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2019.03.25
天孫降臨の地、鹿児島と宮崎で日本神話を感じよう!南九州のパワースポット霧島六社権現巡り【後編】
鹿児島と宮崎の県境にある霧島山は、古事記や日本書記に書かれた天孫降臨の舞台となった山です。その霧島山を囲む神社六社を巡る「霧島六社権現」の後編記事です。
続日本書紀に名前が記されている霧島岑神社と夷守神社
宮崎県小林市にある霧島岑神社(きりしまみねじんじゃ)は、霧島山の噴火により社殿が消失し、当時、ひなもり神社が置かれていた夷守神社(ひなもりじんじゃ)と合祀しています。そこで、この神社で2つとカウントされます。
続日本記に、「平安時代に霧島岑神社が官社に預かり」といった内容が記載されているほど古い歴史を持つ神社です。
参道には仁王像が鎮座し、すぐ先に見える鳥居は何か神秘的なものを感じさせ、思わず足を止めてその場にたたずみたくなります。ピンッと空気が張り詰めた静寂さが身を引き締めてくれます。煌びやかさはありませんが、格式の高い神社です。
注意点は、Googleマップなどのナビが違う場所を案内すること。
筆者も間違えたひとりです。その場所まで行くと、正しい道案内の手書きの看板があり、宮司さんのお心遣いを感じます。問い合わせが多いことから、宮司さんが自ら看板を作成し、案内を設けたそうです。とても穏やかな話し方をされる宮司さんでした。
「恵の湯 神の郷温泉」を目指すと、間違えずにたどり着きます。途中通りかかる千本桜の桜並木も見ものらしく、春にまた訪れたいと思える場所でした。
[基本情報]霧島岑神社/夷守神社
主祭神「ニニギノミコト」
宮崎県小林市細野4937
0984-23-3364
アクセス:宮崎小林ICより車で25分、鹿児島空港から50分
5カ所目の霧島六社権現!宮崎県の東霧島神社へ
筆者の個人的な感想ですが、六社の中で1番インパクトのある神社が、この東霧島神社(つまきりしまじんじゃ)でした。霧島山の東の端っこに立っており、端っこのことを「つま」と言うため、「東」と書いて「つま」と呼ぶようです。
まず、鳥居に臨在する鬼にびっくり。ビビリの筆者は少したじろぎましたが(鬼が結構大きい)この鬼には伝説があります。
ここは、鬼が一夜で積み上げたといわれる999段の鬼岩階段です。
鬼が姫を嫁に貰おうと交渉したところ「一晩で1000個の岩を積み上げたら」と条件を出された鬼が積み上げた「鬼岩階段」なのです。姫を鬼に取られぬよう、村人の知恵で999個の時点で阻止することができたという伝説があります。
登るのは少々大変ですが、登り切ったあとの清々しさは爽快!願いごとを唱えながら決して振り向かずに登り切ると願いが叶うそうですよ。
そして、もう一つの伝説として知られる「神石」です。
真っ二つに割れた大岩。「十握の剣」で切ったと言われていますが、「はるか昔に、どうやったらこんなに綺麗に岩が切れるんでしょうね?」と3代目の宮司さんもわからないそうです。伝説になぞらえながらの参拝が興味をそそる摩訶不思議な神社です。
[基本情報]東霧島神社
主祭神「イザナギノミコト」
宮崎県都城市高崎町東霧島1560
0986-62-1713
アクセス:JR吉人線 東高崎駅より徒歩10分、鹿児島空港から60分
南九州のパワースポット「霧島六社権現」を巡ってみて
今回、各社の宮司さんにお話を聞かせてもらいましたが、それぞれの各社想いを聞くことができ、いつもの参拝とは異なる楽しみ方ができました。
かつては、テレビで「ここが日本で1番のパワースポット」と紹介され、地元の参拝者が参拝できなくなる事態まで起きたそうです。「どの神社にも神秘は備わっているのだから、本来の目的がおざなりにならないようにしたい」と語る宮司さんや「今のニーズに合ったお迎え方をしなければならないと思う」と語る宮司さんも。
共通することは「是非、身を清めて清々しい気持ちになって帰っていただきたい」といった想いのようです。宮司さんを見かけたら、お話を聞いてみるのも面白くて勉強になりますよ。
「皆さん、御朱印の字が綺麗ですが、練習してるのですか?」という筆者の疑問にも「毎日書いているので練習になっているのかもしれませんね(笑)」と答えてくださいました。身も心も癒された霧島六社権現でした。
ぜひ、鹿児島と宮崎の霧島六社権現で神秘を体感してください。
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