体験
2019.12.18
奄美の伝統工芸品「大島紬」を着て鹿児島市の天文館をさるく
鹿児島県奄美大島の伝統工芸品大島紬をご存知でしょうか。
約1300年の歴史を誇る絹100%の高級絹織物で、世界で唯一の染色法泥染めが特徴の着物です。最高級紬と言われている大島紬ですが、普段着用の着物として袖を通されます。
そんな大島紬を身近に感じてみようと、今回は大島紬を着用して鹿児島市中心にある繁華街天文館をさるいて(九州弁で歩いての意)来ました!
「筆者が大島紬を着てご案内します」と言いたいところですが…今回はモデルの濱田トモミさんに大島紬を体験してもらいました。
目 次
着付けが予約できるサロン「un cherie.」で大島紬に変身
まずは着付けです。大島紬は高級品なのでレンタルがあまり無く、今回は持ち込みで着付けをお願いしました。天文館のサロンun cherie.(シェリー)は白を基調とした明るい店内。女性専用のサロンで、着付けは5千円で受付ています。
「久々に大島紬に触りました。手触りも良く柄も素敵。」とオーナーの地頭江さんの声が弾みます。大島紬の柄はソテツなど奄美の自然の草木をモチーフにしたものが主流です。
ヘアセットも合わせて1時間弱で完了。「初めて大島紬を着ましたが、とても軽くて着心地いいです!」と濱田さんも嬉しそう。
大島紬は泥染なのでシックな色合いですが、帯で雰囲気を変えることができます。優しいピンク色の帯が映えて、今日の散策が楽しみな仕上がりとりました。
[基本情報]un cherie.
住所:鹿児島市東千石町9-10栄ビル3F
電話:099-800-8713
営業時間:10:00〜19:00
駐車場:無し
散策スタート!コーヒーとドーナツの香りに誘われてのんびり朝ごはん
さて、これからどこに行こうかな?と、まずはcherie.を出てすぐ左の通り天神おつきやぴらもーるを散策。
通りでは何やら露店の準備をしています。その傍にひっそりと佇む千石天神神社で参拝しました。
街中だとつい、通り過ぎてしまいそうな小さな神社。着物だとゆっくりと歩くのでいつもの景色も違って見え、発見も多くあります。
今日1日の散策を楽しく過ごせる様に祈願した後は、朝の一杯を求めてtabby coffeeへ。千石神社から天文館通りに進みます。店の前に到着するとコーヒーの香りが漂っていました。
tabby coffeeはコーヒースタンド店。猫と旅を愛する店主が「タビーキャット(縞模様の猫)」と「旅」をかけた店名にしたそうです。
なるほど、店内は猫の本、猫の焼き菓子、写真を撮りたくなる猫の小物が揃い、遊び心が満載です。
着物なので立ったまま飲むスタイルがとても楽ちん!コーヒーを待つ間、居合わせた客とたわいない会話を楽しめるのもコーヒースタンドの魅力かもしれませんね。
深煎りの豆が特徴で地元客はもちろん、海外観光客をも虜にするコーヒー。鹿児島滞在中、毎朝通う観光客も多いようで、様々な国の人々が集まる興味深い珈琲店です。
奥のカウンターでは15時から日本酒バーもオープンします。昼過ぎからはコーヒーを飲みに来る客と、日本酒を飲みに来る客が居合わせる不思議な光景になるのです。ここでしか味わえない空間です。
[基本情報]tabby coffee
住所:鹿児島市東千石町10-2みつばアパート1F
営業時間:8:00〜18:00
駐車場:無し
tabby coffeeを出て天文館アーケードに出ると、何やら甘い香りが!
鹿児島の銘菓かるかんやかすたどんが購入できる土産物屋「菓々子横丁」がありました。ここで焼いている出来立ての焼きドーナッツが甘い香りの正体です。
店内中央にあるイートインスペースで、壁に流れる滝の水音を聞きながらドーナツをいただきます。焼きたての温かさと、ふんわりした甘さがたまりません。
[基本情報]菓々子横丁
住所:鹿児島市東千石町13-14
電話:099-222-0648
営業時間:8:30〜21:00
駐車場:無し
桜島が爆発!降りしきる灰を避けて憩いのマルヤガーデンズへ
散策中、桜島が大きな音を立てて噴火しました。これは鹿児島では日常茶飯事の光景。とはいえ、空から降ってくる灰は避けたいものです。
天文館アーケードからいづろ電停、桜島側に向かって歩くとテナント型商業施設マルヤガーデンズがあります。座れる大きな書店、屋上の庭など、各階に休憩できる場所が設けられているので、繁華街に居ながらゆったりできる場所です。しばらく降る灰を避ける為に入りました。
「着物で映画を見るのも乙でしょうね〜」と、7階にあるガーデンズシネマを覗きました。
39席の小さな映画館。有名どころの映画ばかりではなく、ドキュメンタリーや鹿児島にゆかりのある映画、商業ベースに乗りにくい作品を中心に上映しているコミュニティシネマです。
ちいさなチケットカウンターに売店があり、これがまた素敵!
ポップコーンなどは無く、どら焼き(ぬれどら焼きが気になる…)とお茶が置いてあるこのセンス。筆者には魅力的なラインナップでした。
映画情報をチェック後、5階ギャラリーで開催されていたジュエリー作家・久富木原妙さんの個展にふらりと寄り道。七宝焼きや彫金の作品が並び、どれも繊細でいてエネルギーを感じる作品ばかり。
モデルさんは帯留めに注目していました。しばらく美術館にいるような優雅な時を過ごせました。
[基本情報]マルヤガーデンズ
住所:鹿児島市呉服町6-5
電話:099-813-8108
営業時間:10:00〜20:00(各店舗による)
駐車場:有り(有料)
灰が止んだようなので、再び外へ。なんとそこで、大島紬を着ている友人に遭遇!彼は着付けはもちろん、着物を自作するほど紬に魅せられているそうです。そんな彼としばらくご一緒する事にしました。
掘り出し物いっぱいの露店はチェックするべし!
今朝通りがかった時は準備中だった露店が気になったため、天神おつきやぴらもーるに戻ります。干し芋、米、お茶など、鹿児島の名産品が出店されていました。
そんな中なんと、大島紬の露店も!引き寄せでしょうか?そして、見間違いでしょうか?50万円の大島紬が5万円で売られていました…。
聞けば店を閉めた反物屋さんが「若い人にも大島紬を着てほしい」との想いで倉庫に仕舞っていた新品や、訳ありのものを安価で販売をしているそうです。中には値段が1万円を切るものも!これには紬好きの2人も熱心に品定め。
大島紬は3代着られると言われるほど丈夫なので、鹿児島では各家庭で探せば祖父母から受け継がれたものが1枚はあると言われています。
大島紬を天文館で掘り出すのも良いかもしれませんね。天文館周辺の通りでは週末ごとに露店が催されています。
最後に、照国町の鹿児島中央公園沿いに立つ西郷隆盛像前で記念写真。
銅像の真横側で写真を撮る人が多いようですが、実は少し離れた中央公園側がベストスポットです。西郷さんの愛犬ツンの隣で、手のひらに西郷さんを乗せて記念写真を撮ることができます。
[基本情報]西郷隆盛像
住所:鹿児島市城山町4-36
駐車場:無し
大島紬を着て天文館をさるく旅、いかがでしたか?
すれ違いざまに「みて!大島紬」「素敵ね〜」という声を多くいただきました。鹿児島では安価に購入できる巡り会いもあるので、大島紬に触れに鹿児島や奄美に訪れてください。
我々はまだまだ大島紬で散策を楽しみます。後半は薩摩藩島津氏の別邸仙巌園に向かいます。
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