体験
2021.12.07
認定エコツアーガイド常さんと行く!ディープな徳之島の旅
奄美大島在住のライター勝です。先日、奄美大島とともに世界自然遺産に登録された徳之島に行ってきました。
徳之島には過去何度か訪ねています。
①長寿ギネスを輩出、出生率全国一位の町も!生命力あふれる島「徳之島」で樹々のパワースポットへ
②地球のパワーを感じる絶景の宝庫!巨岩や奇岩スゴイ岩にくぎ付けの徳之島
今回は、お客さんの希望に沿ってオーダーメイドのツアーを企画しているエコツアーガイドの常 加奈子(つね かなこ)さんに案内をお願いしました。
常さんは、香港出身の通訳案内士Cathyさんと一緒に、「旅友 Tokunoshima」というオリジナルのエコツアーを主宰しています。常さんは地元徳之島出身。明るく優しい人柄と豊富な知識で大人気のガイドさんです。
今回は「これまで自分たちでは行ったことのないディープなところへ連れて行っていってください」という無茶なリクエストをしました。(笑)
まずは常さんと徳之島空港で待ち合わせをし、最近話題の「ウンブキ」へ向かいました。
目 次
巨大海底鍾乳洞「ウンブキ」を見学
2019年に「徳之島で日本最大級の巨大海底鍾乳洞が発見された」とのニュースがテレビで報道され、非常に話題になったのを皆さんご存じでしょうか?
この「ウンブキ」はまさにその鍾乳洞の入り口。
実は空港から車であっという間。歩いても来れる距離なのです。
海底鍾乳洞が発見されるまでは、ずっと誰にも注目されない荒れた場所だったそう。
駐車場から階段を下りていくと、そこは周りを岩に囲まれ、木々が茂っているとても静かな広場。
いろいろな植物が自生していて、奄美群島独特の鳥類などもやってくるので、自然観察も楽しそうです。
さらに奥に行くと、そこが「ウンブキ」。
岩に沿うようにガジュマルが根を広げ、神秘的な雰囲気が漂っています。
「ウンブキ」とは、地元の方言でウン=海、ブキ(フキ)=水が噴き出す場所の意味。
ここは、大昔の珊瑚礁が隆起して陸地になり、長い年月をかけて鍾乳洞が形成され、さらに陥没して内部があらわになったようです。
鍾乳洞の奥に見える水は海底洞窟を通じて400m先の海とつながっているらしく、潮の干満によって水位が上下するそう。
この奥の海底洞窟の水中から、7000年以上前の土器が見つかっています。
ということは、ここで人が生活していたということ。つまり、以前は水に浸かっていない洞窟で人が住んでいて、その後、鍾乳洞が沈下(あるいは海面上昇)して洞窟内に水が満ちてきたと考えられています。
徳之島は約2万8000年前から人が暮らしていた形跡があるそうです。なんだか壮大なロマンを感じますね。
寝姿山(ねすがたやま)は本当に寝姿だった
徳之島空港の愛称である「子宝空港」の名前の元にもなった「寝姿山」。
この山が一番寝姿らしく見える場所に連れて行ってもらいました。左から頭、胸、お腹。本当に女の人が仰向けに横になった姿にそっくりなのです。
よく見ると、目や眉毛、鼻の穴まであるのがわかりますか?
徳之島の北端、金見崎(かなみさき)へ
有名な「ソテツトンネル」のすぐ近くに金見崎灯台があります。
灯台からさらに岬の突端へ、ソテツの林を抜けるといきなり真っ白な砂浜と青い海が広がります。ここが徳之島の北端。海の向こうに見えるのは、奄美大島の南にある請島と与路島。
白い砂浜から顔を出す黒い岩は、恐竜が生きていた約1億年前の泥岩と砂岩です。
そして、浅い海にコロコロと点在する「台風岩」と呼ばれる岩。台風の嵐で海中の珊瑚礁が割れて海から打ち上げられたものだそう。
とは言っても近づいたら巨大な岩。これが台風が来るたびにさらに打ち上げられ、岩の場所が変わったり、岩の数が変わったりするらしいです。自然のパワーってすごいですね。
「ジビエカフェとうぐら」で地産地消のランチ
金見崎のすぐ近くに2019年オープンした「ジビエカフェとうぐら」。方言で「とうぐら=台所」という意味だそうです。
こちらで徳之島のイノシシ料理を食べることができると聞いて早速行ってみました。
窓からは金見海岸を望む絶景のロケーションです。
私はシシ肉ハンバーグの「あまちゃん定食(税込1,500円)」をオーダー。(あまちゃん=お母さん)
イノシシは全然臭みもなく、柔らかくてジューシーでとてもおいしかったです。
盛りだくさんの小皿は、地元産の新鮮な野菜を使ったいろいろな郷土料理。お赤飯のように見えるご飯は、地元金見で採れた地豆(落花生)のご飯です。
ボリュームがあっておいしく、お腹がいっぱいになり大満足でした。
ニライカナイ農園でコーヒー収穫&焙煎体験
徳之島では何軒かコーヒー農園があるようで、そのうちの一つ、ニライカナイ農園にお邪魔しました。まだツアーは一般では受け付けていないところを、今回特別にお願いしていただきました。
ニライカナイ農園を管理している林 美樹(はやし よしき)さんに、農園をまず案内してもらいます。
ニライカナイ農園では、何十年にもわたって試行錯誤しコーヒーを作ってきました。コーヒーは実がなるまでに5年ほどかかります。しかも、島特有の気候のせいでカビなどが発生したり、台風で木が倒れたりするので、育てるにはかなり苦労をされたそうです。
早速、大切に育てられたコーヒーの実を収穫体験。コーヒーの実は赤く熟したものと緑色の未熟なものが混在しているので、手作業で収穫しないとなかなかうまくいかないようです。
ワインレッドに熟しているものを探して収穫していきます。
次は、コンロにセットされた焙煎機に乾燥させたコーヒー豆を入れて、均一に火が通るようにくるくる回し、焙煎します。
緑色だった豆が茶色くなってくるとあっという間に煎りすぎてしまうので、終了のタイミングが難しかったです。
煎っている途中からとてもいい香りが漂ってきます。
煎りあがったら、みんなでそれぞれ豆を挽き、お湯を沸かしてコーヒーを淹れ、その場で頂きました。
農園でいただくコーヒーは、すっきりとしながらもコクがあり、絶品!日本で作っているコーヒーがこんなにおいしいとは、正直びっくりしました。
コーヒーのほかに、農園で採れたバタフライピーの青い花をシナモンの葉とともにハーブティーにしていただきました。とても綺麗な青ですね。
そこに、農園のシークニンという柑橘をしぼると、なんということでしょう!色が変わりました。とても面白かったです。
どんな色に変わるのかは、みなさんも体験してみてくださいね。
農園にはコーヒーのほかにもいろいろな木が植えられています。
林さんに勧められて、シナモンの葉をかじってみました。噛んでいくととてもいい香りが口に広がります。
シナモンは一般的には樹皮を使うのですが、葉っぱまでもがシナモンの香り。しばらく噛んでいると、今度はほんのり甘くなってきます。
これも忘れられない体験になりました。
西郷隆盛の腰かけた松
続いて立ち寄ったのはこちら。
幕末、西郷隆盛は幕府に逆らった罪で、沖永良部島に流されました。その途中、徳之島に寄って17日間を過ごしました。
そのとき西郷さんが腰かけたといわれる松が奥山家の庭にあります。西郷さんはここでも人々の記憶に刻まれたのですね。
島出身の大相撲力士!朝潮太郎の碑
徳之島出身で高砂部屋に入り大活躍した「朝潮太郎」の碑が西郷さんの腰かけ松の近くにあります。
朝潮太郎は、身長189cm。その時代としてはびっくりするほど大きい人だったようで、相撲界隈では「100年に1度の巨体」などと言われていたそうです。
旅が何倍も楽しくなる!「旅友」のオーダーメイドツアー
ひとりで行くと通り過ぎてしまうようなところにも、いろいろな出来事や歴史・文化があります。
今回の常さんのツアーでは、それを教えてもらいながら巡れたので、旅が何倍にも深く楽しくなりました。
最後はホテルまで送ってもらえたので、レンタカーも必要なく楽ちんでした。
みなさんも「旅友」で徳之島のオーダーメイドのツアーを体験してみるのはいかがでしょうか?
[基本情報]旅友 Tokunoshima(常 加奈子さんのツアー)
TEL:090-7535-3593(9:00-17:00)
https://www.tabitomo-tokunoshima.biz/
[基本情報]ジビエカフェ とうぐら
住所:鹿児島県大島郡徳之島町金見474
TEL:0997-84-9911
営業時間:水曜日~日曜日 11:00~14:00
URL:https://kanan.blue/
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