体験
2019.08.08
錦江湾の恵みを体感!目からウロコの「鹿児島魚類市場」見学ツアー
鹿児島魚類市場の見学ツアーに参加しました。
場所は鹿児島市の北埠頭。九州では1番、全国でも7番目に古い魚類市場で、このツアーでは錦江湾で獲れた魚の競りの様子や鹿児島の魚事情を学べます。
鹿児島の魚事情が楽しく学べる「お魚見学ツアー」
早朝6時45分に鹿児島魚類市場まで各自で現地集合。正門に到着するとオレンジのハッピを着た方が迎えてくれます。
今回は市内にあるホテル「南洲館」の責任者・橋本龍二郎さんが案内してくれました。このツアーは鹿児島のホテル業者7社が協力して立ち上げたプロジェクトなのだそう。とても気さくで笑顔の素敵な方です。早速橋本さんにお話を伺いました。
筆者:このツアー立ち上げのきっかけは?
橋本:鹿児島の人に、もっと魚のことを知ってもらいたいという思いで立ち上げました。鹿児島県民の魚介類消費率はなんと全国45位です。新鮮な魚が豊富にあるにも関わらず、これではもったいないと感じ、9年前からプロジェクトを始めました。
鹿児島では新鮮な魚が獲れるにも関わらず、鹿児島の魚の新鮮さは知っていましたが、消費率がそれほど低いとは驚きでした。鹿児島では畜産業も盛んなので、よりお手頃な肉を食べる傾向にあるようです。
市場では見学者用の長靴が貸し出しされており、消毒用マットを踏んで入場します。現場には鹿児島の魚に詳しい案内人と、通訳2名も加わります。ツアー参加者は海外からの観光客も多く、英語のサポートも完璧です。
それでは施設の中へ入ります。
活気ある競りの様子を見学!緊張感のある現場へ
競りが行われている現場では大きな声と競売の開始を知らせる鐘の音が響き、見学する私たちにも緊張が走ります。忙しなく動く現場の邪魔にならない範囲で、見学者は獲れた魚や競りの様子を写真におさめます。
案内人が競りのルールや動向について説明してくれます。
市場内にいる方は、身につけている帽子の色によって区別されているとのこと。
赤色:卸業者
青色:仲買人
黄色:レストラン関係者
帽子の色を認識してから見学すると、それぞれの動きが分かりやすくなります。ちなみに見学者は緑の帽子を被ります。
鹿児島の魚についても説明があります。
キビナゴという、鹿児島近海で獲れる小さな魚。売られているものは大きさが揃っています。
「全て同じマス目の網に引っかかったものを収穫します。穴より小さいものはすり抜けていく仕組みです」なるほど。そんな工夫があったんですね。
鯵は手で触るだけでも火傷してしまうので、全く手で触れることのない1本釣りの方が値段が高いようです。
他にも、通常刺身で食べられない鯖は、鹿児島では首を折ることで鮮度を保ち刺身で食べられることなど、普段何気なく食べている魚について教えてもらい、勉強になることばかりでした。
鳥の鳴き声が響く港へ
外に出て、港の様子も見せてもらいます。落ちた魚を狙って鳥がぐるぐると頭上を飛んでます。
興味深いのは氷の買い方。
購入するキロ数を書いた紙をロープにつなぎ、氷のある2階までロープをあげます。しばらくすると氷がパイプから流れてくるので、こぼれないようにフォークリフトで箱をバックさせたり、揺らしたりと、鮮やかな運転を見せます。見学者から自然と拍手が起きました。
こちらの梱包された大きな箱には、マグロが入っています。
鹿児島のマグロ漁獲量はトップクラスで、農林水産省の発表ではミナミマグロの漁獲量は全国1位、キハダマグロとカジキ類は全国2位を誇ります。今朝漁獲されたマグロは築地へも出荷されるようです。築地で有名なマグロは鹿児島からのルーツもあるんですね。
最後に、加工された魚を業者が買い付ける現場へ入りました。切り身になった魚やかまぼこが並んでおり、「つけ揚げを2箱ちょうだい」とのやり取りが聞こえます。
つけ揚げとはさつま揚げのことで、魚をすり身にして揚げた鹿児島の特産品です。ここではつけ揚げの試食が振舞われました。身が詰まっていて食べ応えがあり、ほんのり甘くジューシーです。
迫力のマグロ解体ショー!嬉しいマグロの試食付き
マグロが漁獲された日には解体ショーが見学できます。「魚を身近に感じてほしい」との想いで、見学ツアーに合わせて水産業社が好意で実施してくれているものです。作業台に大きなマグロが乗せられ、ザクザクと包丁が入り、鮮やかな包丁さばきに感嘆の声が上がります。
あっという間にさばかれたマグロは綺麗な赤身をしていました。その後はお待ちかねのマグロの試食の時間です。
口に入れるととろける甘さ。臭みは全くありません。さすが新鮮なマグロ!筆者が食べたマグロの中で過去最高のおいしさでした。さばいてくれた業者さんにお礼を言って見学は終了。ツアーの所要時間は1時間ほどでした。
施設を出る前に少し興味深いものを見つけました。
お地蔵様と水神様が祀ってありました。仏教と神道、どちらの宗派でも参拝できるように、並んで祀ってある珍しい光景です。
今日の見学のお礼と、海の恵みへの感謝の気持ちを込めて参拝しました。海外の見学者は参拝の仕方にも興味を持っていたようです。
ここで解散となりますが、もう一つの楽しみは朝食です。魚類市場に隣接する食堂では新鮮な魚を食べることができます。
見学のあとは市場の食堂で新鮮な朝食を
筆者は新港食堂で寿司定食をいただきました。その日に水揚げされた魚だけあって、鮮度が違います。
一般客に人気なのはやはり海鮮系ですが、現場で働く業者のために通常の定食メニューも豊富です。
アジフライ、貝汁定食も人気だそうです。
食堂は早朝から開店しており、食事だけでも楽しめます。
今日のツアー参加者は満席の14名。大変人気でしたが、「もう少し受け入れたいところですが漁連の職場にお邪魔する立場なので、兼ね合いを考えています。工事中の施設が完成したらもっと良くなると思いますよ。」とのこと。早めの予約をおすすめします。
ツアーを終えて朝食が済んでもまだ朝の9時。1日はまだこれからです。漁類市場を見学してから目の前にある桜島に渡るのもいいですね。早起きの特権が味わえる鹿児島漁類市場ツアーに出かけてみませんか。
[基本情報]鹿児島魚類市場
住所:鹿児島市城南町37-2
電話:099-223-1310
駐車場:あり(無料:朝10時からの開放)
かごしま魚市場ツアー
開催日:毎週土曜日
料金:大人2,000円、子ども(小学生まで)1,000円
見学予約・問い合わせ:http://k-fishmarket-tour.com/
新港食堂
住所:鹿児島市城南町37-37-5
電話:099-224-4654
駐車場:あり(無料:朝10時からの開放)
営業時間:5:00〜15:00
定休日:日曜日
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