観光
2019.10.30
【閉店】手作り絶叫マシンで有名な沖縄そば屋「山田水車屋」で力の限り叫んできた
沖縄本島中部のどこかに、店主手作りの絶叫マシンで有名な沖縄そば屋があるらしい…。そんな噂を聞きつけて、沖縄在住ライター上原ねねが体当たり調査をしてきました。
高所恐怖症の私が、絶叫マシンで力の限り絶叫してきた体験レポートをぜひご覧ください。
沖縄観光中に、濃い思い出を作りたい人におすすめのスポットとなっています。
※2021年12月追記「山田水車屋」は閉店しました
目 次
店主手作りの絶叫マシンがある「山田水車屋」とは?
沖縄本島中部に位置する恩納村山田にある沖縄そば屋「山田水車屋」。県道58号線沿いにあるこのお店は、駐車場入口にひっそりと水車のモニュメントがある、なんともノスタルジックな店構えが特徴です。
店主手作りのとんでもない絶叫マシンがあるとの噂を聞きつけて、どれだけとんでもないのかを是が非でも体験したいと思い立ち、沖縄在住ライター上原ねねの参上でございます。
ちなみに私、絶叫マシンは大の苦手でして、ジェットコースターなるものには一度も乗ったことがございません。
(そもそも沖縄には遊園地がないので、ハードルの低そうなコーヒーカップの乗り物ですら未体験です)
入り口はオープンな仕様で、風通しが良さそうです。縦に読みたいノボリをあえて横付けにするおおらかさは、沖縄ならではかもしれません。
駐車場を含めた広い敷地内をグルッと見回すと、面白そうなものが多々あったので、本題に入る前に写真付きでザックリご紹介しますね!
山田水車屋の一風変わったオリジナルオブジェ
店舗入り口のすぐ横に佇む、どこかで見たようなこちらの人形。「いらっしゃいませ、2名様ですか?」と問われているような気がしますね。
「いえ、違いま…」と答えたくなったのも束の間、とある落書きが目に付きます。
彼女はきっと女性でしょう。
山田水車屋さんには、斬新なオブジェが複数並んでいます。普通の沖縄そば屋さんとは一味違う魅力が溢れ出ていますね。
太鼓も置いてあります。いつ鳴らすのでしょうか。
広い敷地内には、まるで秘密基地のような飲食スペースもあります。横に設置された水車のモチーフが可愛らしいです。
見どころは何も一風変わったオブジェだけではありません。なんと、うさぎを譲ってくれるそうです。ほ、ほしい…!
少し上を見上げると、ヤギさんまでいます。白くて穏やかそうで、かわいいなぁ…と癒やされつつカメラを向けていると…?
大きなあくびをしてくれました。サービス精神旺盛なヤギです。
ヤギ小屋のすぐ左側に立てかけられた看板は、見なかったことにしましょう。
いざ、バンジーブランコ体験!
敷地内のオブジェをぐるぐる見回していた筆者の目は、とんでもない物体をとらえました。
で、でかーーーーっっ!!
「ぬぉぉぉん…」という効果音がよく似合う、インパクトと手作り感が半端じゃないバンジーブランコが登場しました。
どうやら搭乗部分は、船の先端を切って作ったのであろう代物…。
うう…心もとない。強い不安が筆者の心を埋め尽くします。
後部シートの屋根部分がぺしゃんこになっている理由が気になりますが、そんなこと怖くて聞けません。
それでは、いざ搭乗です。
この先はぜひとも動画でお楽しみください。かなり叫んでいるので、ボリュームに気をつけてください!
恐怖でフラフラになりながら絶叫マシンを降りると、娘が駆けつけてくれました。
我ながら優しい娘です。ママはもうフラフラです。
恐怖が冷めやらぬまま沖縄そばを待つ
おそばは本館横の飲食スペースでいただくことにしました。トタン屋根の手作り感と扇風機が、とてもいい味を醸し出しています。
本館横の飲食スペースには漫画や絵本が置いてあるので、料理の待ち時間を持て余すことがありません。
おそばを待っている間、どこからともなく懐かしい音楽が聞こえてきました。音の鳴る方へ行ってみると、悠々と三線を弾く店主を発見。
筆者が糸満から来たことを伝えると、「いとまんいとまん〜♪」と三線に合わせて唄を歌ってくれました。とても素敵な人柄の店主です。
沖縄そばが来た!けれども写真を撮り忘れた…!
見出しの通りです。すみません。絶叫マシン直後のあまりの動揺に伴い、素で食べる前のおそばの写真を撮り忘れました。
しかし、味が美味しかったことは確かです。最初から入っている紅生姜がいいアクセントになっていました。
おそばを食べている時は、本当にこんな感じになります。生まれて初めて「放心状態」を経験しました。
そこで私は、あることに気がついたのです。
「あ、魂拾ってない……」
こんな状態で帰るわけにもいかないので、魂を身体に戻すマブイグミを行うことに。
沖縄に伝わる魂拾いの儀式「マブイグミ」とは?
マブイグミとは、沖縄県に古くから伝わる儀式のひとつ。
沖縄の人は7つの魂を持っていると言われており、驚いた時や衝撃を受けた時に肉体から魂がポロッと零れ落ちるそうです。魂(マブイ)が抜けたままでいると、心ここにあらず状態が続き自身の身に良くないことが起こるのだとか。
そのため魂が抜けたら「マブイグミ(魂拾い)」をして、抜け落ちた魂を身体に戻さなければいけません。沖縄県で生まれ育った筆者は、幼少の頃から驚いた時や衝撃を受けた時には当然のようにセルフマブイグミをしてきました。
やり方は簡単。
驚いた現場で「マブヤーマブヤーウーティクーヨー」と3回唱えるだけです。それだけで抜け落ちた魂は身体に戻るのです。
※地域によってやり方は異なるそう
さっきの絶叫マシンでは、約2分も恐怖に晒され続けたのだから、私の身体からはマブイがボロンボロンと零れ落ちたことでしょう。
おそばも完食したところなので、さっそく拾いに行きます。
「よっと、この辺かな」
自分のマブイが散らばっているであろうマシン周辺で呪文を唱えます。
「マブヤーマブヤーウーティクーヨー…」
なんせ筆者は糸満から来たんですもの。南部である糸満市から山田水車屋さんがある恩納村までは、高速道路を使っても片道1時間以上かかります。
「きちんと7つとも拾って帰らなければ…」
必死の剣幕でマブイグミをしている筆者の耳に、店主の陽気な声が聞こえてきました。
「島バナナあるけど、食べるー?」
「あ!いただきますー!!」
マブイグミが無事に成功したのか、バナナを頂く頃にはすっかり放心状態だったことは忘れていました。
さすがに古くから言い伝えられているだけはあります。効果てきめんです。
頂いたバナナをモグモグしながら聞いてみました。
「なぜこんな絶叫マシンを作ったのですか?」
店主は少しはにかみながら、小さな声でこう答えてくれました。
「わからん」
絶叫マシンを体験してみた感想
テレビで多く取り上げられた「山田水車屋」名物の手作り絶叫アトラクション。
その噂通り、「とんでもないマシン」でした。しかし、一度乗ってみるとなぜか、もう一度乗りたい…。そう思わせてくれることも確かです。
店主の人柄の良さとかわいい動物たち。おいしい沖縄そばを味わいながら、ぜひ一度山田水車屋の手作り絶叫マシンにトライしてみてはいかがでしょうか。
※2021年12月追記「山田水車屋」は閉店しました
[基本情報]山田水車屋
住所:沖縄県国頭郡恩納村字山田1309−1
電話:098−965−4757
営業時間:10:00〜18:00
定休日:不定休
駐車場:あり
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