観光
2022.02.10
福岡県 八女福島の伝統建築を散策する街歩きの旅(前編)
福岡県南西部に位置する八女(やめ)市。と言えば、思い浮かぶのは「八女茶」。お茶の産地として有名です。
八女は、16世紀末に郡領主筑紫広門が福島城を築城し、その城下町として栄えました。その後、17世紀の一国一城令により福島城は廃城となりましたが、その後も城下町は久留米から豊後に抜ける街道に沿う交通の要衝として、商業や手工業が発展してきました。
今は福島城は残っていませんが、八女市のなかでも城下町として栄えた「八女福島」地区には、江戸時代からの古い建物がたくさん残っています。その地域は「重要伝統的建造物群保存地区」(デンケン地区)として文化財保護法で守られ、住民の皆さんが大切に保存活動を行なっています。
わたしはレトロな建物が大好きなので、今回はそんな伝統建築が多くみられる「八女福島」地区を訪ねてみました。
目 次
博多から八女福島へのアクセス
今回は八女までは電車とバスで移動しました。まずは博多駅から新幹線で筑後船小屋駅まで行き、JR鹿児島本線に乗り換え羽犬塚駅まで移動。そこからローカルバスの「堀川バス」で「福島」というバス停で降りました。
車なら博多から九州自動車道経由で1時間ほどで八女福島に到着します。
街歩きは「横町町屋交流館」からがおすすめ
まずは、地元の情報収集ということで「横町町屋交流館」でお話を伺いました。案内の方は町の歴史にとても詳しいので、まずこちらに行くのがおすすめ。
この町の歴史、魅力とおススメのスポットなどを紹介していただきました。
[基本情報]八女市横町町家交流館
住所:八女市本町94番地
開館時間:10:00~17:00
休館日:月曜日(月曜日が休日の場合その翌日) と12月28日~1月4日
TEL:0943−23−4311
https://www.city.yame.fukuoka.jp/soshiki/3/2/2/1454652075903.html
伝統建築を利用した趣あるお店を散策
八女には、人が住まなくなった伝統的な建物をリノベーションしたお店や宿が点在しています。
「横町町屋交流館」のすぐ近くに「うなぎBOOKS 旧塚本邸」という本屋さんがあります。
キュレーターの方々のこだわりのセレクト本が揃った本屋さん。こちらでお気に入りの本を見つけて、宿でゆっくり読書三昧というのもおすすめ。
ここでは地域の町並み保存の歴史や取り組みを伺うこともできます。
「うなぎBOOKS」を運営する会社「うなぎの寝床」は、他にも古い建物を再生しての街並み保存など、大きな役割をになっています。
その一つが「うなぎの寝床 旧丸林本家」。20年間放置されていた3棟連結の町屋を、保存団体と行政、市民の方々で見事に再生させた場所です。モダンなモンペの専門店として色とりどりのおしゃれなモンペが並び、国内だけでなく世界中から注目されています。
モンペと言っても、戦時中のイメージのモンペではなく、今の時代に普通に街着として着られるおしゃれなモンペばかり。目から鱗でした。
こちらは「うなぎの寝床 旧寺崎邸」。中はカフェと雑貨、食器などのセレクトショップ。
ずらりと並ぶそのセレクト商品に唸りました。どの商品もこだわりが凄く、欲しくなるものばかり。デザインも環境への配慮も素晴しく、スタッフの方の一品一品に対する熱い解説がたまりません。
ネットショップもやっているので、是非ご利用を。
[基本情報]うなぎBOOKS 旧塚本邸
UNAGI BOOKS
住所:福岡県八女市本町120番地1
TEL:0943-24-6811
[基本情報]うなぎの寝床 旧丸林本家
UNA PRODUCTS
住所:福岡県八女市本町(モトマチ)267
TEL:0943-22-3699
[基本情報]うなぎの寝床 旧寺崎邸
NATIVESCAPE STORE
住所:福岡県八女市本町(モトマチ)327
TEL:0943-24-8021
上記3店舗とも
店休日:火・水 (祝日営業)
営業時間:11:00〜17:00
https://unagino-nedoko.net/
無料で見学できる古民家「堺屋(旧木下家住宅)」
お店や宿として利用せず、そのままの状態を無料で見学できる古民家「堺屋(旧木下家住宅)」もあります。
ここは、代々酒造業で栄えていた木下家の離れですが、靴を脱いで自由にあがって見学できます。建物の障子や欄間、床の間やトイレのタイルなど、あちこちが意匠を凝らした贅沢な作りとなっていて、栄えていた当時が偲ばれます。
[基本情報]堺屋(旧木下家住宅)
住所:福岡県八女市本町184
TEL:0943-23-7611
営業時間:10:00~17:00
定休日:月曜日・年末年始
タイムスリップしたかのような宿「Craft Inn手」
今回の八女の旅で宿泊したのは、九州の手仕事を体感する宿というテーマの「Craft Inn 手」の「和紙の部屋」。古い土蔵を改装した一棟貸しの宿で、土壁のぬくもりを感じる宿でした。
寝室は屋根裏となっている2階に。丁寧にリノベーションされた空間で心地よい時間が流れます。布団も今では貴重な手打ちの綿布団で、寝た時の沈み込み具合まで計算されたものらしく、この布団で寝る体験を楽しみに来訪される方もいるとか。
木桶のお風呂は、地元の伝統工芸の桶。桶職人に特注で頼んだそう。浴槽が桶そのものってびっくりしませんか?木の香りがよく、とても温まりました。
[基本情報]Craft Inn 手 [té] 旧丸林本家蔵(和紙の部屋)
住所:福岡県八女市本町267番地
TEL:0943-25-7577
受付営業時間:9:00~18:00(火・水曜を除く)
https://craftinn.jp/
八女の街歩き旅は「八女の伝統建築を散策する街歩きの旅(後編)」に続きます。
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