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2019.08.09

ウイスキーへの情熱がハンパない!薩摩半島「本坊酒造マルス津貫蒸溜所」工場見学

本坊酒造マルス津貫蒸溜所

薩摩半島南西にある南さつま市には、明治42年に焼酎作りから始まった本坊酒造があります。全国展開しており、鹿児島で焼酎、信州でウイスキー、山梨でワインを主に製造している有数の酒造会社です。

今回は本坊酒造が2016年に新設したウイスキー蒸溜所であるマルス津貫蒸溜所の工場見学に行ってきました。焼酎会社がウイスキー作りを始めた理由や、製造へのこだわり、見学後の素敵な過ごし方をご紹介します。

無料の工場見学は1人からでも参加可能 

マルス津貫蒸溜所は、サッカー日本代表の大迫勇也選手の出身地としても有名な加世田津貫地区にあります。鹿児島空港から車で1時間30分ほどで着きます。高くそびえ立つ旧蒸留塔が目印。

本坊酒造マルス津貫蒸溜所 工場見学 見学受付

工場見学は1人から参加可能で料金は無料、予約は電話かオンラインで受け付けています。所要時間は30分ほどです。

本坊家旧宅 寶常 ほうじょう ウイスキーソムリエ 内田昌宏

この日は蒸留所に隣接する本坊家旧宅・寶常(ほうじょう)担当でウイスキーソムリエでもある内田昌宏さんに案内してもらいました。人を惹きつける話し方がとても魅力的で、ウイスキー愛にあふれた方です。

「旧蒸留塔」で焼酎やウイスキーの歴史を学ぶ

旧蒸留塔 歴史
旧蒸留塔 焼酎壺 小型蒸留釜

まず案内されたのは「旧蒸留塔」です。

昭和初期の製造で使用した焼酎壺や小型蒸留釜が展示されているほか、本坊酒造の歴史が分かりやすくパネルで紹介してあります。

スーパーアロスパス式連続蒸留機

実際に使われていたスーパーアロスパス式連続蒸留機は当時の技術の凄さを想像させる存在感で、今にも大きな音で動き出しそうでした。筆者の勝手なイメージですが、アニメの「天空の城ラピュタ」のロボット兵が出てきそうな雰囲気です。

平成初期、日本でウイスキーの需要が低迷し、本坊酒造は平成4年から信州での蒸留を数年間休止しました。その間、貯蔵に眠るウイスキーの商品化に注力。ウイスキーの価値が見直された頃に蒸留を再開しました。その2年後にWWA(ワールドウイスキーアワード)マルスモルテージ3プラス25 28年が世界最高賞を受賞しています。鹿児島と山梨で3年熟成させたモルト原種をさらに長野で25年樽熟させ、合計28年の歳月をかけた希少なウイスキーで、今では手に入らないようです。

「世界大会で本坊酒造、キリン、サントリーと共に賞を取ったのをきっかけに、ウイスキーは海外だけというイメージから脱却したのかもしれません。日本の技術が認められたきっかけにもなりました。」と内田さん。

続いての蒸留棟でも、日本の技術と本坊酒造の歴史を目の当たりにします。

扉を開けると芳醇なウイスキーの香りが漂う「ウイスキー蒸留棟」へ

ウイスキー蒸留棟

続いて、現在稼働している「ウイスキー蒸留棟」へ。扉を開けた瞬間、発酵酒の香りが迎えてくれます。

ここでは実際にさまざまな蒸留機器が稼働しています。

ウイスキー 麦芽

ウイスキー作りに使われている麦芽を、今回特別に味見させてもらいました。燻したようなスモーキーさと香ばしさが鼻から抜けます。この香ばしさは、麦を乾燥させる際に泥炭を焚くことでもたらされるそうです。この麦芽を粉砕して発酵・蒸留・熟成へと流れます。

焼酎製造の本坊酒造がウイスキーを作るきっかけになったのは、連続的に蒸留できるアルコール連続蒸留装置を考案した岩井喜一郎の存在です。

NHKの朝ドラで有名になった岩井喜一郎は、のちに本坊酒造の会長となる本坊蔵吉のウイスキーへの熱心な取り組みを認め交流が深まりました。昭和24年にはウイスキー製造免許を鹿児島で取得、本坊酒造が製造を担当することになり、本格的にウイスキー作りが始まったのです。

ウイスキー蒸留棟 玉ねぎ 蒸留機

玉ねぎ型の蒸留機にはガラスの窓が付いています。見学者にも作り手にも中が見えるように考案されており、稼働している時には泡立つ様子が覗けます。

約3年で出荷を待つウイスキーの眠る「貯蔵庫」へ

ウイスキー樽 貯蔵庫

続いてウイスキー樽が積み上げられた「貯蔵庫」へ案内されました。数字や記号の入った樽が、じっと静かに佇んでいます。ウイスキーの熟成は最低3年かかるのですが、津貫が新設されたのは2016年。準備期間を経て2020年に完成予定のウイスキーが眠っているのです。

筆者が驚いたのは、空調の管理をしていないこと。夏は暑く、冬は寒いままにしておくことで、その土地にあったウイスキーができるようです。山梨はブドウを思わせるような熟成された上品さ、信州は青リンゴのようなスッキリさ、鹿児島は柑橘系の爽やかさのあるウイスキーに仕上がります。

各工場で生産され、メーカーの好みで振り分けることもできます。

ウイスキー樽 貯蔵庫

出来上がりの味は前回樽に貯蔵していたお酒にも影響を受けるようです。

例えば梅酒を仕込んだ樽は次回はシェリー酒に使う。それにより、年々深みのあるお酒に仕上がります。「まれに飛び抜けて良い樽が現れるので、それは同じ酒を仕込み続けますよ」と内田さん。同じ様に見える樽でも仕上がりが変わることが面白いですね。

ウイスキー樽 貯蔵庫 ニューポット

透明樽から見える酒は色も量も違いますが、ニューポット(樽に入れる前の出来立てのウイスキー)は満杯で透明。3年熟成されると、色が変わり量も減ります。この減った分を天使の分け前と呼ぶそうですよ。なんてお洒落なんでしょうか。

本坊酒造では帰って誰かに話してあげたくなる面白い話をたくさん聞くことができます。

ウイスキー樽 貯蔵庫

写真右手前の3つの樽蓋が赤みがかっているのが分かりますか?

この樽蓋には桜の木を使用しており「日本で作るからには日本らしさを」との気持ちを込めて考案されたそうです。ソムリエが試飲したところ「ニュアンス的に桜餅のような風味を感じる」とのこと。まだ名前が決まっていない「桜樽のウイスキー」、発表が楽しみですね。

見学後は「本坊家旧邸」で優雅なひと時を過ごす

本坊家旧宅 寶常 ほうじょう 本坊家旧宅 寶常 ほうじょう 庭園

見学後ぜひ立ち寄って頂きたいのは、蒸留所に隣接する本坊家旧宅・寶常(ほうじょう)。2代目社長が暮らした家で、昭和初期の雰囲気を残しつつリノベーションしています。アンティークな家具や、琉球畳、ノスタルジックな作りが素敵です。本坊家の家紋の入った灯篭の淵はウイスキー樽をリメイクしたもの。

本坊家旧宅 寶常 ほうじょう

庭も散策できるのでゆっくりくつろげます。

 

本坊家旧宅 寶常 ほうじょう本坊家旧宅 寶常 ほうじょう

ここには有料でマルスウイスキーを味わえるバーと、津貫限定グッズ、地元の特産品が購入できるショップがあります。筆者が気になった商品は、地元知覧のお茶を使ったリキュールと酒屋前掛けトートバッグです。

本坊家旧宅 寶常 ほうじょう

「栃木からウイスキーを買いに来ました」という男性2人組に出会いました。2人は数揃うウイスキーに興奮気味で、バーカウンターで試飲をし、お土産も楽しそうに選んでいました。

本坊家旧宅 寶常 ほうじょう バーカウンター

和風平屋建てのこの邸宅では予約制でランチとディナーが楽しめます。夜はライトアップでまた違う雰囲気に。まるでドラマに出てくるセットのようで、非現実を体験できる邸宅です。

 

マルスウイスキー津貫の工場見学はとても興味深く、面白いものばかりでした。高度な技術の裏に隠された惜しまぬ努力。それが形になっている本坊酒造をみて、日本人であることを誇りに思いました。「私も頑張ろう」と前向きな気持ちにさせてくれる工場見学です。本坊酒造マルス津貫蒸留所へぜひ足を運んでみてください。

[基本情報]本坊酒造株式会社 マルス津貫蒸留所
住所:鹿児島県南さつま市加世田津貫6594
電話:0993-55-2121
営業時間:9:00〜16:00(入館無料)
定休日:年末年始(臨時休業あり)
駐車場:あり(無料)

よしだゆみ
この記事を書いた人よしだ ゆみ

食う、寝る、遊ぶが大好きな本能系。
良いものは伝えたくなる性分で、ライター、料理講師、温泉ソムリエやってます。楽しいを求めて何処へでも走るライター♪

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