観光
2018.11.15
読谷村の高台、琉球王朝時代に築城された護佐丸の傑作!沖縄の世界遺産「座喜味城跡」
琉球王国が三山(さんざん)に分かれていた15世紀ごろ、北山(ほくざん)の勢力を監視するために、築城家としても知られる中山(ちゅうざん)の按司(あじ・琉球王国時代の階位のひとつ)護佐丸(ごさまる)が尚巴志(しょうはし)王の命を受けて築城したのがこの「座喜味城」だと言われています。
読谷村から北は本部半島、南は那覇市まで見渡せる景観に、強度と美しさを兼ね備えた曲線を描く城壁。しかし、この場所は沖縄戦で日本軍や米軍の基地として使われ一度は大きく破壊されたそうです。それでも戦後に復元され今の姿を取り戻しました。
それから1972年に国の史跡に、2000年にはユネスコの世界文化遺産に指定され、2017年には続日本100名城にも選出されています。
階段を上ると、生い茂るリュウキュウマツの先に城壁が見えてきます。ちなみに、南側駐車場に車を停め、すぐ側の「ユンタンザミュージアム」で座喜味城跡の見どころを確認して2Fの出口から向かうと便利ですよ。
まずくぐるのが、この「二の郭石門」。見惚れるくらい綺麗なアーチ状の門です。門の前後両側の中央に下画像のような三角形の楔を打ち込むことで、より強固なアーチになるそうです。ほかのグスクにこの技術が使われていないので、沖縄県に現存するアーチ石門の中で最古のものと言われているそうですよ。
二の郭石門のそばにある香炉は、琉球王国時代には城内の神へ祈りを捧げる場として別の場所にあったそうです。移設された今でも、拝所として地域の方々が訪れます。
さて、二の郭城内に入ってみましょう。正面には「一の廓石門」が見え、そばには袋路があります。敵が城内に侵入してきたら、袋路に追い込んでここで叩けるということですね!
そしてここが一の廓。中央に見えるのが建物跡です。琉球石灰岩礫を敷き、礎石と呼ばれる岩の上に柱を立てることで、安定性と風通しを確保した快適な家屋があったのではと推測されています。
建物跡の近くにあるこちらは「寄進灯篭」。護佐丸の子孫である「毛達徳座喜味親方盛譜(もうたつとくざきみうぇーかたせいふ)」が、代替わりした12代将軍徳川家慶のもとへ慶賀使として訪れ、その役目を果たし無事帰国したことを記念して1843年に設置されたそうです。
座喜味城跡の城郭は、3通りの積み方を組み合わせて作られています。上から、四角形に加工した石を積み上げる「布積」、より崩れにくくなるよう五角形や六角形に加工した石を積み上げる「あいかた積」、自然の石をそのまま積んだ「野面積」。それぞれを探してみるのも面白いですね。
そして今回、座喜味城跡を訪れた一番の目的がこれ。
城壁の向こうから昇る朝日を見に行くこと!360度見渡せる城壁の上からは、朝日も夕日も見られるんですよ。初日の出にはオススメです。
立ち入り禁止の場所は危ないので入らないようにしましょうね。朝焼けに染まる城壁も美しいです。
[基本情報]座喜味城跡
住所:沖縄県中頭郡読谷村座喜味708-6
電話:098-958-3141(世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム)
営業時間:24h
定休日:なし
駐車場:あり
身障者用駐車場あり、トイレあり、自動販売機あり
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