体験
2019.06.07
噴火は日常茶飯事?!活火山の「桜島」を感じられる桜島一周 自転車の旅
鹿児島県の観光スポットのひとつである桜島は、錦江湾にそびえ立つ活火山です。約26,000年前に誕生したころは、その名の通り島だったのですが、大正3年の大噴火で吹き出た溶岩によって海峡が埋めたてられ、大隅半島とつながりました。
それ以降も幾度となく噴火を繰り返す桜島。よく「桜島に人が住んでるの?」と驚かれますが、現在も約4500人が暮らしており、豊かな自然が残っています。
その魅力を感じに桜島一周自転車の旅に出かけました。
目 次
桜島に渡るフェリーに乗船
桜島には、鹿児島港からフェリーで渡ります。年中無休で24時間運行しており、料金は大人160円と、バス並みの安さ。車や自転車も乗船できます。
早速フェリーに乗船して向かったところは、うどん屋「やぶ金」。鹿児島県民にとって、「フェリーに乗ったらやぶ金」は定番なのです。
筆者はかけうどんを注文しました。
人気の秘訣は、昔から変わらない味とフェリーで食べる特別感。注文して1分も待たずに出てくるところもポイントです。桜島までは約15分で到着するので、乗船後すぐに注文しないと食べ切れないかもしれません。
サクッと完食し、船上で少し風に当たっていると、間もなく桜島に到着します。
桜島到着!周遊前におすすめの情報収集スポット
フェリーを降りてまず最初に寄りたいところはターミナルの桜島コンシェルジュセンター。桜島のおすすめの巡り方を案内してくれます。車だと快適ですが、雄大な桜島の地を全身に感じながら巡ってみたかったので、レンタサイクルを利用することにしました。車では気づけない景色にも出会えそうです。
桜島は一周約37キロで、時計回りと反時計回りで走行できます。「時計回りは前半に激しいアップダウンがあり、反時計回りはその逆で、はじめに緩やかな登り坂が続きますよ。」とのこと。2件あるレンタサイクルの値段などの情報ももらいました。
もらった情報をもとにターミナルから歩くこと10分、桜島の資料館である桜島ビジターセンター(入館無料)に到着。入口のシロクマの絵がなんとも癒やされました。これ、火山灰で書かれたものなんですよ。
こちらで自転車を借りました。ギア付きの軽い自転車なので、坂道も楽に進めそうです。
料金は3時間で2000円、以降は1時間ごとに500円加算されます。
桜島ビジターセンターと同じ敷地になぎさ公園があります。出発前にぜひ体験してもらいたいのは、全長約100メートルの日本最大級の足湯です。桜島と鹿児島市街地を眺めながら無料で天然温泉が堪能できます。
いよいよ自転車で桜島一周の旅スタート
錦江湾を右手に眺めながら走る反時計回りでスタート!初めに緩やかな登りが長く続くので、体力がある前半に登ってしまいます。訪れた4月は桜の時期で、優しい桜色の道路が続きます。風も気持ちよく、自転車の乗り心地もいいです。
溶岩道路の名で親しまれる224号線を通ると近道ですが、とあるモニュメントを見るために、スーパーマグマロードを進みます。大溶岩原を走る道路で、桜並木を過ぎると大きな岩がゴロゴロ置かれています。
桜島ビジターセンターから平坦な道を3キロ進むと、お目当ての叫びの肖像が見えました。こちらは鹿児島県出身の歌手・長渕剛さんが桜島で開催したオールナイトコンサートを記念して建てられたもの。ファンの聖地となるこのモニュメントは、桜島溶岩で建てられています。天に向かって叫ぶような力強さに長渕剛さんの影を感じます。
ここから、ゆるく、長い登り坂が続きます。これが結構きつい!
時折立ちこぎで頑張りながら進みました。右手に見えている錦江湾では、運が良ければ野生のイルカが見られます。
途中、大噴火が起きた時に備えた避難場所である待避壕を見かけました。桜島のあちこちに設置されています。
土石流対策の溝もあります。いつも噴煙を上げている桜島。鹿児島県民にとって噴火は日常茶飯事で、火山灰ともうまく付き合って暮らしています。
次の目的地は11キロ地点の有村溶岩展望台。大正溶岩と昭和溶岩が観察できるビュースポットです。しばらくトイレがないので、トイレ休憩にも寄りたい場所です。
展望台に登ると雄大な桜島が目の前に!2018年の大河ドラマせごどんのポスターの撮影場所です。同じアングルで撮影してみました。
有村溶岩展望台を過ぎ、細い道を走ること3キロ、桜島口に到着。ここは大正大噴火で陸続きになった場所です。220号線に曲がれば垂水市に差し掛かり、宮崎県に行けます。真っすぐ進むと霧島市方面につながります。周遊コースは桜島に沿って左に曲がり、ただひたすら山道を走ります。この道が1番の山場でした!しかし、下り道の時の風が気持ちよく爽快。ペダルをこぐ足も軽く感じます。
ようやくルートの半分地点!大噴火で1日にして埋まった鳥居が当時の様子を物語る
次の目的地、黒神埋没鳥居に到着です。ちょうど半分を走りきりました。ここまでの所要時間は3時間ほど。ここで驚くべき光景に出会います。
こちらは、大正噴火で噴出された軽石や火山灰によって、わずか1日で埋没した鳥居。当時の災害の様子を物語っています。噴煙は8,000メートル以上まで上昇したようで、「私の婆ちゃんは、桜島から樽をこいで、鹿児島市まで逃げてきたんだよ。」と言っていた親戚の言葉を思い出しました。
小腹も空いてきたところで、埋没鳥居から1キロ先で「カフェはましま」に入りました。
メニューは五平餅セットとドリンクのみで、疲れた体にも優しい味付け。栃木から移住されたオーナーはお話が面白い気さくなママです。「桜島は自転車旅も多いでしょう。あんまりたくさん食べると動けなくなるからね。甘いものと水分をとって、一息してって」と、気遣ってくれます。
五平餅は栃木の名物のようで、練ったご飯に擦ったくるみを混ぜたみそをかけたものでした。豆乳プリンの甘さも体に沁みます。
桜島特産椿油の絞り体験(予約制)もできるようです。
英気を養って再びスタートです。実はここから、激しいアップダウンが続きます。ところが、ギア付きの自転車だったからか、スムーズに進めました。
いよいよ到着まで残り10キロ。ここからは平坦な道なので楽々です。右手に養殖場が確認でき、桜島港から近いこともあり、釣りスポットになっています。
5時間でゴール!疲れを癒やす温泉とお土産で自転車旅の締めくくり
約5時間で桜島を一周しました!平均は4時間くらいだそうです。
先に自転車を返却して温泉に入ることにしました。もう、汗びっしょりです。
最後の楽しみはやはり温泉です。桜島ビジターセンターからフェリーに戻るまでの通り道にあるレインボー桜島で温泉に入り疲れを落として帰路につきます。
桜島港側のフェリーターミナルにあるMINATO CAFEで遅めのランチにしました。
こちらのメニューはお土産を含め、桜島にこだわったものが多く、「マグマライスセット」「降灰ソフトクリーム」と、どれも気になるものばかりです。
人気のお土産は桜島特産の「椿油」。
筆者は「桜島モクモクティッシュケース」が気になりました。
桜島の自然を存分に味わえた自転車の旅でした。車だと1時間程で一周できるので目的に合わせて周遊することをオススメします。
年間通して様々な景色を見せてくれる桜島を、ぜひ肌で感じてください。
[基本情報]鹿児島港側のりば
住所:鹿児島市本港新町4-1
電話:099-223-7271
駐車場:なし(周辺に有料駐車場有り)
[基本情報]桜島港側のりば
住所:鹿児島市桜島横山町61-4
電話:099-293-2525
駐車場:あり(有料)
[基本情報]桜島ビジターセンター
入館料:無料
開館時間:9:00-17:00
休館日:年中無休
駐車場:あり(無料)
[基本情報]カフェはましま
住所:鹿児島市黒神町2584-11
電話:099-293-4830
駐車場:あり
営業時間:店主が居ればいつでも
[基本情報]MINATO cafe (みなと カフェ)
住所:鹿児島市桜島横山町61-4 桜島港フェリーターミナル3階
電話:099-293-2550
営業時間:10:00~17:00
駐車場:なし(周辺に有料駐車場有り)
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