イベント
2020.04.23
白熱の臨場感!一度は体験したい徳之島名物「闘牛観戦」
みなさんは、闘牛を観たことがありますか?
闘牛というとスペインの闘牛のイメージがあって、牛も闘牛士も命をかけて戦う、ちょっと残酷なものと思う方も多いかもしれません。
ところが、徳之島の闘牛は違います。牛と牛が戦う牛同志のお相撲のようなものなので、子どもから大人まで誰もが楽しめるイベントなのです。
知り合いが家族連れで闘牛を楽しんできたと聞き、私も観たくなって、さっそく奄美大島からお隣の徳之島へ飛びました。
徳之島へは、私が住む奄美大島からは飛行機で30分のフライト。フェリーでも(奄美大島の名瀬港から徳之島の亀津港まで)約3時間です。
「全島一」を決める大きな闘牛大会へ
空港でレンタカーを借りて、早速闘牛会場の伊仙町「しまなくさみ館」へ。海を眺めながら約1時間のドライブです。
徳之島の闘牛は、大きな大会がお正月・ゴールデンウィーク・10月の年3回開催され、この時に徳之島で一番強い「全島一」を決める試合が行われます。そのほか、小さな大会は年に20回ほど開催されています。さすが、闘牛の島ですね。
わたしは、お正月の試合を観に行きました。
この日、試合開始は13時から。ぎりぎりに着くと「しまなくさみ館」の駐車場は既にいっぱい。係員の誘導に従って指定の場所に駐車します。
チケットを予約する必要はなく、会場入り口前のテントで入場券(3,000円)を買ってプログラムをもらい、会場に入ります。
会場正面には「闘牛入退場口」。なんだかワクワクしてきます。プロレスみたいです。
観客は、その横の「観客出入口」へ。
場内の熱気はさすが闘牛の島
試合会場は既に超満員。
立ち見もいっぱいで、見る場所を探すのに苦労するぐらいです。家族連れも多く、アナウンス席近くの最前列には、子ども達が集まっています。
ただ、目的の試合が終わると帰る人もいるので、待っていればどこかに座れる確率は高い様子でした。
場内は飲食OK!場内や場外に売店もあります。
試合のプログラムが、文字といい色使いといい、なぜかやはりプロレスを連想させます。
闘牛は牛の大きさにより、ミニ軽量級・軽量級・中量級・1t以上の無差別級に分かれていて、その中でそれぞれ優勝を目指して試合が行なわれます。
試合の形式は相撲の取り組みに似ています。東と西に分かれ、幕下や小結のようにランク下から対戦し、最後に横綱同志の戦いになります。
いよいよ牛が入場!
牛の名前を読み上げるアナウンスが響き渡ります。次に入場するのはどんな牛か、育てているのはどんな人か、何度目の出場か、などの説明とともに、勢子(せこ)に先導された牛が登場。
勢子は試合の間、そばに立って牛をけしかけたり応援したりして牛の闘志に火をつける闘牛士。牛と一心同体で戦います。
2頭の牛が入場し、頭を合わせると試合スタート。勢子が傍らで牛に声をかけながら応援し、頭で行う牛同士の押し相撲。体重を掛け、グイグイ押し合います。
アナウンスの解説によると、押す方向や突き上げなど色々得意技があるようです。
牛の角と角がぶつかると、「コーン」と鈍い音が響きます。大きな体で押し合ったままリングの柵まで行ったり、角を突き合わせたままいきなり2頭とも走りだしたり。見ているだけでハラハラドキドキします。
超満員となったスタンドからは、勝負が決まるたびに指笛、拍手、大歓声!場内の熱気もすごいのです。
白熱した試合が続き、経過時間のタイマーが時を刻みます。
どちらかの牛が相手に背を向け、戦意を喪失して逃げたら負け。一旦、背を向けてもすぐに再び向かっていけば試合は続行です。
なので、試合一つ一つの時間が全く読めないのです。あっという間に終わる試合もあれば、何十分も続く試合もあります。
勝負がついたあとも面白い!応援団のお祭り騒ぎ
勝敗が決まると、「ウオー!」という大歓声とともに、勝った牛の応援団が場内になだれ込みます。そして、牛に化粧まわしをかけ、牛の周りで踊り始め、まるでお祭り!
そして、オーナーの家族や関係者が牛に乗り、「ワイド!ワイド!」の掛け声とともに大盛り上がり!
家族のように世話をしてきた牛だからこそ、勝った時のうれしさはひとしおなのでしょう。
応援団はお揃いのはっぴを着ていたり、牛の名前の入ったのぼりを持っていたりして、それぞれのカラーがあって華やか。この盛り上がりを見るのもまた楽しいです。
牛の散歩は徳之島の日常風景
闘牛の牛は、とても大事に育てられています。 普段は試合に向けてトレーニングを行ない、鍛えるために散歩をさせています。
夕方ぐらいになると、島のあちこちで、徳之島の人たちが牛を散歩させている姿を見ることができます。子ども達が牛を散歩させていることも多く、子ども達の仕事にもなっているようです。
とても大きな体の牛なのに、おとなしく飼い主と歩いている様子はまるで犬の散歩のよう。とても微笑ましくてかわいらしいです。これも徳之島の特徴的な風景のひとつですね。
闘牛の島、徳之島では、町のスーパーで売っている豆腐にも闘牛のイラストが。日持ちしないと思っても、お土産に買って帰りたくなる悩ましさ。食べると強くなれそうです。
闘牛は、島の人たちの厳しい労働の合間の娯楽として古くから徳之島に続いてきて、約400年の歴史があると言われています。
試合のない時には、しまなくさみ館の資料室で、闘牛の様子のビデオや歴代の全島一の牛のストーリーなどを知ることができます。
島じゅうの人が盛り上がる徳之島の闘牛。この臨場感を味わいに、熱い島に行ってみませんか?
【ご注意】
2020年度の闘牛大会は、新型コロナウィルスの感染防止のため、3/15以降は中止となっています。次回開催については、徳之島闘牛連合会(電話:0997-83-4111)にお問い合わせください。
[基本情報]徳之島なくさみ館
住所:鹿児島県大島郡伊仙町目手久626
管理者:伊仙町きゅらまち観光課
電話:0997-86-2093
駐車場:有り
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