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食事

2019.12.16

臭くない!ヤギの聖地「喜界島」のおいしい山羊料理を食べて元気になろう

今、全国でジビエがブーム。「ジビエ」とは狩猟などで採集された天然の動物の食肉を意味する言葉です。ヤギは飼育されているので、正確にはジビエではないのですが、ジビエブームに乗って、ヤギ料理も人気上昇中です。

私の住む奄美大島でも、お祝いの席などで「ヤギ汁」という味噌味のスープが出ることがありますが、かなりの臭いがあります。ところが、お隣の喜界島では臭くない美味しいヤギを食べることができると聞いて、喜界島へ飛びました。

ドライブ中に見かけるヤギは野生?

喜界島は一周が約40kmなので、1時間半ほどあれば車で一周できます。

運が良いと、途中の海岸などで放牧しているヤギたちに出会うことができます。
特に囲いもしていない場所で自由に歩き回っている姿は、まるで野生のようですが、実は放牧中。喜界島には野生のヤギはいないそうです。

まずは「茶屋」で山羊料理のランチを食す

山羊 料理 奄美 喜界島

最初はランチが美味しいと評判のレストラン「茶屋」を訪問。島の内陸、サトウキビ畑が続く「川嶺」という集落にあります。山羊 料理 奄美 喜界島

まずは、ヤギのすき焼き定食(1,200円 税込 小鉢・サラダ・漬物・ソフトドリンク付き)。
ヤギ肉・野菜・豆腐が甘辛い醤油味で煮込まれた、やさしい味わいの一皿。ヤギ肉が入っているのに、全然臭くありません!これにはびっくり!本当にヤギ?と思ってしまうぐらいです。

ヤギ肉はほぼ赤身なので、とってもあっさり。これは女子にぴったりのヘルシーメニューです。

山羊 料理 奄美 喜界島

次はヤギ カラジュウリ定食(1,200円 税込 小鉢・サラダ・漬物・ソフトドリンク付き)。
「カラジュウリ」という料理を見たのは初めてでしたが、喜界島では代表的なヤギ料理とのこと。ヤギの内臓と血と野菜を甘辛い味付けで炒めた、コクのある料理です。

いかにもスタミナ料理に見えるのですが、これも臭みはわずか。ただ、いろいろな部位の内臓が入っているので、全く臭みの無いものや、噛んでいると次第にヤギの匂いが出てくるものまで様々です。

山羊 料理 奄美 喜界島

カラジュウリの作り方を店主の諸岡 春美(もろおか はるみ)さんに教えていただきました。

「カラジュウリは、まずヤギの内臓をじっくり煮込んで柔らかくします。そこにヤギの血を入れ手早くからめて味付けし、最後にキャベツやニラなどと炒めて出来上がり。手間のかかる料理なのです。」
内臓を使う料理なので、やはり最初の下処理に手間がかかるようです。

「島の人は、夏バテした時や元気のないときに、精をつけるためにヤギを食べるのですよ。」
と諸岡さんもおっしゃるとおり、疲労回復に効果があるのが通説。臨月の妊婦さんが食べるとお産が早まるともよく聞きます。

奄美大島で山羊料理というと「ヤギ汁」が定番ですが、茶屋さんには、ヤギ刺・ヤギ汁うどんもありましたよ。

夜は「天晴」で、山羊料理と島料理

山羊 料理 奄美 喜界島

夜は喜界空港近くの賑やかな「」という集落にある居酒屋「天晴(あっぱれ)」を訪ねました。

山羊 料理 奄美 喜界島

まずは、ヤギ刺し(750円 税込)に初挑戦。
冷凍してあり、冷たくてあっさりとした身が美味しいです。脂身がほとんどないので、馬肉や鹿肉、あるいはマグロのような、まさに赤身の味わい。地元の黒糖焼酎と相性バッチリです。噛んでいると皮の部分からほんのりヤギの匂いを感じますが、全く気になりません。

山羊 料理 奄美 喜界島

続いては、カラジュウリ(900円 税込)。
レシピはお店や集落によっても微妙に異なると聞いたので、こちらでもカラジュウリを頼んでみました。茶屋さんのカラジュウリはガツン系でしたが、天晴さんのはまろやか系。また異なる味でおいしいです。

以前に来たことがある同行者の勧めで、お店側にお願いして赤ワインとバケットを持ち込みさせていただきました。内臓と血ということで重めの赤ワインと相性抜群です。

山羊 料理 奄美 喜界島

島料理も頼んでみました。こちらはサクナーの天ぷら(600円 税込)。
喜界島の海岸に生えている薬草「サクナー(学名:ボタンボウフウソウ)」の新芽の天ぷらはレモンのような風味で香り豊か。人気メニューです。

山羊 料理 奄美 喜界島

油そうめん(550円 税込)。
喜界島の油そうめんは、あまり具は入れず、茹でた素麺をたっぷりのいりこ・鰹の出汁と焼いた油に絡ませてあります。シンプルながらも出汁の味がとても美味しい一品。

山羊 料理 奄美 喜界島

このほかにもヤギの皮の酢の物、スープなどの山羊料理や地魚のお刺身盛り合わせ、夜光貝の塩コショーあぶりなどの地物のメニューもありました。喜界島ならではのお料理を楽しめます。

喜界島のヤギが臭くない理由

山羊 料理 奄美 喜界島

なぜ喜界島のヤギは臭くないのだろうと思い、最後に天晴のお店の方に聞いてみると、こう教えてくれました。

「喜界島のヤギは、海辺に生えているボタンボウフウ(別名:長命草)などの薬草を食べているので、臭くないのですよ」

そういえばドライブ中に見かけたヤギたちは、確かに海岸の近くにいました。

ヤギは痩せている土地や荒地でも草を食べて生きていくことができます。昔、奄美・沖縄地方では家畜としてどの家でも山羊を飼い、農繁期の後など年に数回、栄養補給源や滋養強壮食として食べられていたそう。

しかもヤギは、捨てるところがないといわれており、肉・内臓・骨・血液に至るまで、全ての部位を余すことなく料理に使います。尊い生命に感謝して、島民は無駄なく頂いてきました。

 

現在でもヤギは島民にとって貴重な滋養強壮食。実は取材日は疲れがたまっていたのですが、ヤギを食べたら翌日には噂どおり元気になりました。

みなさんも疲れたとき、元気が欲しいときに、喜界島においしい山羊料理を食べに行ってみませんか?

  [基本情報]
茶屋
住所:鹿児島県大島郡喜界町川嶺1149(喜界空港から車で約10分)
電話:0997-65-4222
営業時間:11:00~14:00(ラストオーダー13:30)
       17:00~22:00(ラストオーダー21:30)
定休日:月曜日
カード:可
駐車場:あり

和食厨房 天晴(あっぱれ)
住所:鹿児島県大島郡喜界町湾203-5(喜界空港から車で約2分)
電話:0997-65-3188
営業時間:17:00〜23:00(ラストオーダー22:00)
定休日:月曜日
カード:不可
駐車場:あり

勝朝子
この記事を書いた人勝 朝子
東京出身。2012年から奄美大島と神奈川県湘南エリアとの二拠点居住。 奄美の自然・文化・人が大好きな私には、島は日々発見の宝庫!隅々まで探索中です! このライターの記事一覧

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