食事
2019.05.10
井戸が店内に!?沖縄の文化まで味わえる、元祖八重山そば「真仁屋」
沖縄といえば「沖縄そば」ですが、石垣島といえば、「八重山そば」!島内を歩くと、八重山そばの看板やのぼりやよく見かけます。初めて来る方には、どのお店に行けばいいか迷われると思います。
そこで今回は「これぞ、八重山そば!」と伝統の味を守り続けている創業98年の「真仁屋」さんを、石垣在住ライターの長井が紹介します。
日本最南端のアーケード商店街にひっそり佇む「元祖」の看板
石垣空港から離島ターミナルまでバスで約40分。さらに離島ターミナルから15分ほど歩くと、日本最南端のアーケード商店街「ユーグレナモール」があります。石垣島のお土産は、ここでほぼ揃えられます。海外の観光客も多く、異国情緒ただよう独特の雰囲気があります。
そのユーグレナモール内の公設市場近くに、「真仁屋」はあります。通りから少し奥まったところにあるため、注意深く見ないと見過ごしてしまうかもしれません。
看板には「元祖」の文字。八重山そば専門のお店は多いのですが「元祖」と銘打っているお店は見たことありません。提灯、看板、のれんと、とにかく「そば」を強調していることが伝わり、プライドが感じられます。
沖縄の歴史が見える、店内で独特の存在感を放つ「井戸」
静かな雰囲気の店外と比べて、店内は沖縄のお婆ちゃん家にやってきたようなホッとする雰囲気。昔、床屋さんで聞いたようなラジオも流れていて、初めてくるお店なのに懐かしさを覚える居心地のいい空間が広がっていました。
壁には有名人のサインがたくさん!沖縄の小浜島を舞台としたNHKの連続テレビ小説『ちゅらさん』のキャストメンバーも、このお店に来ていました。また、韓国のテレビでも取り上げられるなど国内外問わず人気のお店です。
さらにお店の奥の方には、楽器屋さんがありました。ご主人の宮良さん曰く、息子さんが沖縄民謡とバンド活動をされているそうです。
そしてその楽器以上に目を奪われたのは、楽器屋のど真ん中で独特の存在感を放っているこちら。
店内にある井戸です!これはいったい…。
「水不足や台風での断水対策で、水を確保できるようにするために、昔の沖縄の家には屋内に井戸があったんです。今ではあまり見なくなりましたが、私は井戸の改修をして、まだガーデニングの水として使っています」とご主人。
熱い気候や台風が多い沖縄ならではの知恵が、この井戸に詰まっていました。沖縄の食だけではなく、歴史も味わえる店内となっていました。
歴史がストレートに味わえる!3代にわたり受け継がれてきた真仁屋の「八重山そば」
私のおススメが、八重山そばのじゅうしーセット(650円)です。
スープとじゅうしーの相性が、とてもいいんです。八重山そばは、豚肉が1枚そのまま載っている沖縄そばと違い、豚肉とカマボコが細切れになっていて、麺と一緒に絡めて食べやすいのが特徴。その中でも、こちらの八重山そばは、豚と醤油のシンプルな自家製のダシで勝負されております。
「魚介などの味付けのお店も多いですが、私のお店は創業98年3代受け継がれてきた豚ダシのストレートな”八重山そば”で、勝負をしています」と、優しい口調にも語気を強めるご主人。「八重山そば」一本のメニューからも、そのメッセージが伝わってきます。それでは、いただきます。
優しい味付けながらも、麺のコシと豚肉でガッツリ食べられます。2口目、3口目と次々とすすりたくなるような美味しさ。気持ちも胃袋も、ほっこりしてきます。
沖縄の炊き込みご飯「じゅうしー」も、スープと交互に味わいたくなるほど、マッチしております。テーブルの上には味変グッズもあります。
左が「コーレーグス」という、島唐辛子を泡盛でつけた調味料。右が「ぴーやし」という島胡椒です。ぜひ、こちらの沖縄ならではの調味料も味わってみてください。
最後にお会計を済ませてお店を出ようと思った、その時!
「この箸、プレゼントです」とご主人。なんと、お客様全員にお渡ししているそうです。
こちらは、沖縄の一般家庭でよく見られる赤黄箸。赤は太陽、黄色は月を意味しているそうです。沖縄旅行のいい思い出になりますね。店内の井戸、昔ながらの八重山そば、お土産の沖縄のお箸。八重山そばだけではなく、沖縄の文化まで味わうことのできた、真仁屋さんでした。
[基本情報]真仁屋(まーにや)
住所:沖縄県石垣市字大川213
電話:0980-82-3081
営業時間:12:00~20:00
定休日:不定休
駐車場:なし
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