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食事

2022.01.28

釧路の飲み屋街にひっそりと佇む喫茶店。コーヒーとお菓子の店「喫茶ボロンジ」

釧路の飲み屋街にひっそりと佇む喫茶店。コーヒーとお菓子の店「喫茶ボロンジ」

釧路駅から北大通を南に歩くこと約10分。釧路川のほとりに、釧路一の飲み屋街「末広町」はあります。現在、昼間の人通りはまばらですが、高度成長期は昼夜を問わず人で溢れる繁華街でした。1960年代には映画館や洋風の喫茶店が次々に建てられ、当時の釧路の人々を魅了しました。

いなり小路

末広町の一角にある「いなり小路」はその昔、赤提灯をぶら下げた飲み屋や飲食店などがひしめきあっていましたが、目印だった看板も今はもう姿を消しました。

喫茶ボロンジ

そんな「いなり小路」の跡地に「喫茶ボロンジ」はあります。剥き出しの電球と薄緑色の壁がどこかレトロで、つい引き寄せられてしまいます。

馴れ親しんだ釧路の町で、自分のお店を

喫茶ボロンジ

「いろいろな方と出会いたくて、飲食店をやろうと思い始めました。」と話す店主。末広町でバーを経営していた友人の手伝いをしているうちに、そのままお店を任され、若くしてオーナーになることに。その後、都市再開発でお店が取り壊されるまで、10年間1人で切り盛りしていました。

バーを閉店した後、違う仕事をしてみようと試みましたが「店をやること」が一番向いているんじゃないかと思い、改めて店を開くことに。その後、すぐに今の物件と運命的な出会いをし、2017年に「喫茶ボロンジ」は始まりました。

バーの元常連のお客様に「夜遅くにコーヒーが飲める店が減ってしまった」と言われたこともあり、夕方から夜遅くまで営業するスタイルにしました。初めは飲み帰りのお客様が多かったそうですが、今ではランチの後や仕事帰りの一息つきたい時間帯などに、幅広いお客様がコーヒーやお菓子を目当てに訪れます。

店主の好きが散りばめられた「隠れ家風」の店内

店主の好きが散りばめられた「隠れ家風」の店内

奥に細長い造りになっている店内は、1階にカウンター席2席とテーブル席1席、2階はソファ席1席のみ。コンパクトな造りの店内なので、1〜2名の少人数での来店がおすすめです。

オレンジ色の温かい照明に包まれて、どこか懐かしく落ち着く雰囲気。心地よく流れる音楽とともに、ゆったりとコーヒーを味わえます。

店内のあちこちにある本棚

店内のあちこちにある本棚には、店主おすすめの本や漫画、雑誌がずらりと並びます。 「お客様が普段、自分では選ばない本を選んで楽しんでくれたら嬉しいですね。」と話す店主。

小説、旅雑誌、エッセイとジャンルもさまざまなので、掘り出し物の1冊が見つかるかもしれません。

コラージュの壁

一際目を引くコラージュの壁は、釧路で活動するアーティスト、アサノユウスケさんの作品。壁の中央には、店主がデザインしたコーヒー豆がモチーフの「喫茶ボロンジ」のロゴがあります。

以前経営していたバーの壁に貼られていた、たくさんのポスターがコラージュされた作品は、アサノさんの個展に行った際に譲り受けたんだそう。バーと喫茶店の歴史が詰まった唯一無二の作品に、思わず見入ってしまいます。

この壁を見たバー時代のお客様と、思い出話に花が咲くこともあるそう。「前の店を知っている人も、知らない人も楽しんでもらえるこの壁は特別ですね。」と店主は言います。

たっぷりコーヒーと手作り焼き菓子でほっと一息

たっぷりコーヒーと手作り焼き菓子でほっと一息

オリジナルブレンドコーヒー500円(税込)とバナナケーキ400円(税込)。コーヒー以外のドリンクメニューも充実しています。

札幌の石田珈琲店の豆を使用したブレンドコーヒーは、「一杯でも満足できて、更にもう一杯おかわりできる味」を目指してブレンドしてもらったそう。酸味はほとんどなく、苦味と甘み、コクのバランスが良く、焼き菓子やデザートともよく合います。

コーヒーは2種類で、ブレンドのほかに「軽めのストレート珈琲」があります。こちらは、ランダムに変わる豆のバリエーションを楽しめます。

キャラメルナッツパフェ

キャラメルナッツパフェは、お好みのドリンクとセットで1,200円(税込)。

ももやぶどう、メロンなど月替わりで旬の果物を使用した「季節のパフェ」の提供を始めたのは、お店をオープンして2年目の時。口コミやSNSで一気に広がり、たくさんのお客様にお店を知ってもらうきっかけになりました。

人気が出る一方で、長く続けていくことを考えたときに、さまざまな問題に気づいたそう。そのため、今は「季節のパフェ」はお休み中で、開店当初から馴染みの「チョコバナナパフェ」と「キャラメルナッツパフェ」のほか、手作りのケーキを提供しています。

スコーン

2020年、新型コロナ感染症の影響で空いた時間を利用して、以前から考えていた「焼き菓子」のテイクアウト販売を始めました。パウンドケーキ、スコーン、クッキーなど店頭に並ぶ菓子は日によって変わります。

日々、オリジナリティのあるお菓子を目指して、研究に励んでいます。中でもスパイス入りのお菓子の開発に熱心に取り組んでいるそう。

カントリークッキーチョコマサラ

見た目もかわいい「カントリークッキーチョコマサラ」は、カルダモンやブラックペッパーなどのスパイスが効いているため、甘さがくどくなく1枚ペロリと食べられます。

程よい距離感で、思い思いの時間を

喫茶ボロンジ

日替わりスコーン400円(税込)はテイクアウトも可。※テイクアウトの場合はクリーム無しで300円

美味しいコーヒーやお菓子をいただきながら、ちょうど良い距離感で店主との会話を楽しめる喫茶ボロンジ。今でこそ店主の好きなものが並んだ店内も、開店当初はシンプルで何の変哲もない店を作ろうとしていたんだとか。

「誰にでも気軽に来てもらえる店にしたくて、シンプルな店を目指しましたが、私には似合わなかったみたいです。」と笑う店主。バーとはまた違う接客の難しさを感じ、喫茶店としての在り方を一から考え直しました。

どうしたらお客様にとって居心地がよく、楽しめる店内になるのかを考え、今の店のスタイルができたのだそう。

「小さな店内でも、お客様が自分のスペースを保てて、自由に楽しめる空間になったらいい。」

最初の頃の考えとは違う形にはなりましたが、少しずつ理想に近づいています。

お店の今後については、いろいろなアイディアがあるそう。けれど、「この建物が好きなので、まだしばらくはここで修行を続けていくと思います。」と店主は微笑みます。

時代の流れとともに、昔ながらの飲食店や喫茶店がだんだん少なくなっていく末広町。変化の激しい町で、「喫茶ボロンジ」は変わらず温かく迎えてくれるはずです。

14時から22時まで営業をしているため、観光で疲れたときの一休みや、繁華街からの帰り道に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。一味違ったお土産や思い出に、お菓子や珈琲豆のテイクアウトもおすすめです。

[基本情報]喫茶ボロンジ
住所:北海道釧路市末広町3-2-17
電話:0154-45-1203
営業時間 : 14:00〜22:00(21:45 L.O)
定休日:日曜日、木曜日
駐車場:なし
https://www.instagram.com/bolounge.coffee/

稲葉めぐみ
この記事を書いた人稲葉 めぐみ
広島県出身、釧路町在住。夫の転勤を機に北海道へ移住後、道東の魅力を伝えるべく駆け出しライターとして活動中。元商社マンの強みを活かして、フットワーク軽く道東を旅します! このライターの記事一覧

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