皆さん、砂に埋められたこと…ありますか？

鹿児島県民なら「ある」と答える人が多いでしょう。

指宿市（いぶすきし）山川町の伏目海岸に面した地元でも有名な「伏目温泉」があります。今回は、その伏目温泉を利用した天然の砂むし場「砂むし温泉 砂湯里」を紹介します。

砂むしとは、およそ300年前からある入浴法です。地面の下を高温のお湯が流れ、海へと放出されているため、砂浜が温かいのです。時折、浅瀬の海から湯気が出ているのが確認できます。

砂の重さに包まれることにより、血液の循環が進み、老廃物や発痛物質を排出する効果を期待できるそうです。「砂むし温泉 砂湯里」の泉質は、塩化物泉。源泉温度は102°Cです。

さっそく「砂むし温泉 砂湯里」へ！砂むし専用の浴衣に着替えて下着はつけない

まずは、内風呂の脱衣所にて下着をつけずに砂むし専用の浴衣に着替えます。貴重品は鍵付きの無料ロッカーを利用してください。砂むし場は写真撮影OK。カメラや貴重品を持ち込みたい場合は、専用のバケツに入れて持ち運べます。

砂場に着くと「はーい。何名様ですかあ！？」と元気のいい声で砂場係のおじちゃんが手を挙げて迎えます。砂場には「砂場係」の方がいて、その都度、最適な砂場を選んで穴を掘ってくださるのです。

砂場で仰向けに寝るために頭の下に敷くタオルが必要です。タオルは別途200円で販売中。タオルを持参でもOKです。

すぐに背中側がホッカホカに！砂場係の方が、ザクッ ザクッと身体の上に砂をかけ始めます。砂がかかる瞬間からその感覚にびっくり。しっとりと暖かい砂が隙間なく身体を覆い、ズシッとした重みに驚きました。

それから間もなく「ドクンドクン…」と自分の血流の感覚がわかるのです。

砂の重みに驚く！じんわりと身体が暖かくなり、その気持ち良さに癒される

まさに、自分が蒸されている状態。砂むしの入浴時間は、約10〜15分がおススメ。2〜3分で顔から汗が噴き出します。全身で感じる地熱が、大地からパワーを貰ってるような感覚。

聴こえるのは波の音だけ。目の前に広がるのはゆったりと空を泳ぐ雲。そんな景色を眺めていると、まるでこの世には自分1人しかいないような錯覚に陥ります。大地に包んで貰ってるようで自分が小さく思えるんです。

波の音を聞きながら、気持ちのいい眠りに誘わて

つい最近、免許更新を忘れて自動車免許を失ってしまったこと。若者に混じって自動車学校に通い直したこと。行く先々で車に初心者マークをつけてることを不思議がられたこと。

そんな大変なことも、どうでもよくなって汗と一緒にデトックス！

そろそろ熱くなってきたかな？と思ったら、砂場係の方が温度調節をしてくれます。

「例えば熱ければ、この辺りの冷たい砂をかけます」

と長年勤めるおじちゃんが教えてくれました。筆者の写真も撮ってくださり、密かに感心したのは、どのスマートフォンやカメラも使いこなしてること！頻繁に撮影を頼まれることが伺えます。

おススメは、波打ち際での砂むしだそうですが、潮が満ち始め、近くなる波音を聞くと「波がかぶるのでは？」と、ちょっぴりスリリング！もちろん、当日の潮の状態で適切な砂場を案内されるのでご安心を。

ポツンと立つ時計が時間の流れを止めてくれる

もう限界だ！と砂を掻き分けて砂から出た瞬間、ひんやりとした潮風が気持ちいい。そのまま砂を払って内風呂へと入りました。

先程まで重い砂をかぶっていたこともあり、身体が軽い！スッキリしました。「毒素が出たぞー」っと身体も心も喜んでいるよう。デトックス効果も期待できるそうですよ。

こちらでは石鹸、シャンプーは使えません。海と繋がっている場所なので、自然環境のために洗剤が流せないのです。まだ未体験の方は、ぜひとも砂むし温泉を経験してほしいです。

疲れた身体をリセットしてください。

帰りには、地熱を利用したゆで卵とサツマイモが蒸されているのを発見。

ゆで卵の黄身はしっとり、サツマイモはホクホクしていて、まさに地熱の恵み。春には玉ねぎ、夏にはトウモロコシ、季節の野菜を蒸してあるそうです。

隣接する「たまてばこ温泉」では、通常の温泉通り、石鹸を使えます。砂むし後は、絶景の露天風呂もお楽しみください。セットの入浴券で購入するのがおススメです。

 

［基本情報］
ヘルシーランド 砂むし温泉「砂湯里（さゆり）」
鹿児島県指宿市山川福元3339-3
0993-35-2669
営業時間：9:00〜17:30（受付は17:00まで）
定休日：年中無休
駐車場：あり
http://www.seika-spc.co.jp/healthy/

［料金］※レンタルバスタオル付き
砂むし＋たまて箱温泉セット：大人（中学生以上）1,130円、小人（小学生以下）620円
砂むしのみ：大人820円／小人460円（浴衣貸出料込み）
タオル：200円で販売