体験
2019.10.18
奄美の女性たちの伝統「針突(ハジチ)」に想いをはせて。消えるタトゥーで体験しよう!
2018年のNHK大河ドラマ「西郷どん」。ドラマの中で二階堂ふみさんが演じた西郷どんの妻、愛加那の手の甲をみなさん覚えていますか?あの幾何学模様のような入れ墨はハジチと呼ばれ、当時の女性の誇りだったようです。
今回はそのハジチのような模様を、数日だけ身体に染め上げる体験を紹介します。
奄美伝統!ハジチとは?
奄美諸島から沖縄地方にかけて、古くから女性の手の指や甲、手首に「ハジチ(針突)」と呼ばれる入れ墨を施す習慣がありました。明治時代になって日本政府から禁止されたため、現在ではほとんど手にハジチを入れている人を見ることができませんが、数百年続いたようです。
女の子は成長すると片手に模様を入れ、結婚するともう片方の手にも入れました。ハジチには当時の女性たちの誇り、憧れ、願い、お守りなどの意味があったと言われ、本人にとっても家族にとっても誇らしいことでした。
そんな奄美の伝統にインスパイアされて、奄美大島で、消えるタトゥーを描いている女性がいます。メヘンディ「綾 針突(アヤ ハジチ)」のあやのさんです。
メヘンディとは、ヘナで肌に模様を描くことを意味します。わかりやすく「ヘナ・タトゥー」「ヘナ・アート」と呼ぶことも。身を守る力や幸せを呼ぶ力があるとされ、今でも南アジアや中東、アフリカなどでお祝いのときなどに入れる習慣があります。
ハジチをオマージュした「消えるタトゥー」
元々看護師だったあやのさんに、メヘンディをはじめたきっかけについて聞いてみました。
「看護実習のときに、奄美のご高齢の患者さんの手に施してあった入れ墨の模様を見たのです。
非常にびっくりしました。奄美の伝統のハジチの話は聞いたことはあったのですが、実物を見たのは初めて。とても印象に残りました。」
それから何年も経って、あやのさんは以前から興味があったメヘンディを習うことになり、看護師時代に見たハジチを思い出したそう。 昔の奄美の女性たちが施していたハジチをヘナで描いてみたくなり、ハジチのモチーフを自分なりにオマージュして描き始めました。
店名は、針突を唄った島唄「綾はぢち 突かし片手ささぐりば 天の白雲とたるごとに(=針突をしてその片手をさし上げると、天の白雲をとった気がする)」の綾はぢちと、店主の名前である綾乃を掛けて名付けたのだそう。
あやのさんが使う材料は、一般的によくヘアカラーなどに使われる「ヘナ」の葉や、「ゲニパアメリカーナ」というブラジルの果実のエキス由来の「ジャグア」から作ったペースト。
どちらも肌に優しい自然素材で、ヘナは茶色、ジャグアは濃い藍色に染まります。
肌の表皮を染めるだけなので、新陳代謝によって表皮が入れ替われば色も落ちます(個人差はありますが、だいたい1~2週間)。
白のヘナ・アートもあります。こちらは肌を染めるのではなく、ボディペイント用のインクで描くだけなので、2,3日で色が落ちます。
あやのさんが描く絵は、花・蝶・太陽・月・波など、おしゃれでナチュラルな模様がメイン。
ハジチの伝統文様のオマージュを手に描くのも、奄美らしくて人気です。
濃い藍色に染まる「ジャグア」を体験
実際にわたしも体験することに。今回はヘナではなくて、タトゥーのような濃い藍色がでる「ジャグア」のペーストで、腕に花と蝶を描いてもらいました。
30分ほどかけて完全に乾かします。ペーストが服などについたら、色が取れなくなってしまうので、乾きにくい場合はドライヤーなどを使って水分をとばします。
完全に乾いたら、石鹸を使って丁寧に洗い流します。
ペーストを落とすと、肌には薄っすらと模様がついています。
そして一晩おいた翌日、模様がくっきり浮き出てきました。 わたしの場合、10日間ぐらいこのままはっきりと色が残り、2週間を超えたらほとんどわからなくなりました。
おしゃれな絵なので、ちょっとしたアクセサリー感覚。特に女性の友人たちに大人気でした。本当のタトゥーだと思う人もいて、周りの反応がとても面白かったです。あまりタトゥーっぽくしたくない人は、茶色になる「ヘナ」がおすすめ。
本人を守り、幸せを呼ぶメヘンディ
あやのさんは、メヘンディを体験する女性の心が少しでも安らぐように、幸せがくるように、と心を込めながら絵を描いているそうです。
臨月の妊婦さんにも人気。元気な赤ちゃんが生まれてきますように、安産でありますように、という祈りをこめてメヘンディを施します。
女性限定の完全予約制。イベントでは男性への施術も
綾 針突のメヘンディは、女性限定で完全予約制。手の甲サイズの絵で約2,000円(税込)、ワンポイントで約500円(税込)ですが、描く絵の大きさと使うペーストの量によって価格は変わります。
予約は3,000円(税込)以上から受け付けています。複数名で合計3,000円でもOKなので、お友達と一緒に体験するのも楽しそうですね。
メヘンディは、島内でのイベントにも出店しています。イベント時には男性希望者も受け付けているので、カップルやファミリーで来るお客様も大歓迎。
イベント出店情報はFaceBookページにて随時お知らせしています。
奄美大島に来たら、伝統の針突文様やナチュラルな模様のメヘンディを体験してみてはいかがでしょうか。
[基本情報]
綾 針突(アヤ ハジチ)
・完全予約制 (女性のみ・Facebookメッセージにてご予約ください)
・イベント等随時出店 (イベント時は男性もOK)
イベント出店情報はFaceBookページをご覧ください
Ohana ヘナ*ハヂチ
*お支払いは現金のみ
*ヘナ・ペーストは作るのに数日かかるため、直前のキャンセルはご遠慮ください。
*肌の弱い方は事前にご相談下さい。
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