観光
2025.02.07
那覇空港から30分!海沿いのまち八重瀬町のローカル旅②~昭和レトロな喫茶店と集落を守る石獅子
こんにちは!日頃からリュックと水筒をもって沖縄本島中を散歩しているライターの小鍋です。
本島南部の海沿いのまち八重瀬町(やえせちょう)のローカル旅、第2回目として今回は志多伯(したはく)エリアの昭和レトロな喫茶店と集落を守る石獅子(いしじし)を訪れました。
実際に現地取材したからこそわかったニッチな情報満載。一歩踏み込んだ沖縄のローカル旅に興味がある方、ぜひお楽しみください。
目 次
八重瀬町のローカル旅へ出発!
那覇市内から八重瀬町に向かうには、車かバスが便利。今回は車で訪れました!
まずは八重瀬町にある昭和レトロなお店「喫茶シタハク」を目指します。
那覇市内からだと豊見城方面に向かい、一般道で行く場合は国道329号線経由で約30分ほど。沖縄自動車道を使う場合は南風原(はえばる)南ICから降りたら県道507号線を経由して約10分ほどです。
東風平(こちんだ)小学校が左手に見える交差点にきたら右折。志多伯(したはく)交差点から国道77号に曲がり、1分ほどで左手に「喫茶シタハク」の看板が見えてくるので、そこを左折です。
喫茶シタハクの外観と店BGMのギャップが面白い
白とピンクのチャーミングな建物が見えたらゴール!駐車場はお店の前に8台ほどあるので、車で訪れる人でも安心です♪
店内に入ると「こんにちは~!」とスタッフのとびぬけた明るい笑顔が出迎えてくれました。
店内BGMは昭和歌謡。チャーミングな外観とレトロなBGMのギャップに、つい笑みがこぼれてしまいます。
店内にはテーブル席とカウンター席。テーブル席は複数人でゆっくりしたい人、カウンター席はおひとり様や、スタッフとカジュアルにおしゃべりしたい人、ローカル話を聞いてみたい人におすすめです。
筆者は以前にプライベートで来店した時に店員さんとのおしゃべりが楽しかったので、カウンター席をチョイス!
ゆっくりと店内を見渡すとレトロな置物、アンティークなコーヒーカップ、コーヒー器具などがさりげなくお店の雰囲気を作っています。
他にも昔の沖縄でよく使われていた昔懐かしいレトロなグラスや、久貝さんの甥っ子さんの絵など、なんだかほっこりするものばかりで癒されます。
本棚や地元の情報満載のチラシ掲示板もあります。八重瀬町近郊の飲食店やイベント情報が満載なので「この後どこ行こうかな?」「明日どこ行こうかな?」と思った時のヒントが見つけやすいですよ。
筆者は大のローカル好きなので、八重瀬町内のイベント情報をチェック!
ボリューミーな極太麺のナポリタンと懐かしい喫茶店のプリン
さっそく注文してまいりましょう。お店で圧倒的に注文が出るという「鉄板ナポリタン1,190円」(スープ・サラダ付き)をオーダー。食後のスイーツは「喫茶店のプリン490円」を。
どどんと鉄板にのったボリューミーな熱々ナポリタンが登場!
具材はウィンナー、玉ねぎ、ピーマンとシンプルで、ナポリタンの下には焼かれた卵が下敷きに。こだわりのパスタ麺は2.1mmの極太麺でもちもち食感。濃いめの自家製トマトソースがたっぷり使われています。
「パスタって普通1.6mm〜1.7mmの麺が使用されると思いますが、どうしても2.0mmを超えたくって(笑)。麺がもちもち食感なのは、茹で置きした麺を流水解凍しているからです。いや~、分量の調整にすごい時間がかった!」と話すのは、店代表の久貝舞央音(くがい・まおね)さん。
固めの食感が昔懐かしい「喫茶店のプリン」には、苦めのカラメルとホイップがたっぷり。上には嬉しいサクランボが♪
「見栄えを重視してホイップをたっぷりのせました!カラメルは『レトロなプリンは苦い』というイメージが私の中であったので、苦めにして。卵、牛乳、砂糖、バニラエッセンスなどと、シンプルな材料で作っています」
お店のメニューは全て手作り。お店の雰囲気といいお客さんといい、店内にお家のような安心感が漂っているのは、てぃーあんだー(沖縄方言:手塩にかける、丁寧につくるの意)の温かさなのでしょうね。
お客さんが雰囲気を作ってくれる「昭和レトロ」な愛されるお店
喫茶店、昭和歌謡、固めのプリンなど、どうみても昭和レトロを感じるお店ですが、実は「『昭和レトロ』はお客さんが決めてくれたんですよ〜」と久貝さん。
「お店をオープンする前に60年代、70年代、80年代、90年代とそれぞれの時代のヒットソングのチャンネルを聞いていたら、70年代が一番しっくりきたんです。それでお店のBGMはこれに。そしたらいつの間にかお客さんから『昭和レトロ』なお店と言われるようになったので、そういうお店にしました(笑)」
2023年の11月頃からオープンの準備をはじめ、2024年1月10日にオープン。
店名に地名を入れたら、地域の皆さんにも愛着が湧いてもらえるかと「シタハク」と名付けたのだそう。
「お客さんがお店の雰囲気を作ってくれているんです。20〜80代まで幅広い客層で、沖縄中からお客さんが来てくれて、時には赤ちゃんをお連れの方も来ます。毎週いらっしゃるリピーターさんもいますし、役場に道を聞いて4時間かけて来店される方もいます。色んな方がきて勉強になりますよ。本当に面白いです。お店に(お客さんからの)お土産がない時が無いです(笑)。本当に有難いです」
「私はずっと飲食業ですが、時々違う仕事もしてきました。飽き性なんです(笑)。メニュー板に書かれているメニューも、今はもう無いものもありますし、これからもメニューがいろいろ変わってくると思います」
会話からもわかるように、久貝さんはとても面白い方。お店のスタッフもお客さんも非常にアットホームで優しい方ばかりなので、筆者はプライベート併せ5回来店していますが、いつも店内が笑い声に包まれています。
お客さんにとても愛されているこのお店。この日お店にいたスタッフの1人、佐川花奈(さがわ・かんな)さんもお店が好きでスタッフに応募したといいます。
「最初はお姉ちゃんにすすめられて来店しました。Instagramでスタッフ募集していて駐車場があってまかない付きだったので、すぐ応募しました(笑)」。
オープンからクローズまでいつもお客さんがたえない喫茶シタハク。「いつもいっぱいですね~」と筆者が声をかけると「たまたまです(笑)また来たいと思ってもらえるように、頑張ります!」と、久貝さん(写真右)は笑顔で答えてくれました。
久貝さんの飛びぬけた明るさと笑い声に寄せられ、喫茶シタハクに今日も1人、また1人とお客さんが訪れます。
[基本情報]喫茶シタハク
住所/沖縄県島尻郡八重瀬町志多伯255-2
電話番号/070-8967-3538
営業時間/7:00~15:00(L.O.14:30)※モーニング7:00~10:00の時もAllメニュー注文OK
定休日/水曜 ※最新情報はInstagramをチェック!
駐車場/およそ10台
その他/禁煙(出入口付近に喫煙エリア有)
https://www.instagram.com/kissa.shitahaku/
志多伯の集落を守る石獅子に出会う
さぁ、美味しいものを食べたあとは体を動かしながら志多伯エリアを散策します。
八重瀬町は沖縄で1番古いシーサー(村落獅子)があるほどシーサーが豊かなエリアなので、シーサー探索に行ってきました!
最初に訪れたのは「西の石獅子」(八重瀬町有形民俗文化財)。喫茶シタハクの隣にある公園「志多伯馬場」にある石獅子で、志多伯集落の東西南北の四隅にある計5体のうちの1体。
志多伯の石獅子は火返しや集落を守るなどの役目があり、守護神のような存在なので、住民にとても大切にされています。ときどき拝みのお線香が置かれていますよ。
よく見ると雄雌一対ではなく、一匹、いや一体で置かれている「一体型」となっています。こちらのシーサーは「村落獅子」。沖縄で一般的によく知られている屋根のシーサー(屋根獅子)や門のシーサー(門柱獅子)の先祖なので、いつも見るシーサーと風貌が異なりすぎて最初は戸惑うかもしれませんね。
古い沖縄のシーサーは必ずしも雄雌1対ではなく、このシーサーのように一体型で鎮座するシーサーもいますよ。
志多伯公民館の裏手にあるのは「南の石獅子(同文化財)」。志多伯公民館のスタッフさんが快く撮影を許可してくれました!
横から見るとわかりますが、こちらのシーサーは手足の境目がよくわかりません。よく沖縄のシーサーは、「開口しているのは雄」などといわれますが、実はそうではありません。閉口しているのが雄の場合もありますし、そもそも手足がない魚のようなシーサーもいます。
沖縄旅行でシーサーを見学するときは、右左上下じっくりシーサーを見てみると面白いですよ♪
沖縄のシーサーは宮獅子、御殿獅子、村落獅子、家獅子、木製彫像獅子などとたくさんの分類にわかれています。今回ご紹介した「村落獅子」は、古式のものは17世紀後半には製作され、18世紀から19世紀前半ごろには製作のピークをむかえていたと言われています。
形あるものはいつか消耗するのが運命。風雨にさらされながらも懸命にムラを守ってきた守護神も、いつかは見ることができなくなるかもしれません。ぜひ今のうち、沖縄の獅子たちに会いに行ってみてくださいね。
今回、志多伯エリアではヤギや花、島バナナの木、手作りの獅子など、心温まる風景にたくさん出会いました。
志多伯集落は優しい空気が流れるエリア。沖縄のローカル旅初心者からリピーターまで、カフェ巡りや石獅子散策等で訪れやすいエリアとなっていますので、一歩踏み込んだ沖縄観光を味わってみたい方、是非ぜひ訪れてみてください♪
これにて、「海沿いのまち八重瀬町のローカル旅②~昭和レトロな喫茶店と集落を守る石獅子」を終了。
次回は、サトウキビ畑に囲まれたローカルな風景を見ながらバスや徒歩で向かった八重瀬町のローカル旅レポートをお届けします!
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