伝統
2021.01.06
日本最大の城門「御楼門」令和に復活!見どころを紹介
明治6年の火災で消失した御楼門が147年ぶりに復活しました。場所は鹿児島市の中心地・城山町。
それまでは鶴丸城跡と史跡があるだけでしたが、本来の御楼門は、初代薩摩藩が築いた鶴丸城の城門です。
令和2年4月に再建が完成したものの、コロナの影響でしばらく門が閉じていましたが、この秋取材が叶いました。
車が多く行き交う国道10号線沿いに佇む御楼門。鹿児島市街中心地に突如現れるので存在感を放ちます。城門は高さ・幅・20メートルで二階建て。日本最大級を誇ります。
堀池に囲まれた門で、夏の頃は蓮が咲き誇っています。早朝に訪れると大きく開く蓮が圧巻の美しさ!写真スポットにもなっています。その景色の中で橋を渡ると、異世界に入り込んだような、当時のお殿様にもなったような気持ちになります。
門をくぐると、新しい木の香り。門の主要な柱はケヤキで出来ています。
ケヤキは一般流通していない為確保が困難で、島津家にゆかりのある湧水町と岐阜県からの協力で確保できたそうです。
11億の工事費用をかけて再建された御楼門ですが、約半分の費用は寄付でまかなえたそうで、再建を待ち望んでいた期待度も伺えます。
当時の景色とリンクする桜島
門を出ると、丸に十の字・島津家家紋の旗が風になびいています。
ここから見える桜島と、当時の鶴丸城から見える景色が同じだと思うと、なんだか不思議な気持ちになりました。
ところで鶴丸城とは、言わば私たちが想像する城ではなく、天守閣や層楼がない屋形でした。
「城をもって守りとなさず、人をもって城となす」
城を造るよりも人を育て敷地を守るとの考えだったようです。
よく観光客に「城はどこにありますか?」と質問され、筆者も「なぜ城がないのだろう?」と思っていましたが、これには深い意味があったのですね。
鹿児島の歴史資料館・黎明館
御楼門の裏は、黎明館につながります。城跡に建てられた歴史資料館です。
外には建設に用いられた技術法や屋根に使われた瓦の展示があります。この展示を見て、歴史を知り、周りを見渡すと、しっかりと頭の中で鶴丸城一帯を想像することができました。館内は常備展や美術展が随時展示されています。
御楼門が見えるカフェで現代に戻る
黎明館内のCHIN JUKAN POTTERY 喫茶室で休憩もできます。お茶や軽食の他に鹿児島・薩摩焼の陶芸家「沈壽官」の作品を中心に手土産も購入できます。
さっきまで江戸時代に居たかのようでしたが、一気に現代に戻り、窓から見える御楼門がなんだか懐かしく思えました。
鶴丸城は今の城山町一帯を示し、城の敷地は鶴が羽ばたいているように見えることが名前の由来だそうです。
城山は史跡を巡りながらの散策コースがいくつもあるので、市街に宿泊の際にも早朝の蓮を見たり、軽い散歩におすすめです。
当時の風景を想像しながら鹿児島市内を散策してみてはいかがでしょうか?
[基本情報]
御楼門・黎明館・CHIN JUKAN POTTERY 喫茶室
住所:鹿児島県鹿児島市城山町7-2
駐車場:有り(無料、黎明館利用者に限る)
黎明館
電話:099-222-5100
開館時間:9:00〜18:00
休館日:月曜日・毎月25日・年末年始
CHIN JUKAN POTTERY 喫茶室
電話:099-295-3588
営業時間:11:00〜18:00(日曜・祝日は10:00オープン)
定休日:施設の休館日に準ずる
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