさんは、1975年に今の場所にインド屋をオープンさせました。はじめは軍人相手の仕立て屋として営業し、お店の雰囲気は今と全く違ったそうです。
インド雑貨の店になったのは、中央パークアベニューがアーケード街になるタイミングでした。時代の流れと共に通りを歩く人が減っていく中、以前のようにお店に活気を取り戻せる方法はないかと考え、故郷であるインドの雑貨を取り扱うことに決めたのです。
当時、インド雑貨を取り扱う店は、県外に足を運んでも、あまり見当たらなかったそうで、その物珍しさに地元の人や修学旅行で沖縄を訪れた学生にも人気があったそうです。
仕立て屋をたたみインド雑貨屋を経営していく中で、新しいお客さんに気軽にインド屋へ入ってもらうきっかけになればと、お店でスパイスの販売を始めて、お手製のインドカレーも提供するようになりました。
景気が良かった時代には、4店舗を同時に経営していたそうですが、自分の目が行き届かないことに危惧を感じ、「手広くよりも、丁寧に」との思いから、現在は家族の手を借りつつ1店舗のみを経営していているそうです。
人とのつながりを大切に、インド雑貨の店を営むビクターさんの思い
インド人である店主のビクターさんは、敬虔なヒンドゥー教徒です。店内にはヒンドゥー教の神棚が置かれ、あちこちに仏像が飾られています。そんな彼が何よりも大切にしているのが、家族だそうです。家族の話になると、嬉しそうな笑顔を浮かべていました。
「お客さんは、みんないい人たち。お陰で何とか店を続けていられるよ。笑」
世の中が変わっても、ずっと同じ場所で、無理をせず、ひとりでやれる範囲の商売をしているビクターさん。日本人のような、”お陰様で”の心を持っていることを感じます。
古くからのお客さんは、県外にもおり、沖縄へ来る時は立ち寄ってくれるそうです。昔ながらの、隣近所の店の人たちとのお付き合いも、大切にしています。店を支えてくれている人達への、感謝の気持ちが伝わって来ました。
来沖して47年。家族をはじめ、”人”を大切にするビクターさんが、”ずっと同じ場所に居続けること”に強い拘りを持つのは、人々との繋がりを大切にしているためでしょう。
ワンコイン500円のインドカレーを提供!気軽に立ち寄り、おしゃべりを楽しもう
イートインスペースは、なんとビクターさんのDIY。インド雑貨もインドカレーも両方楽しめるようにと、もともとあった壁を取っ払い、いちから作ったそうなんです。
本場のインドカレーは、一晩ヨーグルトに漬け込んだ鶏肉と、さまざまな野菜、スパイスを炒め煮します。スパイスの調合は、ビクターさんの気分次第で毎日変わるそうです。2度と同じ味は食べられないと思うと、ありがたみも増しますね!
ビクターさんがひとりで調理し、たまに奥さんが手伝ってくれるとか。価格は、なんとワンコインの500円!この価格設定の決め手は、お客様に気軽に店に入って来てほしいとの願いからだそうです。
人気メニューは、ナンとカレーのセットで500円。
良心的な価格のカレーランチに思わずほっこり。ドリンクは単品注文となり、チャイは350円、ラッシーは350円です。カレーは玉ねぎとトマトをベースに、辛くならないようアレンジされているので、お子様連れでも気軽に楽しめます。
ビクターさんの奥さんは、実は日本人。子供は3人いるそうです。イートインスペースには、ビクターさん自慢の家族写真が置かれています。
カレーの提供は、週末の土曜と日曜、平日の月曜と火曜だけ。週4日間限定の販売になるのでお気をつけて。作れる量には限りがあるため、売り切れ次第で終了。ドリンクのみテイクアウトできます。ゆっくりお喋りをするために利用するのもオススメです。
カレー作りに欠かせないスパイスも種類豊富に取り揃えています。気になるスパイスがあれば、その場で購入できるのは嬉しいですね。
家で作りたいけれど、どのスパイスを買えば、おいしいカレーになるのかわからない!という人でも大丈夫。カレースパイスのキット販売もしているので、そちらを購入してご家庭で楽しんでみてください。
沖縄市の中心地まで遊びに来た際には、インド屋へ立ち寄ってビクターさんに話しかけてみてください。中央パークアベニューの貴重な昔話や、インドの話で盛り上がり、また新たな中央パークアベニューの面白さを発見できるかもしれません。
【基本情報】インド屋 VICTOR FASHIONS
住所:沖縄市中央3-14-3(中央パークアベニュー)
電話:098-938-1320
営業時間:11:00〜18:30
定休日:不定休
駐車場:なし
URL:https://instagram.com/indoyakoza
(文・撮影:みっすー、またよし、へしき/編集:OKINAWA GRIT みやねえ)
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