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食事

2021.06.14

【沖縄の古民家を訪ねて】行列できる日も! 店主お手製やちむんでいただく豚肉フルコース沖縄そば「そば処 すーまぬめぇ」那覇市

那覇市 沖縄 そば 処 すーまぬめぇ 古民家 ランチ

目に映った瞬間に歴史を感じ、中に入るとどこか懐かしく、ほっと落ち着けるのが古民家。日本全国各地に多数あり、その土地ならではの家屋作りの工夫で、時を経た現在も人々の暮らしに根付いています。

沖縄県内にも多くあり、現在は飲食施設として新たな魅力を放つ古民家も。ぜひ訪ねてほしい古民家の飲食店を、一軒ずつ探しながら紹介していきます。

4回目の今回は、那覇市・古民家・沖縄そばの名店と注目ワードが3つそろった「そば処 すーまぬめぇ」を紹介します。観光エリアではない住宅街にあるので、今までとは違う那覇を感じられそうです。

【沖縄の古民家を訪ねて】過去のシリーズはこちら▼

那覇の住宅街に建つ古民家の沖縄そば屋

駐車場 那覇市 沖縄 そば 処 すーまぬめぇ 古民家 ランチ

那覇市国場にある沖縄そばの名店としておすすめしたい「そば処 すーまぬめぇ」。名所などがない静かな住宅街に佇んでいます。

車で行く方は、近くまで来たらカーブミラーに「すーまぬめぇ 駐車場左へ」という案内があるので安心。住宅の間に広々とした駐車場があるんですよ。

駐車場 那覇市 沖縄 そば 処 すーまぬめぇ 古民家 ランチ

駐車場から少し歩いて店舗へ。外壁に沖縄民謡「てぃんさぐぬ花」の歌詞が書かれていたので、読んでみます。

「てぃんさぐぬ花や 爪先に染みてぃ 親のゆし言や 肝にすみり」というのは「ホウセンカの花は爪先に染め、親の教訓は心に染みなさい」という意味。物語のように心に染み入ります。

歌い継がれるすてきな沖縄の歌に導かれながらお店の正面に回ると、タイムスリップしたような気持ちに。古き良き沖縄をイメージする古民家が見え、風味豊かなおだしの香りが広がっています。

那覇市 沖縄 そば 処 すーまぬめぇ 古民家 ランチ 那覇市 沖縄 そば 処 すーまぬめぇ 古民家 ランチ

お店の代表を務める渡嘉敷勇さんに話を聞くと、店名の「すーまぬめぇ」は屋号で17年営業を続けているとのこと。

元々は渡嘉敷さんのおばあさまの家で、トートーメー(仏壇)を管理するために家屋を継ぐことになり、「せっかくだから建物を活かしていこう」と思い開業したそうです。渡嘉敷さんが子どものころから遊びに来ていた家と教えていただき、なるほど・・・と納得。里帰りをしたような親近感があります。趣のある古民家にいると、やっぱり安心しますね。

那覇市 沖縄 そば 処 すーまぬめぇ 古民家 ランチ

店主手作りの「やちむん」で歓迎

そば屋さんを始める前から料理人だったという渡嘉敷さん。24歳のころ調理師学校に通い、卒業してから40年近く、居酒屋やカフェなど飲食店を経営していたそうです。

その料理の腕と古民家という格別な場所でこだわりの沖縄そばを提供し、現在では多くのファンを持つ名店になりました。

そして渡嘉敷さんには陶芸家の一面も。「自称陶芸家です」と笑顔を見せ、陶芸歴は約10年で名のある工房に通い修行を重ねたなど教えてくれました。現在は店舗の裏手に自前の窯があり、県内有名コンクール「沖展」に出品し見事入選。「元々はお店で使う器を作りたくて陶芸を始めました」と心に残るエピソードを聞いたところで、丼や湯飲みが店主の自作ということにおもてなしの心を感じます。

那覇市 沖縄 そば 処 すーまぬめぇ 古民家 ランチ

屋敷の漆喰も自ら整備し、庭でお客さまを迎える立派なシーサーも渡嘉敷さんのお手製。個性あるやちむん(焼き物)、手入れが行き届いた敷地内の美しい木々や花もお店に彩りを与えています。

豚肉フルコースのせ!大満足の沖縄そば

那覇市 沖縄 そば 処 すーまぬめぇ 古民家 ランチ

おすすめの一品といえば、やっぱり「すーまぬめぇ スペシャルそば」。三枚肉・テビチ・ソーキという豚肉のフルコースが立派な丼に盛られ、その名の通りスペシャルなメニューです。

厚みのある三枚肉に、ホロホロと口の中でとけていくテビチとソーキ。うま味あふれるお肉は絶品です。そして約5時間煮てだしをとるスープは、濃厚なカツオだしの風味があっさりしつつも深みのある味わいで細麺と程よく絡み合います。

那覇市 沖縄 そば 処 すーまぬめぇ 古民家 ランチ

また沖縄そばには珍しく、麺の上にのせられているのが刻みショウガ。見た目も味も確かで細かいところまでこだわっている沖縄そばなので、最後の一口まで食べて飲み干せます。一見ボリューミーではありますが、口にするとペロリと完食しました。

なんとフーチバー(ヨモギ)も付いていて、お好みや香り付けで加えるとおいしさが変化します。

那覇市 沖縄 そば 処 すーまぬめぇ 古民家 ランチ

「全部食べたいという友達のリクエストに応えて、このメニューを始めました」と渡嘉敷さん。ぜいたくでおいしいこのメニューが誕生するきっかけを作ってくれた、お友達に感謝します!

また、おそばのお供にいただきたい沖縄のごはんメニュー、ジューシーと沖縄風いなりも要チェック。そばだしを使っているそうで、さっぱりとしながらも優しい味わいでした。どちらも沖縄そばとの相性抜群です!

那覇市 沖縄 そば 処 すーまぬめぇ 古民家 ランチ

オススメの「すーまぬめぇ スペシャルそば」は800円で、人気ナンバーワン「ソーキそば」の大サイズも800円。大きくて深い丼に入ってくるので、リーズナブルに感じるかも!? ジューシーと沖縄風いなり(2個)は、どちらも150円です。

※スペシャルそばとソーキそば(大)は1,000円、ジューシーと沖縄風いなり(2個)は250円となりました(2023年10月追記)

味はもちろん、人の温かさも大切に

那覇市 沖縄 そば 処 すーまぬめぇ 古民家 ランチ

「仕込みは前日から。自分がおいしいと思う沖縄そばを作って提供しています」と渡嘉敷さん。その思いとおいしさが来店するお客さまに届いているのでしょう。「すーまぬめぇ」のこだわりのそばを求めて来客が続き、オープンしてあっという間に満席に! お昼12時ちょうどには10数人の列ができていました。

取材したのは2020年末の平日でしたが、こんなにも人が多いなんて・・・週末や観光客が来沖するハイシーズンはどんなににぎわうのだろう!? と正直驚きました。

那覇市 沖縄 そば 処 すーまぬめぇ 古民家 ランチ

最初は地元の方や県内在住者が多かったそうですが、口コミでだんだんと評判が広がり、やがて観光客も多く訪れるようになっていったそうです。

「軌道に乗るまで時間がかかりましたが、口コミで広がり、最近はSNSを見て来る人が多いです」という渡嘉敷さんの話から、近所のなじみ客からはじまりアジア圏の観光客までもが訪れる人気店へと成長していったことが分かりました。

人気の秘訣を聞くと、「味が変わらないように、一定のおいしさを保つことを気を付けています」と答えた渡嘉敷さん。シンプルですが「いつ訪ねても同じ味のおいしいそばが食べられる安定感と安心感が、お客さまを引きつけて離さない魅力だろうと思えました。そこに「沖縄らしい古民家」という場所の魅力も加わった、揺るぎない名店だといえるのではないでしょうか。

那覇市 沖縄 そば 処 すーまぬめぇ 古民家 ランチ

「今の時代、料理でも陶芸でもさまざまなことがYouTubeなどを通して学べます。ですが実際に人に触れ合って学べることはとても多いと思うんです。たくさんの人とコミュニケーションを取りながら、このそば屋を続けていきたいと思っています」と語った渡嘉敷さん。人の温かみを大切にするお店であることが伝わってくる言葉です。

古民家という特別なロケーションでの中でおいしい沖縄そばと人情が味わえるこの名店に、足を運んでみてはいかがでしょうか。風が涼しい日はテラス席の利用もオススメです!

[基本情報]そば処 すーまぬめぇ
住所:沖縄県那覇市国場40-1番地
電話:098-834-7428
営業時間:11時〜16時
     (ただし売り切れ次第営業終了)
定休日:不定休
駐車場:あり

●執筆協力:Shotaro
●撮影・編集:饒波貴子

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この記事を書いた人饒波 貴子
那覇市出身・在住。OL生活、週刊レキオ編集室勤務を経て、フリーライターに。現在は沖縄のエンターテインメントおよび店舗紹介を中心に取材・執筆。ウェブマガジン「琉球新報Style」、雑誌「porte」ほかで執筆中。 このライターの記事一覧

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