食事
2021.12.22
イワシ愛のあふれるイワシビルを訪ねる!鹿児島の港町 阿久根の旅
阿久根市は、鹿児島北西部にある人口2万人の小さな港町。ここに、地元鹿児島のみならず東京や大阪など他県でも話題になっているビルがあります。
その名も「イワシビル」。
一度聞いたら忘れられない名前ですね。私の友人の間でも話題にあがっていて、気になっていたので訪ねてみました。
目 次
話題のイワシビルとは?
イワシビルは「下園薩男商店」というイワシの丸干し屋さんの会社が経営しているビル。港町の阿久根では東シナ海のイワシがよく獲れるのです。
2017年9月9日にオープンし、1階はショップ&カフェ、2階は製品の製造工場、3階はホステルになっています。
鹿児島市内からイワシビルへ行くには
鹿児島の中心地、鹿児島中央駅から車で国道3号線・高速道路を経由して約1時間10分。電車では九州新幹線と肥薩おれんじ鉄道を乗り継いで阿久根駅まで約1時間5分。
阿久根駅からイワシビルまではタクシーで5分、徒歩で15分ほどです。
肥薩おれんじ鉄道の阿久根駅は、綺麗でおしゃれ!
九州新幹線などJR九州の車両デザインをしている水戸岡 鋭治さんがすべてデザインした駅舎だそうです。駅舎全体が雰囲気のあるお店のようで、わざわざ訪れる価値ありです。
イワシビルの1階はおしゃれなお土産パラダイス
さて、駅から徒歩15分ほどでイワシビルに到着。私はその名前から「イワシの形をしたガウディっぽいビル」を想像していたのですが、実際には古いビルをセンス良くリノベした店舗の前に、素敵なイワシのオブジェがありました。
1階はカフェ併設の明るくておしゃれなお店。下園薩男商店オリジナルのイワシやエビの加工品などをはじめ、鹿児島県内や九州などで作られたものが並んでいます。
かわいらしいお土産がたくさんあって、見ているとどれも欲しくなってしまいました。
店舗の商品は、どれもすべて下園正博(しもぞの まさひろ)社長やスタッフの方が現地に足を運び、どんな材料でどのように作っているのかを見て選んだものばかり。
それぞれの商品にストーリーがあります。お店に行ったらぜひ聞いてみてください。
下園社長に一番人気の商品を聞いてみました。それは、最初にオリジナル商品として発売された「旅する丸干し」シリーズだそう。
「旅する丸干し」はウルメイワシをいろいろなフレーバーのオイルに漬け込んだかわいらしい瓶詰。私も友人たちへのお土産に買ったのですが、大好評でした。
イワシビルの下園薩男商店は、1939年創業のイワシの丸干しの会社。今でも大手スーパーなどに丸干しを卸しています。
近年、イワシの丸干しを食べる人は年々減少気味で「丸干しのイワシを洋風にしたらどうだろう?」というアイデアを思いついた下園社長。仲間たちと何度も検討し、試行錯誤して「旅する丸干し」を商品化したのだそうです。
また、かわいいイラストつきの「はらぺこイワシ」も大人気。
獲れたての新鮮なウルメイワシを塩水につけてから3日間干して作っています。おなかが空っぽのイワシは苦みが少なく、噛んでいるとじわじわと口に広がってくるうま味がくせになります。
その他、タカエビの「焼海老辣油」やえのきを乾燥させた「濃いえのき」など、地元の食材を使ったものがいろいろあるので、お土産にぴったりです。
カフェスペースでは、人気のたい焼きが焼き立てで食べられます。阿久根産フルーツのジュースなどもあるので、小腹の空いたおやつタイムに寄るのもおすすめ。
お客様は、鹿児島や東京から旅行で来た女性や若い人が多いそうですが、地元の人もたい焼きや冷凍のイワシを買いに来ていて、ほのぼのとした雰囲気でした。
2階ではイワシ商品の製造風景が見学できる
2階の工場では、1階で売られているオリジナルの製品を作っています。
この日は、ちょうど「旅する丸干し」の製造中。丸干しを同じ大きさに切って平らに並べ、オーブンで焼いているところでした。
工場は、窓越しに誰でも予約なしで見学することができます。
製造作業を見たかったら、午前中がねらい目。開店と同時にまずは工場を見学するのがおすすめです。
3階はリーズナブルなホステル
工場のさらに上は、おしゃれなホステル。
こちらも1階のショップと同じ明るいおしゃれなテイストのインテリアでまとめられています。
ホステルですが、ベッドはすべて個室。天井近くがオープンになっているので、完全な個室ではないのですが、プライバシーはバッチリ守られ、ゆったり過ごすことができます。茶室のように小さなドアの入口がかわいらしいですね。
料金はホステル価格なので、とてもリーズナブル。鹿児島からちょっと足を伸ばして一泊するのもおすすめです。
また、ホステルに泊まった人だけのお楽しみとして、イワシの朝ごはんを予約して食べることができます。
この朝ごはんが絶品!中央にあるのは脂ののった新鮮なマイワシを2時間だけ干してさっと焼いたもの。カリッとした皮の内側のしっとりふんわりした身がたまりません。この朝ごはんを食べたいがために泊まる人もいるとか。
阿久根漁港でイワシの水揚げを見学
イワシの水揚げが見たくて、下園社長に早朝の阿久根漁港に連れて行ってもらいました。
棒受網(ぼううけあみ)と呼ばれる漁法で行われる漁の漁場はここから2-3kmの沖合い。漁を終えた漁船が次々に漁港に戻ってきます。
この日は、ウルメイワシ、マイワシ、カタクチイワシなどのイワシと、ムロアジ、トロアジなどのアジがたくさん揚がっていました。
漁師さんたちの邪魔にならないように注意しながら見学します。
船からどんどん魚が揚げられ、そこで待っていた漁師さんやおかみさんたちが大きさ、種類別に手で分けて箱に入れていきます。
箱に入れられた魚は、買い付けにきた業者さんたちのせりにかけられ、買われていきます。
獲れたてのイワシは青く光ってピカピカ!とても綺麗です。
ここの港には、他にも鯛や地元名産のタカエビや芝エビ、赤ウニなどが揚がるそうです。
見学する場合は、漁師さんたちに挨拶しながら、仕事の邪魔にならないように見学しましょう。
こんな顔出しパネルもあって、イワシ愛のあふれるイワシビル。鹿児島まで来たら、少し足を伸ばして阿久根まで行ってみませんか?
[基本情報]イワシビル
住所:〒899-1626 鹿児島県 阿久根市鶴見町76
TEL:0996-73-3104
駐車場:あり
営業時間(ショップ・カフェ):
平日/11:00~17:00
土日祝/11:00~18:00(ラストオーダー 17:00)
URL:https://iwashibldg.jp/
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